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トイトレ成功の秘訣は「励まさないこと」だった! 幼児教育の専門家が語る

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母は、正常に子供を教えている取るに足らない訓練
globalmoments/gettyimages

トイレトレーニング(トイトレ)が進めば、おむつが必要なくなり、プールなど出かけられる場所も増えるので、「早くトイトレを成功させたい!」と願うママ・パパは多いことでしょう。

しかし、トイトレという大きな壁をなかなか乗り越えられずに、四苦八苦する親子が多いのも事実。早く子どもが自分でトイレができるようになるにはどうすればいいのでしょうか?

アドラー流子育てなどの幼児教育に詳しい「笑顔の子育て教室 blue bird」主宰の三宅美絵子さんに、トイトレ成功の秘訣を聞きました。

関連:トイレトレーニング3つの壁“お出かけ先”“夜間”“うんち”の乗り越え方を小児科医に聞いてみた

「大丈夫?」と聞きすぎてはいけない

――ズバリ、トイトレを成功させる秘訣を教えてください。

三宅さん:トイレトレーニングを円滑に進めるには、成功体験の積み重ねがとても大切です。そのためには、失敗したときのケアが大切。おもらししてしまったときに、親に怒られたり、がっかりされたりするようなことがあると、「トイレに失敗してこんな嫌な気持ちになるなら、ずっとおむつでいたほうがいいや」という気持ちになってしまい、トレーニングがますます進まない状況になりかねません。

――怒らずに注意すればいいんでしょうか?

三宅さん:口では「大丈夫だよ」「次はちゃんとできるよ」と言っていても、内心で怒っていると、雰囲気やそぶりでその感情が子どもに伝わってしまいます。たとえ表向きには怒っていなくても、これでは怒っているのと同じです。あせらずに「失敗して当たり前」という気持ちを持って長い目で見ることが大切です。大人だって記憶にないだけで、昔はできなかったのですから。

――失敗しないように、「トイレはまだ大丈夫?」とこまめに確認するのはどうでしょう?

三宅さん:トイレに行くタイミングじゃないのに、「大丈夫?」と必要以上に声をかけられると、楽しいことをやっているのに中断させられて、声をかけられることが嫌なことだと感じたり、「信用されていないんだな」という気持ちになったりしてしまいます。常に疑われた状態だと、「自分には力がないのかな」と自信をなくしてしまうことにもつながりかねないので、声のかけすぎには注意したほうがいいでしょう。

――自信のある・なしの問題以前に、冬は「寒いからトイレに行きたくない」とトイレに行くのを嫌がられてしまうことがあります。こういう場合はどうしたらいいんでしょう?

三宅さん:大人は理性が働くので、「寒くてもトイレに行かないといけない」と思ってトイレに行くことができます。しかし子どもの場合、理性だけではまだ頑張れない。「トイレに行かないといけない」という理性より、「寒い」という本能が勝ってしまうので、環境を整えてあげることが大切です。寒いのであれば、トイレに温風機を置いてあげるとか、トイレ用の暖かい上着を用意するといったことで、トイレに行きやすくなると思います。洋式トイレの場合は足の裏がつくように踏み台を準備してあげることも大切です。

――環境を整えたにもかかわらず、トイレまで来て便が出ないときはどうすべきですか?

三宅さん:「また出なかったの?」と残念がったり、「次はもうちょっと頑張って」と励ましたりすると、子どもは「信頼されていないな」と思ってしまいます。

――励ますのはいいことだと思っていたのですが…。

三宅さん:期待や励ましの言葉は、プレッシャーになってしまうこともあるのです。それよりも互いの信頼関係を築くことが大切です。

――どのようにすれば、うまく信頼関係を築けますか?

三宅さん:「頑張ろうね」ではなく、「ウンチさん、出なくて残念だったね。かくれんぼしちゃったのかな。ウンチさんが『出たくなったよ~』って教えてくれたら、また来ようね」などといったように、子どもの気持ちに寄り添い、次も来たいと思えるような言葉かけをすることが大切です。本人がトイレまで来たということは、明らかに違和感があったからなので、出るまで待ってあげましょう。

――うまくできたときはどんな声かけが効果的でしょうか?

三宅さん:次のことはまだ考えずに、うまくできたその瞬間を、「やったね」と一緒に喜びましょう。「次も頑張ろうね」と期待をかけられるよりも、子どもは今できたことを一緒に、喜んでほしいんです。

――うまくできたときも、できなかったときも、親が先走りせずに、子ども目線で寄り添うことが大切なんですね。

三宅さん:待つことが長くなるので、親もそれだけの忍耐と覚悟が必要です。トイレトレーニングを含めて子育てというのは、実は「親のおけいこごと」みたいなものなのです。土台となるのが、子どもとの信頼関係。よりよい関係を築いていくと、トイレトレーニングも進むと思いますよ。

関連:[ヒビユウの育児絵日記 #55] トイトレ中の思い出

「次はもうちょっと頑張ろうか」。息子に対してそんなふうに声かけをしたことのある筆者は、あれはよくなかったんだと反省してしまいました。思い返してみると、息子はそのとき、「うん」とも言わず、表情も変えずに自分の遊び場にただ戻っていくだけ。ひょっとすると「わかってないな」と思われていたのかもしれません。その後、初めてトイレでうんちができたときは一緒に喜びましたが、トイトレが終了してもまだまだ続く「親のおけいこ」。「こうなってほしい」と期待をかけるよりもまず、信頼関係の構築を心がけたいものですね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)


三宅美絵子さん
アドラーカウンセラー、ベビーサイン講師。笑顔の子育て教室「blue bird」を主宰し、アドラー心理学の勇気づけなどによりママと子どもの笑顔を増やすお手伝いをしている。著書に『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)。2児の母。

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