安藤和津が語る“孫に心から必要とされる”ばあばでいられる理由
“孤育て”“ワンオペ育児”など、母親だけに育児の負担が重くのしかかる現状もあり、「ばあば」「じいじ」がママ・パパの育児をサポートする家庭が増えてきました。同時に祖父母の過干渉による軋轢や、「孫疲れ」など、あらたな問題も顕在化しています。
そこで、講演会等で活躍しながら、2人の娘さんを全力でサポートしているエッセイスト・コメンテーターの安藤和津さんにインタビュー。普段、どんな「ばあば」ぶりを発揮しているのか、聞いてみました。
孫と遊ぶのは楽しいけれど、ついていくのが大変!
安藤さんには、2才、4才の2人の女の子のお孫さんがいます。娘さんたち、そしてお孫さんたちと、どのようにかかわっているのでしょうか?
「孫は2才と4才、2人とも女の子です。高知県に住む長女の子は、『私アイドルになるがよ~』なんて言うおしゃまさん。2才の孫は積極的で人なつっこい性格です。そんな孫たちと遊ぶのは楽しいけれど、2人ともよく動くので、ついていくのが大変。帰ったあとはドッと疲れが出ます(笑)」(安藤さん)
“人生って楽しい!”と思えるような体験をさせたい
「孫たちには、1日1回はワクワクするようなことを体験させたいと思っています。一緒にいるときは、庭に住む虫たちを観察したり、シソの葉を摘んだり、危険対策をしながら、料理をお手伝いしてもらったりしています。
娘たちには『子どもたちに無理にいろいろ教え込まないでね』とクギをさされているので、それもしっかり守っています(笑)でも、生活を楽しむことを通して、生きることって楽しい! ということはきちんと伝えたいと思っています。」
子育ての主役は娘たち。お互いに気持ちのいい距離感を大切にしています
ばあば世代と娘世代…育児の常識は変わり、ジェネレーションギャップを感じる人も多いようです。安藤さんは、どう感じているのでしょうか?
「今と昔の育児の違いは確かに感じます。離乳食を始める時期が昔より遅くなっていたり、おふろあがりは白湯(さゆ)ではなくて、おっぱいやミルクでOKだったり、紙おむつがすごくいいものになっていたり。『自分の時代はああだった、こうだった』なんてつい言いそうになるけれど、子育ての主役はあくまでも娘たちで、私は控え選手。助けを求められたときに『はい、待ってました!』と気持ちよく登場できればいいと思っています。」
お嫁さんとは、適度な距離感をキープするのが円満のコツ
読者の中には、子育てに関する意見の違いは、義母・お嫁さんという立場だとより解消しにくいと思う方も。お嫁さんに対して、ばあばはどう接するのがいいでしょうか?
「うちは娘二人なので経験はないけれど、義母の場合だと、確かにお嫁さんとはお互い気を使うのかもしれませんね。もし私にお嫁さんがいたら、たまにLINEやメールを送って『元気? 何か必要なものがあったら送るわよ』くらいにしておくかしらね。“どうしたらお嫁さんが楽でいられるか”を考えることが円満のコツだと思います」
夢は、孫たちと一緒に買い物や旅行に行くこと
娘さんやお孫さんたちと、いい関係を築いている安藤さん。最後に、これからしたいことをうかがいました。
「私は現在71才ですが、孫たちがお年ごろになったら、一緒に買い物に行ったり、旅行に行ったりしたいですね。だから、その日がくるのを楽しみに、ジムに行くとかダンスを習ったりして、もっと体を鍛えるつもり。まだまだ頑張ります!」
(取材・文/高橋裕子 撮影/佐々木慎一[SHIGNO] スタイリング/松田綾子[office DUE] ヘア&メイク/宮沢かおり)
お話をうかがっているうちに、安藤さんが大切にしている、“おばあちゃん像”が見えてきました。娘さんたちといい関係を築くことが第一。まずは「親」の子育てを尊重する。お孫さんに伝えたいことをしっかり伝えられる。安藤さんが、「ばあば」としてもキラキラ輝いている理由は、そこにあるのだと感じました。
『たまごクラブ10月号』のとじ込み「孫ができる“ばあば”のためのサポートBOOK たまごクラブgrande」には、安藤和津さんの撮りおろし写真や、お孫さんたちとの楽しいエピソードも掲載しています。
【PROFILE】1948年東京都生まれ。1979年に俳優・奥田瑛二さんと結婚。長女は映画監督の安藤桃子さん、次女は女優の安藤サクラさん。エッセイスト、コメンテーターとして、メディア・講演会など多岐にわたり活躍中。