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「保育所保育指針」大改訂で、変わりゆく保育園を大豆生田先生に聞く

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今年もそろそろ、4月の保育園入園に向けた募集が始まります。どの園に申し込もうか、まさにいま悩んでいるというママ・パパも多いのではないでしょうか。
実は2018年4月、保育所運営のガイドラインである「保育所保育指針」が大幅に改定されているのを知っていますか? 保育園は、ママやパパが子どもだったころとは大きくその方針を変えているのです。
乳幼児教育はどう変わって、指針の改定が子どもたちにどう影響するのか,
乳幼児の教育を研究している大豆生田先生に聞いてみました。

関連:3分でわかる幼保無償化 3〜5才の保育園・こども園・幼稚園が無償に

「非認知能力」の育成が 乳幼児教育で最重視ポイントに

現在、教育の世界では、目標に向かって頑張る力、人とうまくかかわる力、感情をコントロールする力など、内面の力
である「非認知能力」が重視されています。これは、さまざまな調査によって、非認知能力の高さが将来の意欲や生きる力につながることがわかってきたから。一方、文字が書ける・計算ができるなど、幼児期の「認知能力」の高さは、将来の優秀さにはあまり関係がないことがわかっています。

非認知能力の重要性が注目された 「ペリー就学前プロジェクト」

「ペリー就学前プロジェクト」とは、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン博士がアメリカで行った貧困家庭の幼児期教育に関する実験。幼少期に非認知能力を重視するプリスクールに通い、就学前教育を受けた人のほうが、将来的に収入・持ち家率・学歴が高いなどの差が見られ、その後の教育学において大きな影響を与えています。

「保育所保育指針」の改定で幼児教育を強調

2018年4月の「保育所保育指針」の約10年ぶりの改定は、小学校以降の「学習指導要領」も含めた大改定の第一歩として、今までの改定とは大きく異なります。ポイントは3つ。

1 子ども一人一人が保育士に温かく受け止められる手厚いかかわりが基盤であること
2 保育園と幼稚園は同じ教育機能があり、その中心は子ども主体の遊びや学びであること
3 子ども主体の遊びや学びは、小学校以降のアクティブラーニングにつながるものであること


このように保育園の教育が持つ機能があらためて位置づけられました。

アクティブラーニングに遊びをつなげること

アクティブラーニングとは、子どもが中心になって始まる深い学びのこと。たとえば子どもが色水に興味を持ったら、先生はもっと興味を持ってもらうために、一緒に色水を作ってみたり、絵本を読んだり…など工夫しながら学びを深めるのがアクティブラーニングです。誤解している人も多いですが、フラッシュカードを覚えさせるような一方的な教育は、アクティブラーニングとはいえません。

保育園=幼稚園になり、育ってほしい10の姿に向けた教育内容に

ママやパパの中には、保育園=保育、幼稚園=教育という誤解をしている人もいます。でも、今回の「保育所保育指針」の改定で保育園と幼稚園・こども園では、3才以降の教育内容はまったく同じ内容に。どの園でも下記の「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を目安に小学校入学までにさまざまな形で教育が行われます。

幼児教育無償化ですべての園で質の高さが求められるように

今年10月から3才児クラス以降の保育料は公費によって無償化に。公費が使われるということは、施設側がきちんと質の高い教育を提供しているのが問われるということ。今後は指針に沿った教育をしているか、審査されていくはずです。今は指針に沿っていない園も、今後は非認知能力を重視する方向にかじを切っていくと思います。

関連:いよいよ始まる幼児教育・保育の無償化!最終まとめと今だから知っておきたいこと

「子ども主体の遊びや学びは集団の中でこそ生まれます」という大豆生田先生。ママやパパが保育園や幼稚園に通った時代とは、園に求められる姿や教育内容は大きく変わっているそう。保活では、保育園の現状や教育のトレンドをしっかり理解して、わが子に合った園を見極めてくださいね。
(写真/アベユキヘ 取材・文/ひよこクラブ編集部)

■監修/大豆生田啓友先生
(玉川大学教育学部 教授)
専門は乳幼児教育学・子育て支援。著書に『子育てを元気にすることば-ママ・パパ・保育者へ。』(エイデル研究所)など。NHK『すくすく子育て』出演中。3人のパパです。

■参考:『ひよこクラブ2019年8月号』「保活のこと総まとめ」

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