専門家に聞く3歳からのスマホルール、わが家はどうする?
「子どもにスマホを使わせていいの?」と悩んでいるママやパパは、多いのではないでしょうか。しかし2020年度から、小学校ではプログラミング教育が必修化となるなど、子どもがスマホなどのITデバイスを使うのは避けては通れない時代です。子どものデジタル教育に詳しい、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科准教授 五十嵐悠紀先生に、3歳からのスマホの使い方とルールについて聞きました。
子どもにスマホは使わせてもOK! 大切なのは使い方
子どもがスマホやタブレットなどのITデバイスに触れることについては、賛否両論あります。
五十嵐先生も「スマホに子守をさせるのは確かにNGですが、適切に使えばいろいろな力の成長や成功体験にもつながります」と言います。
たとえばすぐに検索できることが当たり前で育ったら、自分で覚えようとはしなくなるかもしれません。しかし、いろいろな情報に触れ、その中で情報を取捨選択する能力は伸びるでしょう。
時代とともにAIが発展し、世界中で活用されていくなかで、情報を取捨選択したり、プログラミングに必要な「論理的に物事を考える能力」は、これからの時代を生きて行く子どもたちにはあったほうがいい力です。
子どもにITデバイスを使わせるとき、ママやパパに心がけてほしいのは適切な使い方を教えることです。単なる暇つぶしではなく、たとえば親子で学びにつながるアプリを楽しむなど、子どもの成長にプラスになるような有意義な使い方をしましょう。
家庭で徹底したい! 3歳からのスマホ★4つのキホンルール
スマホやタブレットには、依存性などマイナス面もあるので、子どもに使わせる場合はルールを決めることが必須! 次のポイントを参考にしながら、子どもと話し合ってルールを決めましょう。また子どもの成長に合わせて、ルールは見直しを!
Point1 ママやパパの前で、時間を決めて使わせる
スマホやタブレットは、必ずママやパパの見ているところで使わせて、「1日30分だけ」など時間を決めるのが鉄則。注意してほしいのはママやパパの都合で、使う時間を延長したりしないこと! ルールを変えると、ダラダラ見が習慣になりやすいです。
Point2 子どもでも、個人情報は入力しない
子ども向けのアプリでも、名前や住んでいる地域、生年月日など個人情報の入力が必要な場合があります。ネット上に個人情報を上げるのは危険なので、子どもには「ニックネームにしようね」と伝えましょう。
Point3 安全なアプリだけ使う
アプリは、さまざまなものがありますが、必ず安全性を確認しましょう。ママやパパが一度使ってみて、子どもに適切かを判断するといいですね。アプリによっては約束した時間内では完結しないものもあるので、途中でやめて次の日に再開しやすいかというのもポイントです。
<アプリのチェックポイント>
□時間を区切って遊べるか
□目標がわかりやすく示されているか
□親とのかかわりが意識されているか
□子どもが自分で遊び方を見つけられるか
□伸ばしたい能力と関係があるか
□子どもが興味を持つか
□個人情報を入力しないでOKか
□課金が発生しないか
Point4 スマホに没頭させない
スマホやタブレットを使っているときは、没頭させるのではなく「なぜこれを作ったの?」「どうして〇〇になったの?」と言葉をかけて、考える機会を作りましょう。AI時代には、ITを使いこなすだけでなく、自分の意見を伝えたり、人とコミュニケーションをとったりする力も必要です。
五十嵐先生は3人のお子さんのママでもありますが、子どもたちにITデバイスを使わせる一方で、ブロック遊びや砂遊びなどアナログ的な遊びも大切にしていたそうです。子どもにITデバイスを使わせるならば、ママやパパはそうした遊びのバランスも見直したほうがよさそうですね!(文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
■参考/『ひよこクラブ」2018年10月号「AI時代を生き抜くために育てたい力って!?」
『1才2才のひよこクラブ」2019年冬春号「3さいからのプログラミング思考の育て方」
取材協力/こどもちゃれんじ
■監修/五十嵐悠紀先生(明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 准教授)
子どもを対象にしたITワークショップを多く開催。2男1女のママ。著書に『AI時代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55』(河出書房新社刊)、『スマホに振り回される子
スマホを使いこなす子(ネット社会の子育て』(ジアース教育新社)ほか。