「私になにかあったら」母乳だけど欲しい。液体ミルクがそのまま飲める、紙パック用乳首発売
2019年11月29日、東京都品川区のアカチャンホンポTOC店で、紙パックの乳児用液体ミルクに直接つけられる国産の「乳首」が発表されました。価格は500円前後。発表と同時に行われた体験会に参加したママの感想はどのようなものだったのでしょうか。たまひよONLINEがリポートします。
「私になにかあったら」。母乳ママが欲しいと思った理由
「いざというとき、私になにかあったらと思って…」と答えてくれたのは、生後3カ月の男の子、ちはや君のママ。
新商品の発表と同時に行われた「紙パック用の乳首と乳児用液体ミルクの勉強会&体験会」に参加した理由が冒頭のひと言でした。
いつもは母乳というちはや君ママ。実際に「チュチュ 紙パック用乳首」を紙パックの液体ミルクにつけてちはや君に飲ませたところ「かんたんで驚いた」と言います。一緒に来ていたちはや君の祖母も「昔からは考えられない。わたしは粉ミルクで育てた。当時こんなのがほしかった」とのこと。
思わず驚く、つけかたの簡単さ
紙パック用乳首を開発・発売したのはジェクス株式会社。開発自体は液体ミルクが発売される前からスタート、「麦茶などを想定していた」(ジェクス株式会社 開発マーケティング本部の赤木里紗さん)そう。
「つけやすいけど、外しやすくて、外しやすいけど、ふいに外れないという矛盾する課題を解決するのが難しかった」と赤木さん。完成したのは、液体ミルク、麦茶はじめ乳児用紙パック飲料に対応可能な商品。価格は500円前後。煮沸、薬液、電子レンジなどさまざまな消毒方法に対応していて繰り返し利用できます。
春までは全国のアカチャンホンポと同店のオンラインのみで取り扱い予定とのこと。
アカチャンホンポでは液体ミルクとセットで売り場展開していくそう。「液体ミルクは3月に発売された直後は需要と供給のバランスがくずれるほど人気に。しばらくは落ち着いていましたが、9月、10月の台風時に再度注目されました。またネットで購入される方はまとめ買いが多く、備蓄用途ではないかと推察しています」(株式会社赤ちゃん本舗 広報部 岩永優美さん)ということが背景にあるよう。
勉強会では紙パックの液体ミルクの発売元である江崎グリコの管理栄養士・子育てアドバイザー中村理恵さんから、実際のママたちが液体ミルクをどのように活用しているかの紹介も。
調乳がいらないことから深夜や、ママ以外が赤ちゃんの面倒をみるシーンなどや、ママの体調不良、外出時などに役立ったという声なども届いているそう。また、やはり「災害時への備えとしてのお声は本当に多い」(中村さん)とのことで「母子が別々の場所で被災するという状況時でも赤ちゃんの命をつなぐのに役立ちたい」とのこと。
「母乳だけど購入したい」とは前述のちはや君のママ。
”もしもの時”がないにこしたことはないけれど、万が一・・を考えたママたち注目の新製品です。
びっくりするほど簡単な装着方法
使用方法は以下の通り
1 紙パックのストローくちから離れている側の耳を起こす。
2 ノズルカバーをはずす
3 紙パックの起こした耳をアダプターへ差し込む
4 紙パックのストローくちにアダプターのノズルを置くまで差し込む
編集部が試したところわずか10数秒。紙パックを押さなくても吸い付くと自然に出てきて、想像以上にカンタン。漏れるのではと思ったけれど、その心配は必要なかった。
会場には粉ミルクの場合と液体ミルク+乳首の場合の荷物の比較も
左が従来の粉ミルクを持ちはこぶ場合の荷物。右が今回発売された紙パック用乳首を紙パックの液体ミルクを持ち運ぶ場合の荷物。