子どもが寝てから夜中にLINEで作詞・作曲 ママ2人組アーティスト
連載4回目は、ママ2人のアーティストは作詞と作曲の打合せをLINEでする、というお話。育児に役立つ音楽動画をYoutubeで発信し続けている話題のママ2人組の音楽ユニットmamakanonさん。2017年に発表した歯磨きの動画は再生数450万回以上。なぜママたちに支持されているの? たまひよONLINEでは2人の音楽動画を数回にわたって紹介していきます。
連載「mamakanonの思いっきり抱きしめて」#4
育児・家事・仕事をしながらの作品作り。mamakanon流時間の作り方
ママ2人の音楽動画ユニット「mamakanon」の、kanoです!
前回までは、相方nonと私kanoで交互にmamakanonの曲作りや動画制作秘話についてご紹介してきました。赤ちゃんを抱っこしながら無言で動画を撮り続け、アレンジしていくというなかなかシュールな内容でしたが、今回もシュールかも。
今回は私たち2人が、育児やそれぞれの仕事の合間にどうやって連絡を取り合い、どうやって作品作りの時間を作り出しているのかをお話します!
活動に行き詰まったあの日、たどり着いた答え
mamakanonの活動を始めたのは、私が次男妊娠中。産休に入る前くらいでした。だから、ちょうど産休〜育休の間にmamakanonの活動をスタートさせたのです。
でも、産休・育休期間でもなかった相方non。当時nonが何をしていたかというと、実は在宅でライターのお仕事をしていたんです。ライターという本業がありながらの曲作り…。nonは元々、超絶早起きの超ショートスリーパー。その性質を利用(?)して、昼間はmamakanon、夜中は2時頃に起きてライター仕事をするという超人生活を送っていました。
育休中の私と眠らない相方non。私たちにとっては、奇跡的なタイミングでmamakanonを始めたことになります。
でも数か月後……ありがたいことにmamakanonの活動が軌道に乗り始めた頃、気づけば迫り来る私の職場復帰……。当時、週5で出勤して働いていたため、もし職場復帰すれば土日は子育て、平日は夜まで仕事。曲を作ったり、動画を作ったり、ライブをしたりというmamakanonの活動は、当然できなくなります。
2人で電車に乗りながら、なんの解決策も浮かばなくて、まるで別れる前のカップルみたいに「もう…終わりだね……」ってうつむいて帰ったあの日を思い出します(笑)
そこで私は、家族を巻き込む一大決心をしたんです。それは、安定していた仕事、そして、睡眠習慣を変えることでした。
イレギュラーに左右されない時間は真夜中だけだった
産休中に必死でライターの勉強をして、前の職場を退職。
最初は、日中にmamakanon作業とライターの仕事をしていたのですが、やはり子どもの熱や保育園行事、家の用事などで予定がまったく読めず。イレギュラーに振り回され、お給料は一気に激減。
mamakanonは2人だけの問題でも、仕事は家族の生活に響きます。そこで、突発的な出来事に左右されない時間を考えると、どうしたって、それは真夜中だけだったのでした。
それからは相方nonをお手本にして、真夜中にライターの仕事や動画編集を。朝がきて保育園に子どもたちを預けてからは、2人で集まって作業する日々が始まりました。
元々私は、遅寝遅起きのロングスリーパー。何十年間も早起きに挑戦し続けたけど、本当に起きられなかったのです。それが、なんということでしょう!
やりたいことがあるけど時間はない。子育ても家事も仕事も、1日だって待ってくれない。mamakanonを続けるなら、早起きするしか選択肢がなかったことと、私より何十倍も頑張りながらも励まして続けてくれる相方nonがいたからか、生活を変えることができたのです。
真夜中もLINEで打ち合わせ。無名なのに、そこまでする理由
そんなわけでmamakanonは、一日中ほぼずっと連絡を取り合うようになりました。3時に起きてライターの仕事をし、日中はmamakanonの曲作りや動画作りをする日々。気合いを入れる為にも、夜中に起きたらLINEでなぜか1日の予定や目標をお互いに報告(笑)。mamakanon作業の追い込み期間には、真夜中にひたすらLINEで打ち合わせすることも日常茶飯事です。
mamakanonを始めたばかりの頃、2人でよく「誰が待っている訳でもないのに、どうしてこんなに無理な計画を立てて、自分たちを追い詰めるんだろうね」なんて笑い合っていました。
楽しいから、ママたちの役にたっている実感があったからなのはもちろんです。でも一番は、世界中でmamakanonの歌が歌われる日を夢見ていて、それが2人でならできると信じているから。
それぞれ元々音楽活動をしていて、結婚・出産で、一度は諦めそうになった夢。
今でも、眠くて起きられない日や、子どもの体調不良や度重なるイレギュラーに振り回されて作品作りが進まず、心折れそうになる日もあります。
そんな時は、スパルタな相方nonの「kano、やるかやらないか。それだけだから!」という言葉が現実逃避を防いでくれています(笑)。同じように、相方nonがピンチの時は、私が助ける!と決めています。家族や周囲の方の協力があって、お互いに励まし合える相方がいるこの状況に心から感謝しながら、これからも良い作品を作っていきたいと思います!
さて、次回は相方nonが、YouTubeでmamakanon作品を見てくださった方からの、いろいろな反応や声についてお届けしたいと思います。お楽しみに!
文/kano(mamakanon)
今月の1曲 「なんでそれひろうかなぁ 〜子育てあるあるソング〜」
mamakanon第7弾PV『なんでそれひろうかなぁ』。ドングリ、ホコリ、葉っぱ、糸くず、泥だんご、石ころなどなど。家の外にいても、家の中にいても、子どもがとにかく目をキラキラと輝かせて持って来る「それ」。「なんでそれ拾うの?」っていうママの心の声を歌った紙芝居風のPVです。
mamakanon
撮影/成田由香利
PROFILE
ママカノン/4才の男の子のママ・nonさん(写真左)と、3才と5才の男の子のママ・kanoさん(写真右)によるユニット。それぞれ10代からシンガーソングライター&作詞・作曲家として活動。現在は“ママに寄り添う”をテーマに、育児に役立つ音楽動画を公開中。ママに寄り添う歌や動画
mamakanon 公式チャンネル