【医師監修】小児科医が警鐘 8カ月ごろからのはいはい赤ちゃんには危険な室内事故が起こりやすい
8カ月を過ぎるとはいはいする赤ちゃんが増え、室内事故の危険性が高まります。赤ちゃん・子どもの事故の予防に長年にわたり取り組み、NPO法人Safe Kids Japan理事長である小児科医の山中龍宏先生。「たまひよONLINE」がはいはいをする赤ちゃんに起こりやすい事故と予防法について聞きました。
はいはいする時期の「誤飲」「転落」「やけど」に注意!
「8カ月ごろには、ほとんどの子がおすわりできるようになっています。視界が高くなり、ローテーブルの上に置いてあるものが気になり、事故につながることも。また、はいはいをする赤ちゃんが増えて行動範囲が広がります。大人が目を離したちょっとしたすきに起きる誤飲や転落、やけどなどの事故にとくに注意が必要です」(山中先生)。
【誤飲】消毒薬やボタン電池が危ない
「8カ月になれば、子どもは手を出してものをつかみ、口に持っていくようになります。この時期の子どもで誤飲しない子どもはいないといっても過言ではありません。必ず誤飲すると考え、保護者は子どもの行動範囲の床に顔をつけて見まわし、子どもの口に入るもの(直径39㎜)があれば、1mより上に上げてください」(山中先生)。
【予防ポイント】
□ラップの芯を通る小さなもの(直径39㎜以下)は子どもの手が届かないところ、開けられないところに保管する
□消毒液や洗剤、医薬品、ボタン電池などは子どもの手が届かないところ、開けられないところに保管する
□子どもの前で薬やサプリメントを飲まない
□ボタン電池は簡単に取り出せないようにしておく
□きょうだいがいる場合、おもちゃは年齢別に分けて収納する
【転落】階段、段差での転落
「はいはいが上手になると、階段を上ってしまうことも。バランスを崩して転落してしまうことがあるので、階段の上下にはベビーゲートをつけるなど、入れないようにしましょう。玄関の段差も転落しやすい場所。転落しても大きなけがにならないように、玄関の床面にクッション材を敷くなどするといいでしょう」(山中先生)。
【予防ポイント】
□階段の上下にベビーゲートをつける
□ベビーゲートは必ずロックをして、子どもが1人で入れないようにする
【やけど】電気ケトル、ポット、炊飯器でのやけど
「すぐにお湯が沸くことで人気の電気ケトルですが、本体につかまり立ちをしたり、コードを引っ張ったりして熱湯を浴びてしまうという事故が起きています。電気ポットも同様に注意が必要です。また、炊飯器から出る蒸気に触れてやけどをしたケースもあります。調理家電は子どもの手が届かない場所に置くようにしましょう」(山中先生)。
【予防ポイント】
□電気ケトル、電気ポット、炊飯器は子どもの手が届かない場所に置く
□電気ケトルや電気ポットはお湯が出ないようにロックする。湯漏れ防止機能つき電気ケトルを使うと安全
□電気コードは引っ張れないようにし、使用後は片づける
お話・監修/山中龍宏先生 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部
赤ちゃんがはいはいするようになるとますます目が離せなくなります。お部屋の危険な場所を整えることで室内の事故・けがの予防につながります。赤ちゃん目線でもう一度室内をチェックしてみましょう。
初回公開日2020/06/08
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