おたくマンガ家・期せずして世の中の先をいった話【御手洗直子のコマダム日記】
今回は直子が世の中の先をいったお話。
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコマ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#33
先物取引の光と影
私は完璧主義なので物事には万全を期して臨むことにしている(嘘)。嘘ではない。むすめの入学準備のためにはるか前からあらゆる通販サイトとイオンを駆使し必要なものをそろえてきた。(主に私の好みで)サイズ指定のある小物…給食ナプキンもネットでググりカワイイ手作り品をゲットした。手作りの民の皆さんありがとうございます…金なら払います。あまりにカワイイので必要量の2倍ほど買った。オタクはこういうことをしがちである。しかも給食時必要なガーゼマスクを通販するにあたり、挙動が完全に怪しい人になっていた。違うんだ。ただ、入学時に必要なマスクが欲しかっただけなんだ。あなたの作るマスクがカワイイから、単純にアレコレ欲しくなっただけなんだ…という言い訳を書くわけにもいかないので完全にマスクを買い占めに走るあやしい人になっていた。ごめん…。
というわけで3月の時点で、うちには子ども用のガーゼマスクが大量にあった。ものすごい無駄遣いをしてしまった…いや、小学校は6年もあるのだ。いつか消費するであろうと目の前のマスクから目をそらそうとしていたわけだが、まさかその直後に世間が前代未聞空前絶後のマスク不足に陥るとは思わなかった。このへんの情報には疎く生きているのでそれじゃあ大人用のマスクも買いに行くかあ、と私がマスクを買いに行った時には本当にどこにもかしこにもマジでマスクは売っていなかった。マジで。
大人用のものについては幸いクローゼットの奥地から、いつのものだかもわからない、清潔とも疑わしいマスクの在庫が発見された。ありがとう…いつかのわたし。コレが見つからなかったら本当の本当にマスクを手に入れられないまま二ヶ月を過ごしたと思うのだがホントにどうするつもりだったんだろう。
そんなわけで私の過剰な事前準備により幸い娘たちのマスクには困らないで自粛期間を過ごすことができた。ありがとうガーゼマスク…過去の私。まさか学校にまったく行かないのにこんなに大活躍するとは思わなかった。軽率にマスクを紛失し続ける娘たちに対応できたのは私の無駄遣いがあってこそである。カジュアルに自己を正当化する。
ちなみに3月上旬、マスクと同時に買ったむすめの上履きは1度入学式で履いたきり5月末現在でサイズアウトしました。入学早々、ガバガバの上履きを履かせるのも忍びない…と情けをかけるべきではないのだ。
小学生の上履きはガバガバで良い。(自戒)(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko

