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ウィズコロナ・子どもの不安をしっかり受け止める「アタッチメント」が大切なワケ【小児精神科医】

アジアの母と居間で赤ちゃんの肖像画
写真はイメージです
itakayuki/gettyimages

「乳幼児期はアタッチメントを築くことが大切」とよく言われます。ウィズコロナで何かと不安が多い今、親子の愛着形成といわれるアタッチメントは、今まで以上に大切になっています。
臨床の現場で子育て中のママとパパに寄り添い、子どもを見守る活動を続けている、小児精神科医で、子どもの虐待防止センター理事の奥山眞紀子先生に、乳幼児期のアタッチメントの大切さについて教えてもらいました。

子どもの不安を取り除くことで、ママやパパは子どもの「安全基地」に

アタッチメントは「愛着」と訳され、乳幼児期の子どもと、子どもを育てるママやパパとの間にできる心理的な結びつきを意味する言葉です。
赤ちゃんは不快や不安を感じたときママやパパに助けを求め、それらのネガティブな感情をおさめてもらおうとします。そしてママやパパがその気持ちにこたえることで、アタッチメントは築かれていきます。
でも、「アタッチメントとは」という説明を聞くと、難しいことのように感じてしまい、「うちはできているのか…」と不安になるママやパパがいそうです。

「おむつがぬれて気持ち悪い、おなかがすいた、大きな音がして怖いなど、赤ちゃんは泣いて自分の気持ちを表現し、ママやパパに訴えてきますよね。そのとき、ママやパパは『おむつを替えてさっぱりしようね』と声をかけながらお世話をしたり、『音が怖かったね~』と言いながら抱っこしてあやしたりするでしょう。このように、赤ちゃんの気持ちに同調し、要求にこたえて気持ちよくさせたり、安心させたりすることで、アタッチメントが築かれていきます。つまり、普通に赤ちゃんと向き合っていれば、アタッチメントはできているのです」(奥山先生)

赤ちゃんの不安や不快を取り除き、安心させてあげる。たしかに、育児中のママやパパは、日常的にしていることですね。ママやパパがそのような行為をすることで、赤ちゃんはどう感じるのでしょうか。

「不安や不快を感じるたびに安心させてもらえる経験を積むことで、『この人は自分を守ってくれる存在だ』と認識し、信頼感が芽生えるようになります。そして、ママやパパを『安全基地』と見なすようになります。『安全基地』は赤ちゃんが外の世界に興味を持ち、探索しようとするときに、よりどころになるもの。外の世界に出て『怖い!』と感じたら安全基地に戻って安心する。安心したらまた外に出て行こうという気持ちになる…というふうに、安全基地を中心にして赤ちゃんの世界は広がっていくのです」(奥山先生)

子どもの「キャパ」を超えたしかり方は親子関係がこじれる原因に

子どもの気持ちに寄り添ったかかわりをすることで形成されるアタッチメントは、子どもの視野を広げ、好奇心や自立心を育てるのに欠かせないものだということがわかりました。
でも、子どもの年齢が上がると、子どもの欲求通りにするわけにはいかないシーンも出てきます。その場合はどのようにかかわるのがいいのでしょうか。

「1才を過ぎると子どもの動きが活発になり、好奇心も旺盛になるので、危ないものに興味を持ったりして、『それはダメ!』と止めるシーンが出てきますね。危ないもの、してはいけないことをそのつどきちんと教えることは重要です。でも、子どもの『キャパ』を超えるしかり方はしないでください。
『キャパを超えるしかり方』とは、子どもに恐怖を感じさせるようなしかり方です。子どもは恐怖を感じると、その場を逃れることしかできなくなるので、なぜこれをしてはいけないのかを考えられなくなり、しかられている意味を理解できなくなります。そのため、何度も同じことをして、そのたびに激しくしかられる…の繰り返しになり、親子関係がこじれるもとになってしまいます」(奥山先生)

「子どものキャパを超えたしかり方をしてしまった」とママやパパが気づくには、子どものどのような様子に気をつけておくべきでしょうか。

「子どもがかたまってしまったときは『キャパを超えた』と思っていいでしょう。また、しかりながら『あ、言い過ぎちゃった…』とママやパパが感じたときは、子どものキャパを超えていると思ってください。そんなときは『ごめんね、怖かったね』とすぐに抱きしめ、安心させてあげることが大切。そして、子どもが理解できる言葉で、どうしてダメなのかを冷静に説明しましょう」(奥山先生)

3才~5才になるとかなり言葉の理解力が高まるし、できることも増えます。この年代のかかわり方は、「子どもに考えさせる」というステップが必要になるそうです。

「まず子ども自身に考えさせ、行動させる。そして、求められたときは手助けするという感じで、ママやパパは黒子的存在になるのがいいですね。でも、子どもが不安を感じたときに抱きしめて安心させてあげる、という基本は変わりません。子どもが手を伸ばしたら届く、ほどよい距離にいて、見守るようにしましょう」(奥山先生)

「しっくりこない」と感じたら、子どもが何を求めているかよく見て

何かと不安が多いコロナ禍では、今まで以上にアタッチメントが重要になると思います。ママやパパが気をつけたいことはどのようなことでしょうか。

「新型コロナによってママやパパがいろいろな不安を抱えていると、気持ちに余裕がなくなり、子どもが求めているものをキャッチできなくなってしまうことがあります。子どもの気持ちに寄り添うには、ママやパパの不安を軽減することが欠かせません。一人で抱え込まず、誰かに聞いてもらうようにしましょう。
そして、『最近なんとなく子どもと波長が合わない』『子どもとの関係がしっくりこない』と感じたら、子どものことをよく見るようにして、『今、何をしてほしいと思っているのかな』と、気持ちに寄り添うようにしてみてください。
また、『アタッチメントが重要』と頭で考えすぎると、何をすればいいのかわからなくなったり、不安になったりしてしまうと思います。そんなときは子どもの笑顔に注目してみましょう。
いつもどおりのいい笑顔を見せてくれたら、心配しなくて大丈夫。自信を持って育児をしてください」(奥山先生)

お話・監修/奥山眞紀子先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

乳幼児期にアタッチメントを築き、ママやパパが子どもの「安全基地」になるのは、子どもの成長のために非常に大切なこと。身構えすぎる必要はありませんが、コロナ禍でも子どもが安心して過ごせるように、子どもの気持ちに寄り添っていきましょう。

奥山眞紀子先生(おくやままきこ)

Profile 
子どもの虐待防止センター理事。東京慈恵会医科大学卒業、同大学院博士課程修了。ボストンカレッジ小児思春期カウンセリング学修士号取得。独立行政法人国立成育医療研究センター・こころの診療部統括部長。専門分野は小児精神医学。

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