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発達心理学で注目される「アタッチメント」を促す「温かく優しい雰囲気」の作り方を専門家に聞く

幸せな両親は床に子供を描くながらソファの上でリラックス
fizkes/gettyimages

昨今の発達心理学や保育学では、「アタッチメント(愛着、くっつくこと)」という概念が注目されています。アタッチメントとは、乳幼児がママやパパ、保育園の先生など、特定の誰かと愛着の関係があることをいい、それを通じて子どもは「自分は愛されているんだ」という自己肯定感を抱き、自律性も獲得していきます。このアタッチメントの環境づくりにおけるキーワードが「温かく優しい雰囲気」です。「温かく優しい雰囲気」は子ども目線から見てどのような雰囲気なのでしょうか? また、この雰囲気を作っていくために必要なこととは? 発達心理学・感情心理学が専門の東京大学大学院教育学研究科、遠藤利彦先生に聞きました。

「温かく優しい雰囲気」ってどういう雰囲気?

「温かく優しい雰囲気」というのは、親が応援団として送ったエールが子どもに伝わる環境であるということです。子ども視点でいえば「この場所は安全で、安心できる」「自分はこの場所にいてもいいんだ」と思える雰囲気のこと。親がとくに何かをしなくても、子どもはそこにいるだけで「自分は守られている存在」「いろいろなことをしてもいい存在」と感じることができ、一人でさまざまなことに挑戦していけるようになります。
また、「温かく優しい雰囲気」とは単にその場所の雰囲気だけをいうのではなく、人間関係が良好であることも大事なポイントです。家族構成にもよりますが、ママやパパ、きょうだい、ばあば、じいじたちが、子どもと良好な関係を築くことはもちろん、夫婦関係など本人を介さない人間関係も良好でなければ、「温かく優しい雰囲気」は簡単に壊れてしまうでしょう。

夫婦げんかは「たまにはOK」だけど気をつけたいこと

となると、気をつけたいのが夫婦げんか。子どもにとってマイナスに影響するのであれば、なるべく避けたいところです。しかしこれは「程度問題」でもあるので、たまにけんかする程度なら問題ありません。どんなにオシドリ夫婦だって、お互いの主張がぶつかることはあるし、それを隠すほうが不自然です。親が感情をオープンにしたコミュニケーションを見せることで、子どもが「この家では自分の感情を出してもいいんだ」と思えるプラス要素もあります。
「温かく優しい雰囲気」は、いつも家族みんながニコニコしていることをいうのではありません。前提となるのは自分の感情を隠さないでいられることなので、泣きたいときに泣ける、怒りたいときに怒れることも大切。全体的にポジティブな雰囲気が優勢ななかで、ネガティブな感情も受け入れてもらえることが理想です。

家にいる時間が少ない共働き家庭はどうしたらいい?

「仕事で家にいる時間が少ない」「子どもともそんなに会えない」という共働きの親は、「温かく優しい雰囲気が作れるのか」ということが気になるかと思います。たしかに、昔のように祖父母や専業主婦としてのママがいつも家にいるような家庭は「温かく優しい雰囲気」を作りやすかったでしょう。しかし、共働き家庭で祖父母もいない家庭はそのような雰囲気を作れないのかというと、そんなことはありません。先ほども述べたように、場所だけでなく人間関係の話でもあるので、保育園の先生とうまくいっている、ベビーシッターとうまくいっている、といったことによっても、子どもにとっていい雰囲気が作られていくのです。親だけで「温かく優しい雰囲気」を作るのが難しい場合は、親以外の誰かにその役割を担ってもらうといいでしょう。

もしも「温かく優しい雰囲気」が壊れてしまったら

「激しい夫婦げんかをしてしまった」
「夫婦関係が冷めきって会話もなくなってしまった」
このようなことがあると、せっかく時間をかけて作り上げた温かく優しい雰囲気が壊れて、子どもが安心できる場所ではなくなってしまいます。子どもはいつでも安心して戻れる場所があるからこそ、一人でいられるようになれます。夫婦関係のギクシャクが長引くと、子どもの発達にもマイナスに影響しかねないので、まずは夫婦関係を修復することを考えましょう。夫婦が仲直りできれば、元の温かく優しい雰囲気に戻っていきます。

昔は祖父母や親が家にいる時間が長く、「温かく優しい雰囲気」が作りやすかったかもしれません。しかし今は核家族化が進み、共働き家庭も増えています。「子どもが起きている時間に子どもとなかなか会えない」という人も少なくないでしょう。「温かく優しい雰囲気」が昔より作りにくくなっていることもあるかもしれませんが、家にいる時間が短くなっても良好な家族の人間関係は築けます。休日の子どもとの過ごし方や、夫婦関係などを見つめ直して、子どもにとっても自分たちにとっても居心地のいい空間を作りたいですね。
(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)


■監修/遠藤利彦先生
(東京大学大学院教育学研究科教授)専門は発達心理学・感情心理学。子どもの発達メカニズムや育児環境を研究する発達保育実践政策学センター(Cedep)のセンター長も務めている。

■参考文献/『赤ちゃんの発達とアタッチメント――乳児保育で大切にしたいこと』(遠藤利彦著・ひとなる書房)

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