おたくマンガ家が密を表現するとあのイベントに【御手洗直子のコマダム日記】
今回は直子が密を感じたお話。
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコマ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#35
イッツ絵図オブ地獄 in 令和2.
コロナの自粛中買い物はわたしの担当で、姉に教えてもらったお安いスーパーに通っていたのだが、はっきり言って地獄絵図であった。イッツ絵図オブ地獄である。地域でもダントツに安く、品物も良いのでもともと人気のスーパーであったが、自粛中は入場制限がかかるという混雑っぷりであった。人気ジャンルの物販かよ。(オタクにしかわからない混雑基準)または人気ジャンルの初オンリー(TRC)かよ。(同人オタにしかわからない混雑基準)
入場制限がかかってしまうと店の前で30分以上(最悪1時間以上)待たなくてはならないため、みんな開店前に並んでいたが普通に密であった。もうどないせえっちゅうねん。若干みんな距離をとってはいたが、その列は店敷地外へ及ぶ長蛇の列となっていた。さて10時開店となりかなりの人数が一気に店内になだれ込むのだが、全員鬼気迫る速歩きで一言も発せず、無言でカートへ買い物カゴを入れていてとてもおそろしい。コミケ開場時のシャッター前待機列のような空気である。(オタクはすぐコミケに例えようとする)ガシャン、バタン、ガシャン、バタンとカートを引き出しカゴを入れる音だけが店内に響き、そして笑っている奴はいない。こええ。しかもめちゃくちゃ混んでいるので前に進めない。イッツ絵図オブ地獄in令和2.
そんなイナゴの大群がカゴいっぱい(あるいは×2)の食料をカートに積み、一気に店内を駆け抜けるため第一陣がレジを抜ける頃には商品棚が空になっているわけである。すごい…まったく知らないけど戦後の闇市ってこんな感じだったんだろうか。っていうか店内の密を避けるのもそうだが商品補充のために入場制限がかかってる気がする。おそろしい。軽率にレジを抜ける頃にはとか書いてしまったがレジを抜けるために1時間くらい並ぶ。そして伸びたレジ列が店内を埋め尽くしているため商品を取ることすら困難なほど混雑しているのである。マジで?もう密オブ密オブ密である。
うちは一週間分の食料を買いだめしていたのだが、入場までに30分を要し、カゴ2つ分に商品を集めるだけで40分くらいを要し、レジを通過するのに20分以上要し、買い物だけで毎回1時間半以上かかっていた。(控えめに言って地獄)地獄が過ぎるのでネットスーパーものぞいてみたが最短お届け日が4日後であった。4日後の食料を読めるほど有能ではなかったので諦めた。というかサーバーが重すぎて牛乳のページに行くのに5分かかったので諦めた。欲しいものを全部買うのに1時間30分で買える気がしない。(地獄)
ちなみに隣のお値段お高めのスーパーに行くと若干人は多いが普通に物が買える。
金で安全と時間が買えるという世知辛い事実を実感するのであった。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko