幼児はなんであんなに「毒」が好き?【御手洗直子のコマダム日記】
前回に引き続き動物大好きの次女、2号ちゃんのお話。一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#40
どく? 毒? 幼児と毒?
育児コミックスの2巻でも書いたが、相変わらず2号は動物が大好きだ。
(前回脱線したのでその続き)ホームセンターでは毎回ペットショップのコーナーへ行き、カメにエサをあげたり(200円)していたのだが、今度は本屋で図鑑を見つけた。
『あっ!さめ!!』危険生物図鑑のあの歯茎を見せて歯がギザギザの危険生物!サメ!という感じの表紙のアレである。う~ん、そうきたか。『2さん、図鑑ほしい?』と聞くと、『ほしい!』とのことで、こっちのかわいいコアラちゃんの表紙(普通の動物図鑑)のもあるよ。とおススメしてみたのだが、最終的に2号が選んだ図鑑は『きのこ』であった。サメの『動』に惹かれた割にきのこ完全に『静』なんですけど、シブいな君…。
1日見れば飽きるだろうかと思っていたが私の説明を聞き、その説明を反芻しながら飽きずに何日も眺めている。お気に入りはツクリタケ(マッシュルーム)とカエンタケである。『これ、昨日のカレーにも入ってたきのこだよ。上の柔らかいところだけ食べるんだよ。下の方は固いからね。』という説明を『これ、カレーにはいってたんだよねー、つくりたけちゃん、うえのとこだけたべるんだよねー、したは、かたいからねー』と100万回言っている。飽きないのがすごい…。きのこ嫌いなクセに…(食べるのが)
カエンタケは『触るだけで手が赤くただれ、食べると死に至ることもある』という猛毒のきのこである。幼児は猛毒に弱い。『どく』『死んじゃう』というセンセーショナルでインパクトの強い、ショッキングな文言が大好きである。『これ!どく!どくだよ!』『カエンタケは、どく!』と、速攻カエンタケを覚えた。なんたってカエンタケは触るだけで手が赤くただれ、食べると死に至ることもあるのである。なんという、どく。あまりにも毒を好きになりすぎて次に買った図鑑は『猛毒のいきもの』である。本格的にどくだいすき!である。
毒の図鑑だけあって内容もメチャクチャ毒々しい。表紙をめくってすぐさまマムシに噛まれた犬が出てくるし数ページで蛇の牙で串刺しになって血まみれ食われかけのネズミとかがでてくる。弱!肉!強!食!!という感じである。当初は長女、次女とも『こわいよ~』と言っていたが、DVDとか見まくりである。蛇がリスを引きずり込むシーンとか毒貝が魚を丸飲みするシーンとかエンドレスリピートである。どう考えても次買う図鑑は『危険生物』であろう。(最初に戻る)
私もそうだったのでわかるのだが、幼児のこの『毒』とか『危険生物』に惹かれる気持ちというのはなんなのだろう。興味を持ち、学習することでその危険から身を守るという生物の本能なのだろうか…。
あと二人とも捕食シーンも大好きなんだけど、大きくなったらお母さんがしゃぶしゃぶ屋に連れて行って、エビの生き締めやらせてやるからな。(コラム前回参照/今やってるのかは不明)(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko