あの『おじさん図鑑』の著者なかむらるみさんが、1児の母になって気づいたこと ・インタビュー
2011年に『おじさん図鑑』を発表し話題になった、イラストレーターのなかむらるみさん。3才(取材時)の女の子のママである、なかむらるみさんに、3年間の育児について、大変だったこと・うれしかったことなどのお話を聞きました。
0才代は「赤ちゃん」を観察する余裕なんてなかった…!
『おじさん図鑑』の魅力は、「おじさん」をじっくり観察し、味わい深いイラストと写真でその生態を解説していること。2017年に第一子を出産した、なかむらるみさん。「赤ちゃん」の生態もじっくり観察していたかと思いきや、そんな余裕はなかったそうです。
ーーお子さんが0才のころ、大変だったことを教えてください
なかみらるみさん(以下敬称略)生まれたては、とにかく眠いのがつらかったです。変なアドレナリンも出ていて、おっぱいとミルクは絶対自分があげなければ!と、気張っていたので、もっともっと手伝ってもらって寝たらよかったなと思います。
ーーお子さんが0才のころ、楽しかったことを教えてください
なかむら 最近やっと楽しい!かわいい!とその瞬間に思えるようになりました。当時は感情に浸れるすきがなかったなって思います。わずかにボーッとできる時間があれば、何を食べようかばかり考えていました。
「子どもが生まれたことで描けた、集大成」のイラストとは?
「ひよこクラブ」では、なかむらるみさんにたくさんの赤ちゃんのイラストを描いていただきました。こんなにたくさんの赤ちゃんのイラストを描くのは初めてで、さまざまな苦労があったそう。
ーー今回描いた中で、お気に入りのイラストを3つ教えてください。
なかむら 1つは0カ月ごろの「時々体がビクッ(モロー反射)」のイラスト。0カ月は、まだまだ頼りなくて、“かわいい赤ちゃん”のイメージとはほど遠く、難しかったのですが、らしく描けたかなと思います。
もう1つは7~8カ月ごろの「おすわりをマスター。丸い背中がおじさんっぽい⁉」というイラスト。おじさんを描いてき私が、子どもを産んだことで描けた、ここ数年の集大成ですね。ポイントは首がなく、肩のラインが丸いところです。
それと、今回描いたイラスト全部ですね。赤ちゃんの、身体の動き方や肉づきなど、特徴的なところをつかむまでなかなか大変だったのですが、少しずつ成長していく様子がかわいく描けたと思います。自画自賛です(笑)
育児中のママ・パパへのエール「手抜きしまくりながら乗りきって!」
「子どもが0才のころは大変だった」と語るなかむらるみさんですが、お子さんはすでに3才に! 先輩ママとして、育児中のママ・パパにメッセージをもらいました。
ーーたくさんの赤ちゃんのイラストを描いた感想を教えてください
なかむら 赤ちゃんが生まれてから、1才6カ月になる、1年半を描きましたが、その間にこんなに変化があったのですね。当時は大変で見えていなかったです。
ーー現在、育児中のママ・パパにエールをいただけますか?
なかむら 大変なとき、友人に「3才になればラクになる!」と言われ、本当に3才になった途端にラクになりました。なので、それまでは長い寿命の中の“たった3年間”だと割りきって、いろいろあきらめ、“生きていたらOK”の精神で手抜きしまくって乗りきってください!
イラスト・お話/なかむらるみ 取材・文/ひよこクラブ編集部
「大変だった毎日が、子どもが3才になって途端にラクになりました」と話してくれたなかむらるみさん。ぐんぐん成長する赤ちゃんとともに、お世話も大変になったり、ラクになったりを繰り返すもの。その繰り返しの先に、「3才ごろからラクに」という未来が待っていると考えて、日々乗りきれるといいですね。
なかむらるみ
Profile
イラストレーター。1980年東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科卒業。学生のころから、おじさんの奥深さ、おもしろさに興味を持ち始め、2011年に『おじさん図鑑』(小学館)を発表し、話題に。17年に第1子を出産。現在も多数の雑誌、書籍、広告などで活躍中。
「ひよこクラブ」2020年12月号には『おじさん図鑑』の著者なかむらるみさんが描いた「赤ちゃんの成長図鑑」特集があります。