「コロナで外出が不安…」臨月妊婦が抱える不安を医師、助産師に聞く
「コロナ禍の中で、外出が不安…」「ウイルス対策はどうしたら?」など、いろんな不安や疑問がありますよね。さらに臨月に入ると、おなかがさらにググっと大きくなり、赤ちゃんも生まれてくる準備を始める時期。どのようなことに注意をして、生活をすればいいか、皆さんの疑問を板橋中央総合病院の産婦人科医 石田友彦先生、助産師 増田淳子さんにお聞きしました。
お産が近くなると、体にさまざまな変化があります
臨月になると子宮は最大限に大きくなり、出産に向けておなかのふくらみの位置が下がってくるなどの、さまざまな変化が表れます。以前よりもおなかが張りやすく感じる人や、トイレが近くなる人も。37週0日以降は“正期産”と言われ、いつ赤ちゃんが生まれてもいい時期なので、しっかり準備をしましょう。中には、前駆陣痛やおしるしがある人も。
【前駆陣痛】不規則なおなかの痛みや張りのこと。規則的でも、途中で痛みや張りが無くなったりする場合は、前駆陣痛ととらえましょう。また、痛みが強くなっていかない場合も前駆陣痛です。
【おしるし】子宮口が開いてきて、卵膜がはがれて出血すること。出血が少量で見逃してしまう場合もあるので、臨月に入ったら、毎日おりもののチェックをしましょう。
※前駆陣痛やおしるしがないまま、前期破水や陣痛がある場合も
コロナ禍×臨月妊婦のOK?NG?[おうち編]
【質問】家事はいつも通りしても大丈夫?
【回答】OK! おなかが大きいので転倒や衝突に気をつければ◎
いつも通りでOKですが、無理をせずに疲れたら休むこと。大きなおなかでバランスがとりづらいため、洗濯物を干すときなど、両手を高く伸ばすなどの家事は、転倒が心配です。“あわてず”“ゆっくり”を心がけて。
【質問】新型コロナウイルス感染症の影響で外出せずに体力低下…。このままでいい?
【回答】NG! 自宅でできる簡単なエクササイズや呼吸法だけでも身につけて!
お産は、長時間にわたるので、体力があるに越したことはありません。外出が心配なら、自宅でできる簡単なエクササイズや、リラックスや陣痛の痛み緩和のための、呼吸の練習がおすすめ。床掃除でぞうきんがけをするなども◎
コロナ禍×臨月妊婦のOK?NG?[外出編]
【質問】臨月に入り健診が週1に。コロナが怖くて外に出たくないです。
【回答】NG! 健診はママと赤ちゃんの様子を知るのに大切なこと。必ず受けるようにしましょう
新型コロナウイルスの感染者が多い地域では、「外出はできるだけしたくない」というママの気持ちもわかります。しかし、健診はママと赤ちゃんの状態を知るのに大切なこと。電車など公共交通機関を使うのが不安な人は、タクシーなどを利用して。外出時はマスクをしっかりとつけ、小まめに手洗いをしましょう。
【質問】冠婚葬祭に出席してもいいですか?
【回答】NG! 体調が悪くなってしまうと迷惑になるので、臨月に入ったら控えるのが◎
お産の兆候があるかもしれないので、臨月に入ったら冠婚葬祭への出席は控えた方がいいでしょう。人が集まる場所は、感染症も心配です。欠席するため、電話でおわびの連絡を入れるときは「臨月なので」など詳細は伝えなくてOK。近しい方の葬儀などは、家族や産院に相談を。
監修/石田友彦先生、増田淳子さん 文/たまごクラブ編集部 写真/伊東祐輔(peace monkey)
だんだんお産が近づいてきて、妊娠生活ももう少しで終わりと思うと、少し寂しい気持ちもあるかもしれません。ただ、最後まで気を抜かず、不安を取り除きながら、残りの妊娠生活を楽しんでくださいね。
参考/『たまごクラブ』2020年12月号「ついに臨月突入! お産が始まる!こんなときどうしたら?」
石田友彦先生
Profile
板橋中央総合病院 副院長 産科・婦人科 主任部長。妊婦さんのニーズにこたえるべく、体制を整えて、サポートする。
増田淳子さん
Profile
産科・婦人科師長 助産師。妊婦さんの不安を解消するため、一人ひとりに寄り添ったサポートを目指している。