預金以外の方法でお金を増やしたい!手っ取り早くマネーの知識を習得するにはどうすればいい?
今回のテーマは、「マネーに関する知識」についてです。
口コミサイト「ウィメンズパーク」に、「預金以外の方法となると、ideco、つみたてNISA、ふるさと納税、投資など、いろいろとあるけれど、仕組みが難しすぎ。大まかな特徴はわかるけれど、実際に始める時はみんな、どうやって勉強しているの?」という悩みが寄せられました。
そこで、ママたちがどんなところで知識を得ているかについて紹介するとともに、ファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんにアドバイスをもらいました。
書籍派、ネット派など、方法は様々
まずは、ママたちの声を紹介します。
■ ネットは情報ありすぎだから著名な人の本で方向性を
「ネットだと情報が多すぎて体系的に理解するのが大変ですよね。私は横山光昭さんや荻原博子さんの本など、著名な人の本を読んで、なんとなく方向を決めてからネットで調べています。
そうして我が家では、つみたてNISAを始めることにしました。ふるさと納税は夫婦でやっています」
■ マネー雑誌と経済チャンネルからスタート
「マネー誌複数と経済チャンネルの視聴からスタートしました。私が投資を始めた頃は、インターネットは存在していなかったので、それらを数カ月ひたすら眺めているうちに、なんとなく内容が『見えて』きて…。
そこから実際に投資をスタートさせ、しばらく試行錯誤した後に、自分のスタイルみたいなものを確立したように思います。今なら、様々な投資ブロガーさんの記事も読めますから、ロールモデル的な投資家を見つけるのも悪くないかもしれません。模倣からスタートしてみては」
■ 自分にあいそうな人のブログを見つけて読んでます
「ネットで情報を得ることが多いですが、それだと、いろんな商品のいいところだけを語って売りつけるものが多いように思います。
なのでカテゴリーを投資に絞って、ブログを探しました。自分に合いそうなことを記事にしてる人を見つけて読むのです。
そういう方って何か変更があったりすると、すぐにブログに載せるので、最新の情報が得られてお勧めです」
■ 文字だけだと理解しにくいのでYouTubeで
「私はYouTubeを見ています。文字だけ読んでも頭から内容が抜けていきがちですが、私の見ているYouTuberさんは説明をしつつも、文字でも表示しているので理解しやすいです」
■ 地域の公民館などの講座なら入りやすいのでは
「地域の公民館などで節税や投資など、マネーに関する講座が行われているので、そういったところにまず参加してみてはどうでしょうか。わからないことがあれば、直接、講師の先生に質問できますし」
■ 長くやっていくと自分にあった方法がわかる
「私は主にマネー雑誌で勉強しています。ふるさと納税の特集とか、株主優待の特集とかが時々あります。正直、あまり理解ができないので儲ける目的ではなく、お楽しみとして、株主優待メインの株投資を20年ほどしています。優待品が楽しみなので、株価はたまにしか見ませんが、20年も株を持っていると、上がり下がりがいろいろとありました。
投資信託もしてみましたが、いちいちチェックをするのが面倒で、プラスになった時点で解約しました。私は短期投資は向かない(面倒だし、わからない)ので、ほったらかしていても気にならない、長期保有の株主優待が一番合っていると思っています。それでも、全体的にみると貯金をするよりプラスになっていますよ」
マネーに関する学びは先送りしないほうがいい
では、「お金の専門家」であるファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんの話を聞いてみましょう。
―――菅原さんがおすすめする情報収集の方法を教えてください。
「みなさんが考えている『マネーの知識』というと、『私』や『わが家』のお金を上手に増やしたり減らさないようにするための具体的な知識ということになるでしょうか。
学校では、『私』の財布に直接かかわる金融商品の選び方や取引方法、利息・税金の計算方法は教えられません。習ったとしても、次々に新しい商品が出てくる上に、国の制度も変わります。祖父母世代では推奨された商品が、今ではそうではなくなっていることもあるので、知識のバージョンアップが欠かせません。
つまり、永遠に学び続けるしかないのです。
ただ、子育てや家事、仕事がある中で、個々の商品知識を仕入れ続けるのは現実的ではありません。読者の声にもあるように『知っておくべきは仕組み』です。金融の仕組み、商品の仕組みなどの基本を理解すると、目先の損得に一喜一憂せずに長いスパンでお金と付き合えると思います。
金融経済の基本的な知識は『基本のキ』が書かれている本を、何冊か読んでみるといいでしょう。金融庁や金融広報中央委員会のサイト『知るポルト』や金融の業界団体である全国銀行協会、日本証券業協会、投資信託協会、生命保険協会、損害保険協会などのサイトも役に立ちます。こうしたサイトに子ども向けのページがある場合には、わかりやすいので、ぜひ目を通してみてください。
各社が扱っている商品の基本的な知識は、各社の個別商品を調べる前に、前述の業界団体や、監督官庁のサイトで確認するといいでしょう。中には、かみ砕かれていないためにとっつきにくい印象のページもありますが、読者に学んでほしいという姿勢がほとんどです。金融の基本を解説しているところも少なくありません。
たとえば、NISAがそもそもどのようなものかについては金融庁や日本証券業協会、投資信託協会、全国銀行協会で理解を深め、税制については国税庁のサイトで調べます。NISA利用の具体的な手続き方法などは、各金融機関のサイトで確認します。
扶養の範囲を超えるか否かという、社会保険と税制の両方に渡る情報が必要で、時間軸も加味した判断が求められるようなことは、手前味噌になりますが、ファイナンシャル・プランナーのサイトや原稿で学べます」(菅原さん)
――――知識を深めるために情報収集する上で大事なことはなんですか?
「批判的な記事にも目を通してみるといいでしょう。ただ、情報は、肯定的なものも批判的なものも鵜呑みにしてはいけません。最初に読んだものがまずインプットされると、それをベースに判断しがちになる自分の頭の動きを意識してください。自分が判断するために情報を仕入れるのであって、誰かがくだした判断をベースにしないよう常に意識しましょう。
もう一歩進めて、商品同士の関係などについても理解を深められるといいですね。
たとえば、『目の前のお得感ではOKでも、少し長いスパンで見るとNGでは?』と思われるものに(あくまでも筆者のきわめて個人的な見解です)ふるさと納税があります。ふるさと納税の趣旨には賛同しますし、節税になるし、お礼ももらえるのでいい制度なのですが、自分が住んでいる自治体の住民税は減ってしまいます。保育園の充実など住民サービスに影響が及んで、巡り巡って自分が不利益を被ることになる可能性は無視できません。ふるさと納税がダメということではなく、つながりや影響について気に掛ける姿勢は大切にしたいものです。
経済や金融の基礎について学べる公民館などの公的機関が主催の講座なら、商品を押し売りされることはなく安心です。そのかわり、具体的な商品名を知りたくても教えてもらうことはできません。当たり障りのない中立的な情報が中心になるので、深掘りしたい人には物足りないかもしれませんが、営業の電話やメールは受けずにすみます。
なお、無料講座の場合、なぜ無料で教えてもらえるのかは考えてみましょう。公的機関も資料代や受講料を必要とするようになってきています。『場所代や講師代がかかっているはずなのに、タダなのはなぜ?』と考える姿勢こそがマネーの学びに繋がります。
また、『これさえ学べばOK!』とか『ここで学べば完璧!』というものは、おそらくありません。まずは基本を押さえ、あとは欲張らずにコツコツ地道に学ぶことです。
この記事を読んでくださった方に特に伝えたいのは、すぐに勉強を始めてくださいということ。リスクの『時間分散』をするためには、時間が必要です。使える時間を減らさないために、学びは先送りしないことが大切です。
そして何より、机上で学びつつ、実際にマネーを動かしてみることです。基本的な生活に影響のない範囲で試し、お金が増えたら増えた分で次の挑戦をしていきましょう」(菅原さん)
お金に関する学びに正解はないし、身につけた知識も バージョンアップしていかなければいけないということですね。私もいろいろと検討して、最後まで読み進められなかったり、見切り発車してしまったりと一進一退ですが、生涯の学びとして、自分なりに取り組みたいと思いました。(文・橋本真理子)
菅原 直子さん
ファイナンシャル・プランナー。外資系生命保険会社の勤務・代理店を経て1997年FP資格取得・独立。わが子の成長にあわせて教育資金関連に注力し、各地の高校で保護者・生徒向けの進学費用に関する講演多数。現在は子育て世帯からの教育費を中心とした家計相談に加え、高齢者や独立しない子どものいる家族のライフプラン相談も。「働けない子どものお金を考える会」「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。