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DV、虐待ほか「すべての親子を笑顔に」母子シェルター実現に向けたプロジェクトの始動が決定

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小さな女の子と母は青空に対してシャボン玉で遊ぶ
※写真はイメージです
Qiteng/gettyimages

子育てに関する社会問題解決に取り組む認定NPO法人フローレンスが、困難を抱える母子のためのシェルターづくりのプロジェクトをスタートします。資金を寄付するのは、たまひよONLINEでも連載を持つ細木かおりさんの事務所である細木数子事務所。
プロジェクトについて、フローレンス新規事業担当の方に話を聞きました。

困難を抱える親子を支援するためのシェルターづくり

――まずは、認定NPO法人フローレンスについて、どのような団体か教えてください。

フローレンス 私たちは、病児保育、医療的ケアが必要な障害児の保育、妊娠相談や特別養子縁組、生活が厳しい家庭に定期的に食品等を届け、見守り支援を行うこども宅食、また最近では新型コロナウイルスの感染拡大などを受けて、医療従事者や保健所に勤める方へのシッター派遣など、さまざまな困難を抱える親子の課題を解決するための事業を展開しています。2004年にスタートし今年で17年目となり、スタッフは700人ほどになりました。

――今回のプロジェクト発足にはどんな経緯がありましたか?

フローレンス こども宅食事業や、赤ちゃん縁組事業に取り組む中で、困難を抱える親子の課題は複層的で、単一の支援だけでは解決に結びつかないことを感じています。どうしたら複数の課題を抱える親子に必要な支援をできるかを考えていました。そんな中で細木かおりさんと出会い「児童虐待をゼロにしたい」「既存の制度や施設では包摂できない親子を救いたい」という思いが重なり、資金提供を受け今回のプロジェクトの開始に至りました。
細木数子事務所の六星占術40周年記念事業「あなたは一人じゃない!親子の笑顔があふれるプロジェクト(通称:スマイルプロジェクト)」の一環として支援を受けながらプロジェクトに取り組んでいます。

――日本には現在、どのような母子支援を行う施設がありますか?

フローレンス たとえば、児童福祉法第38条に基づいた母子生活支援施設があります。もともとは、戦争で夫や父親を亡くした母子への住居提供の役割の機能を担ってできたものです。時代を経て役割が変わり、現在では生活、住宅、就労等の解決困難な問題により児童の養育が十分にできない場合に、母子が利用します。

そのため、専門的な知識や技術を持ったソーシャルワーカーによる支援が必要ですが、
施設数は減少し2018年現在では全国で227施設となっています。


――フローレンスが立ち上げる母子のためのシェルターはどのような施設にしたいと考えていますか?

フローレンス 現在は、既存の母子生活支援施設やお母さんにヒアリングをし、どのような支援が必要か検証を進めています。ただ住居を提供するだけではなく、入居したお母さんやお子さんが、相談しやすく、生活を紡ぎ直していける事業をめざしています。

DVは本人が被害者と気づかないことも。孤立化を防ぐためには?

――近年、家庭内暴力(DV)の相談件数の増加が報じられています。母子支援を行う施設のニーズは高まっているのでしょうか。

フローレンス DVだけが支援を受ける理由ではありませんが、支援が必要な人がまだまだいると考えています。2019年度、全国 287 カ所の配偶者暴力相談支援センターへの相談件数が過去最多の11万9276件となりました。
DV相談をしてくる方の中には、そもそも支援者の存在を知らなかったり、どのように安全な場所にアクセスできるか知らない人も少なくありません。
被害者の中には「私にはまだ必要じゃない」と思っていたり、本当は逃げたほうがいいのに気づかなかったりという現状があります。

――そもそも自分がDV被害にあっていると気がつかない人もいるんですね。

フローレンス そうですね。DV問題の難しいところは、自己認識と必要な支援に差があるところだと感じています。たとえば、病院で診察を受けたとき、医師がDVが疑われる所見があると判断しても、本人が「これは暴力じゃなくて愛情の裏返しなんです」などと言うことがあります。被害者自身がDVを受けている認識がないことも少なくありません。

――DV被害や生活に困難を抱え、本当に困っている人は、まずどこに相談していいかわからないこともあります。そういう人が逃げ道を探すにはどうすればいいのでしょうか?

フローレンス どうしたら必要とする人に支援が届くのかということは、フローレンスとしても常日ごろ考えています。
生活に困っているけれど、どうしたらいいかわからない、相談する人もいない・・・。そうやって孤立化するのがいちばん問題だと感じています。

お母さんたちの中には、責任感が強く我慢強くて、人に頼ってはいけないという価値観を持っている人もいますよね。けれど、十分頑張っているから困ったら支援を受けていいんだよ、だれかに寄り添ってもらい幸せになる権利があるよ、ということを、声を大にして伝えていかなければいけないと思っています。

もし、生活に困っていても自治体などへの連絡に抵抗があるなら、まずは身近な信頼できる人に相談するところから、始めてみてほしいと思います。


――私たちが関心を持った場合、今回のプロジェクトには、どのような形で協力できますか?
フローレンス ①以下の申込みフォームに必要事項を入力・送信下さい。
寄付申し込みフォーム
②送信完了画面、および送信後送信されるメールにて、お振込口座をご案内いたしますので、そちらにお振込みください。


金銭面以外でも一人一人にできることとしては、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどSNSでの情報拡散です。

フローレンスのSNSでは事業内容の情報発信を行っているので、支援を必要としている人の目に留まるよう、フォローやシェアをしてもらい、なるべく多くの人にフローレンスの取り組みを知っていただけるとうれしいです。

あるいは、身近に困っている人がいれば、こういう支援もあるよ、と直接紹介するのもいいかもしれません。できる範囲で協力していただくことが、多くの親子を笑顔にする第一歩だと考えています。

お話/フローレンス 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

フローレンス駒崎代表(左)と細木かおりさん(右)

フローレンスの母子のためのシェルターづくりの取り組みは、2021年中に実現をめざしているそうです。子どもは社会全体のたからもの。困っている親子が笑顔になれるよう、何か協力できることを考えてみませんか。

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