育児ファミリーが知っておきたいマスクのサイズ選び・つけ方について【専門家監修】
マスクをする生活が、すっかり定着しましたが、正しいサイズの選び方やつけ方について知っていますか。マスクは適正サイズのものをつけないと、十分な効果が得られません。また子どもがマスクを嫌がるときはどうしたらいいのでしょう。ママさん助産師&保健師の中村真奈美先生に話を聞きました。
マスクの適正サイズは、耳のつけ根から鼻のつけ根を測るのがポイント
現在、不織布マスク、布マスク、ウレタンマスクなど、さまざまな種類のマスクが発売されています。またスポーツブランドやファッションブランドなどからもマスクが発売されており、カラーやデザインも豊富に! しかしマスクはサイズをよく見て購入することが大切です。
日本衛生材料工業連合会では、自分に合ったマスクのサイズの選び方を次のようにホームページで紹介しています。
親指と人さし指でL字を作る
親指と人さし指でL字を作ります。指は曲げないように注意!
耳のつけ根のいちばん高いところと、鼻のつけ根から1cm下に指の先端を当てる
指をL字にしたまま、イラストのように耳のつけ根のいちばん高いところに親指の先端を当て、鼻のつけ根から1cm下のところに人さし指の先端を当てます。
親指から人さし指までの長さを測る
親指から人さし指までの長さを測ると、マスクの適正サイズがわかります。
普通サイズは、親指から人さし指までの長さが12~14.5cmが目安
イラストを参考に、親指から人さし指までの長さを測ったら、次のサイズと照らし合わせてみてください。
9~11cm 子ども用サイズ
10.5~12.5cm 小さめサイズ
12~14.5cm 普通サイズ
14cm以上 大きめサイズ
「子どものマスクがずれているときは“ちゃんとつけなさい”と注意する前に、サイズが合っているか見てあげてください。下にずれている場合は、サイズが合っていません。マスクがずれていると十分な効果が得られません。
どうしてもずれてしまう場合は、首の後ろで調整する専用のマスクバンドを使ってもいいでしょう」(中村先生)
マスクの裏表を間違いないようにつけるには!?
布やウレタンマスクは、裏表がわかりやすいのですが、不織布マスクは「どっちが表?」と悩むことも。
日本衛生材料工業連合会のホームページでは、マスクの裏表の見分け方を次のように紹介しています。
マスクの裏表の見分け方
不織布でプリーツが入っている場合は、マスクを引っ張ったとき、へこんだほうを内側(口元)にしてつけます。
ブランド名が印字されている場合は、ブランド名が外から読めるようにしてつけるのが正解!
「マスクの箱を見るとつけ方が書いてあるので、よく見てください。プリーツが一方向のマスクは、プリーツが下に向くようにつけましょう」(中村先生)
子どもがマスクを嫌がるときは、5歳以下なら無理につけなくても
子どもがマスクを嫌がるときは、どうしたらいいのでしょう。
「感覚過敏の子は、マスクの肌触りやにおいなどを嫌がり、つけたがらない場合もあります。
WHO(世界保健機関)では、2020年8月、5歳以下の子どもは必ずしもマスク着用にこだわらなくていいという見解を出しました。子どもは、大人と比較して新型コロナウイルスの感染リスクが低いためです。
日本では2020年5月から、日本小児科医会が誤えんなどの危険性から“2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!”と呼びかけています。
そのため2歳未満ではマスクをしなくていいと思いますし、2歳以上5歳以下でもマスクの着用を嫌がるときは、無理につける必要はないと思います。その代わり、せきエチケットはしっかり教えましょう」(中村先生)
せきエチケットのポイント
せきエチケットのポイントは、次の3つです。
【1】くしゃみやせきが出そうなときは、飛沫が飛ばないようにまずは人から離れる
【2】ティッシュやハンカチで口・鼻を覆ってくしゃみやせきをする。間に合わないときは、洋服の袖で口・鼻を覆ってくしゃみやせきをする
【3】手で押さえた場合は、すぐに石けんで手を洗う
「とくに保育園や幼稚園などで集団生活をしていてマスクを嫌がる場合は、せきエチケットは教えておいてください」(中村先生)
マスクのお悩みQ&A
ママたちから寄せられたマスクに関するお悩みに、中村先生が答えます。
Qマスクは外から帰ってくるたびに交換しないとダメ?
マスクは長時間使用していると、吐息によってマスクが湿ってきて雑菌が繁殖するので、毎日交換するのが目安ですが、1日に何回も交換する必要はありません。ただし使用済みのマスクは部屋に放置しないこと。S字フックなどを利用して、玄関に使用中のマスクをかける場所を作っておくといいでしょう。
Qマスクをはずすとき、子どもが表面を触ります
マスクの表面にウイルスが付着している可能性もあるので、マスクをはずすときはゴムの部分を持ってはずすのが基本ですが、子どもには難しいことも。その場合は、ママやパパがサポートしてあげましょう。
お話・監修/中村真奈美先生 図提供/一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部
新型コロナウイルスの流行によって、子どもたちを取り巻く環境も大きく変わってきています。なかには「おうち以外のおもちゃには触っちゃダメ!」などと言い聞かせているママやパパもいるようです。しかし中村先生は、「過度に怖がらせるのは考えもの」と言います。今、コロナをテーマにした絵本や動画もあるので、親子で一緒に見ながら、正しく怖がり、防ぐ方法を教えてください。
中村真奈美先生(なかむらまなみ)
Profile
保健センターでの乳幼児健診、新生児訪問を務める傍ら、出張&オンライン専門の開業助産師として、出張母乳相談、沐浴訪問のほか、ベビーマッサージ教室を主宰する。