【カジサック】いきみで毛細血管が切れ、顔が真っ赤になったヨメサックにびっくり。過呼吸になったのは僕
初の書籍「家族。」を執筆した、人気YouTuberカジサックさん。YouTubeチャンネルにヨメサックさん(妻の未来子さん)、5人のお子さんが登場するのを楽しみにしているママ・パパも多いのではないでしょうか。カジサック家の妊娠・出産についてのエピソード、夫婦関係などについて、たっぷり話を聞きました。
陣痛で苦しむヨメサックを前にして自分はなんて無力なんだと
――5人のお子さんというのは、少子化の中、すごいことだと思いました。ヨメサックさんの妊娠・出産で、カジサックさんはどのようなことを感じましたか?
カジサックさん(以下敬称略) まず、1人目の出産のときに思ったのは、「なんて自分は無力なんだ」ということ。ヨメサックが陣痛で苦しんでいるけれど、どうしたらいいかわからないし、「どうしたらいい?」と聞いて答えさせるのもかわいそうなくらい苦しんでいるし。そのうち、テンパり過ぎた僕は、持病のぜんそくの症状が出始めてしまい、過呼吸のようになったんです。気づいたら、「助けてくれ」って言いながら、陣痛で苦しむヨメサックに背中をさすってもらうっていう、よくわからない状態になってしまって。今となっては笑い話で、ヨメサックも笑ってそのエピソードを話してくれますけれど、当時は「なぜ私があなたの背中をさすらなあかんの?」って思っていたと思います。
あと、強く印象に残っているのは、1人目の出産後、ヨメサックの顔を見たら、赤いポツポツがいっぱいできていたんですよね。どうしたのかと先生に聞くと、「いきみによって毛細血管が切れたのだ」と言われ、驚きました。出産って、母親も赤ちゃんも命がけで頑張っているんだな、本当にすごいことなんだな、と思いましたね。
――自分が無力だなと感じたあと、カジサックさんの意識や行動に変化はありましたか?
カジサック 1人目でそんな経験をしたこともあり、2人目以降は、夫婦時間に話をしながら、「こういうことしてほしい」とか「こう言ってほしいんだよ」ということを教えてもらいました。そしてどんどんと、僕がやることがわかっていったという感じです。これから、子どもを考えている家庭だと、夫婦どちらも妊娠・出産・育児を経験したことがない状態だと思うので、事前にいろんな情報をそれぞれが調べて、知っておいたほうがいいんじゃないかな。
YouTubeの企画で、僕が妊婦ジャケットを着けて1日家事をしたことがあるんですけれど、おなかが大きい状態で家事をするって、ほんまにしんどいです! そういった妊婦さんの大変さを実感できる体験をするのもいいかもしれません。
――5人目の三女の出産では無痛分娩を選ばれたとのことですが、その理由を教えてください
カジサック 4人目までは自然分娩だったのですが、できる限りヨメサックの体のことを考えて、「無痛分娩ってどう?」「一度考えてみようか」と僕から提案させてもらいました。でも、ヨメサックの中には不安もありますし、すぐに決められることではありません。なので、結構時間をかけて、夫婦でいろいろ調べたり、話し合いを重ねたりしましたね。本当に最終的に決めるのは、出産をするヨメサックなので、僕はヨメサックが決めたことを尊重したいと考えていて。最終的にヨメサックが無痛分娩を選びました。
――実際に無痛分娩をして、ヨメサックさんはどうでしたか?
カジサック 自然分娩との違いにびっくりしていましたね。「本当に全然違う〜」と。自然分娩では、産むのに必死で、分娩中の記憶が、あまりないみたいなんですよね。無痛分娩では、赤ちゃんが自分のおなかの中から出てくる感覚、生まれてくる感覚がすごくあったらしいんですよ。そのことを体験して、「やっぱり赤ちゃんも本当に死ぬ気で頑張っているんだな」と感じられたことが、すごくいい経験になったと言っていました。
夫婦時間を過ごす習慣で仲直りを。「キッチンリセット」も毎日
――子どもが生まれてから、夫婦仲がギクシャクしだしたという声も少なくありません。カジサックさんは、ヨメサックさんといつも仲がいいですが、夫婦仲がいい状態を続けることの秘訣(ひけつ)はなんだと考えていますか?
カジサック そうですね、僕は「理想は常に恋人関係でいること」だと思うんです。そして「恥じらいを持つこと」。僕の場合は、ヨメサックに常にドキドキしていたいんですよね。そうなると、恥じらいは絶対に必要だったりすると思うので。結婚して16年たちましたけれども、着替えるところとか見ないですし、おふろも一緒に入ったこともないです。結婚する前から僕から「そうしたい」って伝えていました。
あと、夫婦時間を作ることも大切だと思います。うちの場合は、子どもの就寝後に夫婦の時間を作っていて、その日あったこととか、他愛(たあい)もないことを毎日30分〜1時間くらい話しています。そうすると、夫婦げんかをしたときでも仲直りしやすかったりします。夫婦間のストレスって、徐々にたまっていくものじゃないですか…。けんかしても時間が解決するっていうパターンもアリなのかもしれませんけれど、そればっかりにしてしまうと、やっぱりどこかでストレスがたまっていって、おたがいの距離が広がってしまうのではないかなと思うんですよ。だから、けんかをしたら、なるべくその日のうちに必ず夫婦で話し合うようにしています。それで仲直りしたら、おたがいが引きずらないということも大切なんじゃないかな。
――出産してしばらくは、パパも赤ちゃんのお世話や家事をしたいけれど、ママがしてほしいこととは違って、どうすればいいかわからないということもあると思うのですが、コツはありますか?
カジサック ヨメサックはいい意味でも悪い意味でも、僕の仕事の邪魔をしてはいけないと、めちゃくちゃ気をつかっていてくれたのかもしれないな、すごくがまんしてくれていたのかもしれないな、ということに3人目くらいで気づきました。そして、「もっと自分がやらなきゃ」となりましたね。
たとえば、僕は「キッチンリセット」と言って、夕食の皿洗いなどを毎日するようにしているのですが、そういったささいなことだけれど、「お願いしていい?」って言いやすい環境づくりだったりとか、ママからのお願いを待つのではなく、パパ側から「何かしようか」「僕がやっておこうか」といった声がけだったりが大切なんじゃないかな。待つのではなく、自分からアクションを起こすという。あと、いざやったからといって、ほめてもらおうとしてはいけないですね。僕も初めのうちは、何かをしたあとに「やっぱり俺って頑張ってるよね、どう?」とヨメサックにほめてほしいアピールをしてしまい、逆にイライラさせていました(笑)。
お話/カジサックさん 撮影/榊智朗取材 文/本間勇気、たまひよONLINE編集部
妊婦ジャケット体験で、布団のシーツを替える大変さを実感し、「自分の布団のシーツを妊娠中のヨメサックに替えさせていた自分をぶんなぐりたいですね(笑)」とカジサックさん。家族の話をするときの、やさしい表情がとても印象的でした。
カジサック(梶原雄太)さん
PROFILE
1980年、大阪府岸和田市生まれ。漫才コンビ「キングコング」のボケ担当。吉本興業所属。2018年10月1日にYouTuberデビュー。登録者は200万人を超える。2022年7月に、初の書籍「家族。」を執筆。
家族。
漫才コンビ「キングコング」ボケ担当の梶原雄太が、人気YouTuber「カジサック」として活躍するまでの半生が描かれた物語。発行部数5万部を突破。カジサック(梶原雄太)著/1440円(ダイヤモンド社)