【助産師が解説】「産後うつ」と「産後のマタニティブルーズ」はどう違う?
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最近よく聞くキーワード「産後うつ」。実は、「産後のマタニティブルーズ」とは別のものだと知っていましたか?
ここでは、誰でもなる可能性が高い「産後うつ」と「産後のマタニティブルーズ」の違いについて、助産師の櫛引さやか先生に伺いました。セルフチェックができるリストも活用してくださいね。
一時的に不安定になるのが、マタニティブルーズ
「産後すぐに気分が落ち込んだり、イライラしたり、涙もろくなったりするのがマタニティブルーズ。産後の過激なホルモンの変化などが原因で起こります。症状が継続する産後うつとは別のもので、マタニティブルーズの場合、軽度なら1~2日、長くても2週間程度で治まります。心配しすぎないで大丈夫ですが、つらいときは、助産師さんやパパ、家族に話を聞いてもらうなどするといいでしょう」
産後の「マタニティブルーズ」おもな原因は3つ
1.慣れない赤ちゃんのお世話が負担に
2.睡眠不足などによる生活リズムの乱れ
3.出産直後のホルモンの急激な変化
日常生活に支障をきたすほどなら、産後うつかも
「マタニティブルーズの症状が2週間以上長引き、不眠や食欲不振を伴うなど、育児に支障が出るようだったら、産後うつの可能性が。ボーッとしたり、物事に対する意欲がなくなるなどから始まり、重症化すると自殺願望が生じることがあります。誰もが発症する可能性がありますが、早期に対処すれば軽く済みます。不安感や気分の落ち込みがなかなか治らないときは、出産した産院を早めに受診しましょう。自治体に相談窓口が設置されていることも多いため、確認しておくのもおすすめです。
産後はこの2つを時々チェック!
重症化を防ぐためにも、産後は定期的に以下の項目をチェックして。
□この1ヶ月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになったりすることがよくあった
□この1ヶ月間、どうも物事に対して興味がわかない、または心から楽しめない感じがよくあった
→どちらか1つでも「はい」であれば、出産した産院へまず相談を!
誰にでも可能性のある「マタニティブルーズ」と「産後うつ」。妊婦さん自身が知識を持って、注意をしてもらいたいのはもちろんですが、これは家族のサポートも欠かせない問題。マタニティブルーズとは別に、「産後うつ」という心の病気があることを、妊娠中から家族も知っておいてほしいものです。この記事をパパに読んでもらうだけでも小さな一歩かもしれません。(文・たまごクラブ編集部)
■監修/芥川バースクリニック 助産師 櫛引さやか
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