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取得したいけれど不安が山ほど・・・。男性育休の悩みを専門家に聞く

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愛と幸福を持つ父親の手を持つ幸せな息子 小さなビジネスの子供はお父さんを見て、彼らは都市の背景と一緒に旅行した後、一緒に自分の家に戻って歩きます。幸せな家族の概念
●画像はイメージです
Love portrait and love the world/gettyimages

育児・介護休業法が改正され、2022年10月からは産後パパ育休が施行されました。ただ、実際に育休の取得を考えるパパの中にはキャリアに関する不安や心配ごとを抱える人がたくさん。そんなパパの悩みについて仕事と育児の両立支援に詳しいキャリアコンサルタントの小倉環さんに聞きました。

【パパからの質問1】育休によって、キャリアにマイナスな影響が出ないかが不安

赤ちゃんが生まれたら、僕も3カ月の育休を取得するつもりで準備を進めています。でも、こんなに長い期間、仕事を休んだことがないため、キャリアにマイナスな影響が出てしまわないか不安があります。

育休経験は新たなビジネススキルを獲得する機会

【小倉さん】この質問はパパからですが、男性だけではなくて、女性も感じる不安だと思います。育休を取得してしばらくの期間、会社を離れるというのは、多くの方にとって未知の体験。これまで仕事を頑張ってきたからこそ、心配になる人が多いですよね。一番気になるのは会社からの処遇でしょうか。育休取得による不利益取り扱いは法違反なので評価が下がったり、降格したりはないです。不安であれば会社の人事担当に相談してみましょう。

それに今や人生100年時代で、人生の中で働く期間が長くなっています。長い人生の中で子どもがかわいい時期、手がかかる時期はそんなに長くはありません。育休を取得する機会もそう何度もあることではないですし、取得したからといって、これまで築き上げてきたキャリアがリセットされるものではないでしょう。それどころか、子育て経験はあとから必ず仕事にも還元されますよ。

職種にもよりますが、これまで仕事のコミュニケーションを取る相手は、基本的に大人だったと思います。その相手とはお互い通じ合いながら、ビジネスを進めることができたのではないでしょうか。

けれど、赤ちゃんはそうはいきません。何を考えているかもわからず、言葉も通じない。そもそもコントロールできない相手。そう、子育てとはいわば、異文化体験をするようなものなのです。

その異文化体験を通して養われるリスクマネジメント力や、言葉が通じない相手の要求を満たす想像力・忍耐力というのは、仕事に役立つビジネススキルです。ですから、育休の取得は新たな能力を身につける機会だと思うといいでしょう。

【パパからの質問2】会社に迷惑をかけると思うと、育休を取得したいと言い出せない

妻だけでなく、僕も育休を取得したいと夫婦で話しています。僕の育休は1カ月間を考えていますが、 地方の中小企業で男性が取得した前例がありません。また、慢性的な人員不足のため、周囲に迷惑をかけてしまうのが目に見え、相談に踏みきれません。自分が育休を取得することで、会社にとってデメリットだけでなくメリットを提示できればと思っています。

男性の育休取得は、会社の採用力アップや働き方改革につながる

【小倉さん】メリットの一つは企業の採用力のアップが考えられます。相談者さんの職場は、慢性的に人員不足とのことですが、最近は男性が育休を取得できることで働きやすい職場をアピールし、企業の採用戦略につなげている事例が多くなってきました。これから就職をしていく若い世代の中には仕事はもちろん、家庭も大事にしたいと考えている人がたくさんいるので、男性が育休取得しやすい企業は目立ちますし、それによって志望者が増え、結果、いい人材が集まりやすくなるもの。私の知る限り、地方企業であっても男性の育休取得を推進する企業は、採用に成功しやすいです。

また、職場の働き方改革を促すきっかけにもなるでしょう。この方は1カ月の育休取得をしたいということですが、ある程度の期間を取得する場合、ほかの人に長期にわたって仕事を引き継ぐ状況になりますよね。その負担を減らすためには、自分の仕事を引き継ぐ際に改めて業務を見直し、削減したり、効率化したり、あるいはマニュアル作成をしたりする準備が必要です。引き継ぐメンバーの負担を減らすためにも、育休取得の申請は早めに上司に伝え、準備したいところ。目安としては出産予定日の半年前〜4カ月前までにはしておきたいものです。出産は早まることもありますからね。

このように男性育休の取得を希望する社員が、自分の仕事の効率化はもちろん、職場全体の働き方も改善する視点を持って動くことができれば、それはほかのみなさんにとってもプラスとなります。そのため、育休を取得する際は、上司と協力し、職場の働き方改革も同時に進められるといいでしょう。

中小企業に勤める男性の育休取得については、一定の条件を満たすと、国から事業主に支払われる助成金制度(「出生児両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」など)があるので、こういった制度を会社の人事に伝えて、相談してみるのもいいかと思います。

【パパの質問3】復職後は、どんなところに気をつけたらいい?

現在、妻が妊娠中。赤ちゃんが生まれたら、僕は3カ月の育休を取得予定です。復職後は夫婦2人で助け合いながら育児と仕事を両立させていきたいと思っています。そのために、復職後はどんなことに気をつけたらいいでしょうか?

復職後は家庭の状況をできるだけオープンに!

【小倉さん】まずは自分の家庭の事情を周囲にオープンにして理解していただくのはいかがですか?たとえば、保育園入園後にパパがお迎えに行く日があるなら、それはいつなのか上司や同僚に伝えたり、会社の共有カレンダーがあれば、記入しておいたり。最初は子どもが病気になることが多くて、会社を休むこともあるかもしれないなどを先に知っておいてもらえると、周囲も対応しやすくなると思います。

また、夫婦2人のときとは異なり、時間制約のある働き方になるでしょう。そのため、タイムマネジメントや業務効率の考え方がとても重要になります。できれば、今からどのようにすれば、時間をかけずに成果を出せる仕事スタイルにシフトできるか、普段の仕事から意識してスキルを磨くトレーニングをしたり、本を読んで学んでおいたりなど、戦略的に働ける準備をしておけるといいですね。

最初は試行錯誤かもしれませんが、時間の制約がありながらもきちんと成果を出せる人材としてキャリアアップできると、子どもの手が少し離れた将来、仕事でさらに活躍することができ、会社からの評価も高くなるはず。頑張ってください!

お話・監修/小倉環さん 取材・文/江原めぐみ、たまひよONLINE編集部

心配する人が多い「育休取得によるキャリアへの影響」や「会社に迷惑をかけてしまう問題」。育児によって新たなビジネススキルを獲得したり、働き方改革にまで活かせたりという小倉先生の回答は、マイナスと思っていたことをプラスに転換できるアドバイスだったのではないでしょうか。パパはもちろん、育休を取得するママにとっても励みになる言葉です。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

小倉 環さん(おぐらたまき)

PLOFILE
株式会社ハーモニーワークス代表取締役。大手企業を中心に女性活躍推進コンサルティング、仕事と育児の両立支援の事業を通じ、多くのワーキングパパ・ママのキャリア支援を行っている。2児のママ。

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