【医師監修】陣痛・出産って、どれくらい痛いの? 痛みの逃し方・和らげ方
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先輩ママたちから聞く陣痛の痛み。想像してお産が怖くなるという人もいますが、痛みを上手に逃すことができれば、お産はグングン進んで安産しやすくなります。痛みを和らげる方法はたくさんありますから、予習をして、その日に備えましょう。
記事監修
日本医科大学大学院修了。米国ロマリンダ大学留学を経て葛飾赤十字産院などに勤務。よりやさしい「生まれる・生きる」をサポートするため、国や地域、医療の枠を終えて活動中。著書・監修書も多数。
陣痛はなぜ起こる?
赤ちゃんを子宮の中から外に押し出す力が陣痛です。医学的には陣痛は、10分より短い間隔で規則的なおなかの張り(子宮収縮)があり、痛みがついてきたものをいいます。陣痛の始まるしくみについては、実にさまざまな説があり、まだはっきりと解明されていません。説としては、ママの脳や卵巣から分泌されるホルモンによって起こる、赤ちゃんから分泌されるホルモンによって起こる、胎盤から放出されるホルモンによって起こるなどが有力で、これらの相互作用により、陣痛開始のスイッチが入ると考えられています。
陣痛・出産ってどれくらい痛いの?
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痛みの感受性は人によって違うので、なんともいえませんが、「鼻の穴からすいかを出すような痛さ」などは、よく聞きますよね。でも実際は、それをした人はいません。つまり、今まで感じたことがないような痛み、ということを表現しているのだと思います。出産経験者であるママたちからは、生理痛の100倍痛いとか、骨盤がくだけるような痛さといった声はよく聞きます。
陣痛はどこが痛い?
陣痛~出産の痛みは、お産が進むとともに変わってきます。赤ちゃんは子宮の中から産道を通り、下降してくるため、最初はおなか全体や下腹部に。赤ちゃんが骨盤に入ってくると恥骨(ちこつ)や腰が、もうすぐ生まれるというころは、腟口や肛門(こうもん)あたりに強い圧迫を感じる人が多いようです。もちろん、骨盤の大きさや角度は人によって違うので、痛みを感じる場所も人によって異なります。
陣痛・出産の痛みを和らげる方法
出産が怖いという人の多くは、「痛みに弱いから心配」「痛さに耐えられる自信がない」など、痛みへの恐怖をあげていますが、陣痛の痛みは軽減できるので、あまり心配しすぎないでください。痛みを和らげる方法について、「妊娠中」と「陣痛中」に分けて、それぞれできることを紹介していきます。
【妊娠中】お産の流れを知って、不安を和らげよう!
陣痛開始から赤ちゃんが生まれるまで、ずっと連続して痛いわけではありません。陣痛は、寄せては引く波のようなイメージで、痛いときと痛くないときがあり、痛くない時間を間欠期といいます。間欠期は、体を休めたり、体を適度に動かしたりすることで、お産がラクになりますし、安産へとつながります。また、陣痛は、最初から最後までずっと強い痛みではなく、徐々に痛みがついていき、お産が近づくほど痛みが強くなっていきます。
【陣痛中】体を温めよう
体が温まると血流がよくなり産道もやわらかくなります。するとお産も進みますし、痛みも和らぎます。腰を温めたり、足湯をしたり、厚めのくつ下をはくなど、足元のほうから温めてあげましょう。
【陣痛中】体は適度に動かす
痛いからといって、ベッドの上でジーっと静かにしていると、お産はなかなか進みません。時間がかかれば、痛みもその分長く感じることに。動けるうちは、産院の中を歩いたり、腰をゆらゆらと回したり、スクワットをするなどしてお産を進めましょう。
【陣痛中】吐く息に意識を集中する
痛みがあると息を止めてしまいがち。息をしっかり吐くことに集中すれば、痛みにばかり意識がいくことを避けることができます。また、しっかりと息を吐けば、自然に吸うことができ、おなかの赤ちゃんにたっぷりと酸素を送ることもできます。
【陣痛中】リラックスを
陣痛が引いたあと、「陣痛がまた来るまた来る」とイメージしてしまうと、筋肉がこわばり、お産が進まないだけでなく、陣痛の痛みもより強く感じてしまうことに。自分がリラックスできることをやってみましょう。好きな香りや好きな音楽などを準備しておいたり、おなかの赤ちゃんに話かけてみたり、間欠期には立ち会う家族と会話するなどして過ごしてください。
陣痛の痛み、陣痛にかかった時間、ママたちのエピソード
「1人目、2人目とも腰が激痛でした。陣痛が来るたんびに腰をガンガンたたいていたので、毎回産後の腰回りが青アザだらけでびっくりします! 3人目臨月入りましたが、今回も腰が痛くなるんだろうなぁと怯えてます…」
「1人目のとき、おしりの穴を突き破って出てくるのかと思うくらいおしりが痛かったです。>_<グーにした右手の甲でずーっと腰とおしりをさすっていたので、産後気が付いたら手の甲の皮が剥けて血がにじんでいました(-_-)。ずーっと「おしり痛い、おしり痛い」って言ってたよねー、とだんなにも言われます、未だに」
「おなかというか子宮? キューーーッッと握りつぶされるような絞られるような痛みでした。3人出産して、3人目で腰にぐわ~んという感じの痛みがあり、あ~腰が痛いってこれか~!と思いました。でもやっぱりおなかのほうがキツく、3人目はおなかの中でのけぞる姿勢をよくしていて(感覚的になので実際はわかりません笑)陣痛がキューーッッときている最中ものけぞるので、その頭で子宮口を圧迫されてさらに痛くて今動くなバカー!!と小声で訴えてました。それにしても、なぜあんなにつらい痛みが産まれてしまえば思い出になるのか。女ってすごいですね」
「下っ腹。 まるで下痢のときの様な痛みでした。腰がくだけるようなって聞いていたので??でした」
「1人目は腰! 2人目はオマタ!笑 1人目は腰がバキバキに折れそうなくらい、本当~に腰が痛かったです! 2人目も腰は痛かったですが、それよりもオマタが引き裂かれそうな痛みで、1人目より叫びまくってしまいました(>_<) 陣痛の痛み、、、出産だから耐えられますよね(^^;; 」
「分娩の痛みは、生まれてくる穴の皮がこれ以上伸びませんって感じの痛みしかなかったです^_^;(伝わりますかね?) なるべく会陰切開したくないとバースプランに書いたのですが、会陰切開したらツルンと生ました。こんなことならとっとと切ってもらえばよかった…。そして個人的には頭が出るときよりも、肩や体が出るときのほうが痛かったです。陣痛の痛みは下痢でおなかが痛いのを、ものすごく強くした感じでした。でも耐えられないくらいかと言われると、そこまででもないかなという印象でした。(もうかなり忘れちゃってます 笑)ちなみに私が出産一連の中でいちばん痛かったのは、分娩後に会陰切開の傷を縫ってもらうときでした」
「分娩時間27時間の長丁場でした。どんなに耐えても開かない子宮口…。時間と共にどんどんヤサグレてきて、様子を見にきてくれる助産師さんに対して「もうおなか切って!!お前がやってみろ!!」と、こともあろうに「お前」呼ばわりしたそうです(夫の話。私、記憶なし) そのセリフは記憶ないのですが、大騒ぎした自覚はあったので、産まれてすぐに分娩台の上から「数々の悪態と暴言、すみませんでした…」と謝りました(恥) 」
陣痛は確かに痛いものですが、おなかの赤ちゃんを押し出してくれる大切な力です。ママが痛みをこらえて頑張っているとき、赤ちゃんも同じように頑張っています。産道は、赤ちゃんにとっては狭くて骨があってゴツゴツとかたくて、とても大変な場所! ママが「痛い、痛い」と体をこわばらせてしまうと、筋肉がかたくなって産道はさらに狭くて困難な場所になってしまいます。ママが、痛みを和らげる工夫をすることで、赤ちゃんはとってもラクになるのです。お産は、ママだけではなく、赤ちゃんも一緒に頑張っていることを忘れないで。陣痛は、赤ちゃんをつれてきてくれる大きな喜びの波とイメージし、勇気をもって、その日を待ちましょう。
(文/たまごクラブ編集部)
■文中のコメントはすべて、『ウィメンズパーク』の投稿からの抜粋です。
初回公開日 2018/5/3
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