【妊娠後期】ズキンとくる恥骨・おしりの痛みはなぜ起こる?産婦人科医Q&A
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赤ちゃんの出産に備えて、妊娠後期には恥骨結合部分や骨盤が緩んできて、恥骨やおしりに痛みを感じることがあります。今回は、妊娠中にありがちな恥骨・おしりの痛みに関するQ&Aを産婦人科医の小川隆吉先生に答えていただきました。先輩ママの恥骨の痛み対策も紹介します。
妊娠後期の「恥骨の痛み」ココが気になるQ&A
妊娠後期、予定日が近づいてくると、赤ちゃんの頭が骨盤内を通過できるようにと、股の上の恥骨結合部分がホルモンの作用で緩んできます。そのため、恥骨のあたりに痛みを感じやすくなります。気になる症状や予防策について、小川先生に伺いました。
Q 足のつけ根や恥骨が痛みます。予防法はある?
A 骨盤内の関節が緩むために、恥骨が痛くなったり、足のつけ根が痛むことがあります。痛みの緩和や予防には、骨盤調整ベルトなどを着けるのがおすすめです。
Q 6カ月ごろから恥骨がギシギシ痛みます。なぜ?
A 恥骨痛は、妊娠後期に起きることが多いですが、早めに大量のホルモンが分泌されて痛みが起きたのかもしれません。痛みが強いときは、医師に相談して痛み止めを処方してもらってもいいでしょう。
Q 妊娠8カ月。歩くと恥骨に激痛が。出産まで我慢するしかない?
A 骨盤底筋群を鍛えるストレッチをしたり、骨盤調整ベルトを着けるなど、自分に合う方法を試してみましょう。後ろ歩きをすると痛くないことが多いので、家の中で試してみてもいいでしょう。
妊娠後期の「おしりの痛み」ココが気になるQ&A
子宮が大きくなると、腰やおしり周辺の関節や筋肉に負担がかかり、おしりに痛みを感じることがあります。骨盤が緩むと、おしりの上のほうが痛くなることも。長時間座りっぱなしだと痛みが増すので、ときどき立ち上がって体を伸ばしましょう。
Q 右のおしりから足にかけて鋭い痛みが。これは坐骨(ざこつ)神経痛?
A おしりの右側が痛むのは、子宮が右側に傾いていて、右側の神経が圧迫されがちなのかもしれません。体重が増えすぎたり、むくんでいると起こりやすいので、食事内容も見直しましょう。
先輩ママの恥骨・おしりの痛み対策
先輩ママはどうやって恥骨・おしりの痛みを乗り切ったのでしょうか? リアルな体験談も参考にしてみてください。
恥骨痛で歩くのも苦痛~産後は楽に
足のつけ根が痛くて、医師から「恥骨痛」と診断されました。臨月には歩くことさえ大変だったけれど、産後は治りました。(産後1年5カ月)
9カ月からの股関節痛~マッサージで痛みを緩和
赤ちゃんが大きめだったため、9カ月から股関節が痛くて、足を上げられない状態に。助産師さんのマッサージで楽になりました。(産後1年5カ月)
妊娠後期に増える恥骨の痛み。骨盤底筋群を鍛えるストレッチをしたり、骨盤調整ベルトを着けるなど、自分に合った対処法を探してみましょう。骨盤調整ベルトは、つけ方を間違えると、逆に腰を痛める原因になることもあるので注意して。ベルトをつけた時に腰や恥骨に痛みや違和感がある人は、お店のスタッフや助産師さんに着け方を教えてもらうとよいですね。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
1975年日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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