産科医・北島米夫の「ニンプのお悩み相談室」 高齢なのでお産が不安
モヤモヤがスッキリ晴れる助言をくれる、と編集部員からも絶大な信頼を寄せられる北島米夫先生が、
ニンプさんのお悩みをズバッと解決! 悩めるニンプさんに愛あるアドバイスをお届けします。
〈今回のお悩み〉高齢なのでお産が不安
40才、初産です。中学・高校と運動部に入っていたので体力には自信があるし、血圧も正常なのですが、高齢での出産は難産になりやすいと聞くので不安です。お産が長引いて赤ちゃんに負担がかかったり、帝王切開になったりしてしまわないために、今できることがあれば教えてください。(妊娠7 カ月のニンプより)
〈お答え〉高齢だからって、心配する必要はない
お産なんて、始まってみなきゃわかりませんよ。そりゃあ長引いたり、帝王切開になったりするかもしれないよ。でも、高齢だからって、絶対にそうなるわけじゃないからね。
身長が150㎝しかない小柄な女性が、4900gもの巨大な赤ちゃんを自然分娩で産むこともあるしね。赤ちゃんの頭の大きさや形なんかによっても、お産の経過は変わってくるから、高齢だからどうこうってことはいちがいに言えないですよ。
とにかくね、よく、明けない夜はないっていうように、陣痛が来たら基本的には2日以内になんらかの形で生まれます。生まれるものは生まれるんだから、心配したり、怖がったりするだけ損! 「案ずるより産むが易し」ですよ。
健康管理をしたら、あとは不可抗力
妊娠中に、お産のためにできることなんてあまりないけれど、強いて挙げるなら、自分の体の健康管理ですかね。食べたいだけ食べて、ぶくぶく太れば難産になりやすいし、妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)にでもなれば、帝王切開の確率が高まりますから。それ以外のことは、自分じゃどうしようもない。不可抗力ですよ。
日本のお産の帝王切開率は15%。高齢であってもなくても、帝王切開になることはあるんだから、もし帝王切開になったら、「陣痛がなくてラッキー」くらいに前向きに考えればいいと思います。
大事なのは、どんな産み方をするかより、赤ちゃんを元気にこの世に産み出すこと。そのあとに続く子育てのほうがもっともっと大変なんだから、しっかり覚悟することです。
〈先生から最後にひと言〉
どんなお産になるのか心配するだけ損。
案ずるより産むが易し!
北島先生の相談室は「たまごクラブ」で好評連載中。最新版は雑誌でチェックを!(イラスト・花くまゆうさく、文・たまごクラブ編集部)
■参考:『たまごクラブ』2018年7月号「連載 産科医・北島米夫のニンプのお悩み相談室」