産後の体「これがつらかった!」TOP10★主な症状を産婦人科医が解説
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約280日間赤ちゃんを育て、最後に出産という大仕事を終えたママの体は、疲労でヘトヘトに。そして驚くべき変化やトラブルの連続も待っています。妊娠中、出産を控える妊婦さんは、「こんなはずでは……」と落ち込まないように、今から心の準備をしておきましょう。産後のママの体の気になるところを、産婦人科医の小川隆吉先生に答えていただきました。
先輩ママ調査★産後の体、これがつらかったランキング TOP 10
『たまごクラブ』が先輩ママにアンケートを行った結果、「産後の体でつらかったこと」は、以下の順位となりました(※)。
1位 会陰切開の傷
2位 産後の初トイレ
3位 授乳トラブル
4位 便秘・痔(じ)
5位 後陣痛
6位 眠れない
7位 悪露
8位 むくみ
9位 腰痛・尾骨痛
10位 産後のシャワー
※『たまごクラブ』2013年5月号より
産後の体の変化を学び、妊娠中から心の準備を!
アンケートの結果も踏まえ、出産直後から襲ってくる痛みや体の変化など、主な8つのトラブルについて紹介します。
【1】発熱
出産で産道や子宮内にできた傷に細菌が感染して起こる産褥熱(さんじょくねつ)や、尿路からの感染による膀胱炎、乳腺炎による発熱があります。
【2】腰痛
妊娠中からの腰痛が悪化するほか、新たに腰痛になるケースも。まれに、出産時に尾骨を折ってしまい、痛みが出ることもあります。
【3】悪露
産後しばらくは、子宮壁や産道からの出血、子宮の脱落膜などが混ざった悪露(おろ)という分泌物が出ます。頻繁に産褥パッドや生理用ナプキンを交換します。
【4】貧血
妊娠中に貧血だと、産後も続く恐れがあります。またお産時に出血が多いと、産後貧血になるママも。立ちくらみや疲れが出やすくなります。
【5】乳房の張り
産後3~4日ごろから母乳がつくられ始めます。しかし乳腺が開通していないと母乳がたまり、おっぱいが張って痛みを感じます。
【6】骨盤がグラグラしている
お産で骨盤が押し広げられ、産後は骨盤が不安定な状態に。腹巻きや骨盤ベルトで締めて、徐々に戻していく必要があります。
【7】会陰切開の傷
出産直後は痛くて座るのもつらかったり、排尿時に尿がしみることも。徐々に軽くなっていきますが、違和感は約1カ月続きます。
【8】むくみ
産後のママの体は、むくみやすい状態に。さらに、慣れない育児の疲労も関係して悪化しがちになります。
ほかにもこんな症状が…
・全身の筋肉痛
・マタニティブルーズ など
産後は会陰切開の傷や、おっぱいの張りなど、体の痛みとの戦いが始まります。また、授乳指導が始まり、おっぱいの出具合いや赤ちゃんの吸い方に悩んだり、沐浴指導で不安になったりなど、精神的につらくなることもあるかもしれません。産後の体の変化にも落ち込まないように、妊娠中から心構えをして、赤ちゃんとの生活に備えましょう。そして困ったときは、パパや家族、先輩ママなど身近な人に相談を。助産師さんや、地域の相談窓口に話を聞いてもらうなどするのも手です。ひとりで悩まず、周囲に協力してもらいながら、産後の生活を乗りきりましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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