妊娠判明数日後に流産。「体力仕事をセーブしなかった」自分を責め続けたが…
4歳と2歳の姉妹を育てる、ママライターつぼいみきです。現在はフリーランスで働きながら、子育て真っ最中の毎日を送っています。夫とまだお付き合いをしていた26歳の頃、7年前の春に遡ります。「生理がかなり遅れている、私妊娠しているのかな?でも出血し始めた…」と、あれよあれよという内に、“流産”という現実を受け入れなければならなくなった経験を綴っていきます。
転職を予定していた頃「どうしよう…生理がこない」
今の夫とのお付き合いも8年目に差しかかった頃、生理がかなり遅れているという事態になりました。当時の私は、介護福祉士として特別養護老人ホームに勤務していました。そしてケアマネジャーとして転職するため、これまで勤めていた職場を、あと1週間で退職するという状況下にありました。
いつもはちゃんと28日周期でくる生理が、10日ほど遅れていたのですが、「新しい職場に行くのに、いきなり“妊娠報告”はしにくい、いま妊娠するのはまずい…」そんな気持ちが強かったのです。
妊娠の可能性を感じつつも妊娠検査薬を試す勇気が持てず、「明日生理がくるかもしれない」そんな思いで毎日を過ごしていました。そして、仕事も新人職員への引き継ぎに忙しく、ご利用者の移乗介助など体力仕事を積極的に行なっていました。
出血して、意を決して受診した結果“妊娠の判明”
そして、前職場の最終出勤日を無事に終えた夜、少量の出血があったのです。私はすぐ「生理がきた! よかった!」と安堵。しかし翌日になってもその出血量は生理のようには増えず、少量の出血が続いているのです。
「これはおかしいかもしれない…」やっと意を決して妊娠検査薬を手にしたのです。結果は陽性の反応でした。
すぐに今の夫に報告すると共に、ネットで妊娠中の出血について調べていました。出てくる情報は全て“流産の危険性”の記事ばかり。翌日、すぐに産婦人科を受診しました。医師から告げられた言葉は、“妊娠していること”そして“出血が始まってしまっているため流産してしまう可能性が高い“ということでした。
激しいおなかの痛みと、大量の出血に苦しんだ夜…
自分のおなかに小さな命が宿っていることが分かって以降、あんなに“今、妊娠しては困る”と思っていた私の気持ちにも変化が起こっていました。「この子を絶対に守りたい」と。
しかしそんな思いは届かず、受診した翌日の深夜に出血量がどんどん増えはじめ、大量の出血とともに、激しいおなかの痛みに襲われました。
夜用のナプキンをしても、1時間もしないうちにいっぱいになってしまう。そして、あまりのおなかの痛みに耐えられず病院へ連絡をし、夫に付き添ってもらいながらそのまま病院へ行きました。
素敵なギフトをありがとう。そしてまた会える日まで
診察の結果、「胎児がもう流れてしまう寸前の状況にあるため、処置により胎児を出します」という説明を受け、処置が行われました。妊娠7週目くらいだったと思います。痛みとショックで、“何が起こっているのかよく分からないまま、身を委ねていた”そんな感じでした。
「妊娠しているかも」という気持ちを抱えながらも、体力仕事をセーブせずに動き過ぎてしまっていた自分を責め、「ごめんね、ごめんね」という思いが込み上げ、涙が溢れ出ていました。
我が子はお空へ帰っていってしまいましたが、ひとつ素敵なギフトを残していってくれました。私たち夫婦は、この妊娠をきっかけに結婚を決意したのです。長い付き合いで結婚のタイミングを失ってしまっていた私たちに、きっかけを作りにきてくれた。そう思っています。
今は、「私たちのもとへやってきてくれてありがとう」という感謝の思いでいっぱいです。妊娠発覚から数日の出来事でしたが、こんなにも我が子は愛おしく感じるのかと教えてもらいました。
この流産の経験から3年後の29歳の時に39週2日で体重2766g、身長46cmの待望の第1子、女の子を出産しました。第1子を妊娠するまで1年ほどかかりましたが、この流産の経験が「1度妊娠できているからきっと大丈夫」という安心感のような、励みにも近いものがありました。4歳となった長女は最近「お姉ちゃんが欲しいな」とよく言います。もう少し大きくなったら「お空に帰ってしまったけど、あなたにはお姉ちゃんかお兄ちゃんがいたんだよ」と教えてあげようと思っています。
[つぼいみき * プロフィール]
『ママの笑顔は、家族の太陽』私が大好きな言葉であり、私のテーマにもなっています。家事、子育て、仕事に大忙しで、自分のことは後回しにしてしまうママ。私自身もこの状況に“自分のことが分からなくなってしまった”という経験を活かし、現在はママ向けにドリームボード講座や個人セッションを開催。ママになってからでも、自分の好きなことはできる、夢は叶う、自分と向き合うこと、心を満たすことの大切さを伝えるべく活動しています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。