むくみのピークは産後2日目!? 授乳は?産後ママの体トラブル対策を産婦人科医が伝授
Photodisc/gettyimages
出産後のママは、会陰(えいん)切開の傷の痛みや後陣痛(こうじんつう)のほかにも、つらさを感じることが多々あります。今回は、だれにでも起こる体の変化、むくみや寝不足、授乳トラブル対策について、産婦人科医の小川隆吉先生にうかがいました。
【むくみ】産後2日目をピークにむくみが出る人も
産後の体は、分娩時の出血、分娩後の悪露(おろ)などでたんぱく質が失われ、むくみやすい状態に。体重が増えすぎた人や貧血の人ほど症状が強い傾向があり、足の甲がゾウのようになることも。症状のピークは産後2日目ごろです。
むくみ対策1:寝ながらできる! 足のストレッチで血液循環をUP!
足首を前後に曲げたり伸ばしたりするストレッチや、足の指をパーッと広げたりグーッと前に折り曲げたりするストレッチ、また、足を高くして寝るだけでも、血液循環が良好になります。
▼足首のストレッチ
足首を前後にゆっくり曲げ伸ばします。気持ちよくて効果も抜群!
▼足指のストレッチ
足の指を大きく広げてパー、ギューッと前に折り曲げてグー。これを繰り返します。
むくみ対策2:靴下をはいて温める
体が冷えると、むくみの原因になります。靴下や足用使い捨てカイロで末端を温めるだけでも、血液循環が促進され、むくみ解消に効果があります。着圧ソックスを利用する方法もおすすめです。
【寝不足・疲労】出産疲労を残したまま授乳がスタート
お産直後は、疲れきっていても、赤ちゃん誕生の興奮で眠れないことがよくあります。さらには、体力が回復しないまま、24時間態勢の授乳がスタート。赤ちゃんに神経を集中しすぎて、こま切れにしか眠れないママも多いようです。
寝不足・疲労対策1:昼も小まめに横になろう
産後しばらくの間は、夜間にまとまった睡眠時間をとるのは難しい可能性もあります。赤ちゃんが眠っている時間は、昼でも小まめに横になって休むようにしたほうがいいでしょう。
寝不足・疲労対策2:面会を制限することも大事!
赤ちゃんの誕生を喜んでお祝いに来てくれる、親せきや友だちの面会はとてもうれしいもの。でも、出産直後のママには気疲れのもと。面会をやんわりと断る勇気も必要です。
【授乳トラブル】母乳が出ない、乳首が切れるなど
母乳の出には個人差があり、最初からスムーズには出ないママがほとんど。赤ちゃんに繰り返し吸ってもらうことで、徐々に分泌が増えていきます。乳首が切れたり、張って痛みが出るなどの問題も起こりやすくなります。
授乳トラブル対策1:乳首は深くくわえさせる
赤ちゃんが乳首を浅くくわえると、乳首の表面が切れやすくなります。乳首が切れてしまうと、授乳のたびに痛みが生じ母乳育児の障害に。乳輪まで深くくわえさせましょう。
授乳トラブル2:肩甲骨の間を温めたり、肩を回して血流をUP!
重い乳房を抱え赤ちゃんを抱っこしていると、背中や肩が凝る原因に。肩甲骨の間をカイロで温めたり、肩回し運動をしたりすると、血流がよくなり母乳の出も促進されます。
産後は、お産の疲れや2~3時間おきの授乳で、なかなか疲れが抜けないこともあります。また、むくみや授乳トラブルによる痛みも出やすいもの。お産入院中のスケジュールを確認して、睡眠できる時間を計画的に設けたり、助産師さんに相談したりして、体が少しでも楽になるように心掛けましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)