2019年生まれの子どもたちの未来を大予測!
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今年5月に新天皇が即位し、30年以上続いた「平成」が終わります。2019年生まれの赤ちゃんが生きていく新しい時代は、従来と比較にならないほど大きくグローバル化が進展。外国人に対して臆(おく)さずに、“普通”に話せるコミュニケーション力や、日本でなくても生きていけるスキルや能力が求められるようになります。これからの子育てについて、野村総合研究所の研究理事・未来創発センター長の桑津浩太郎さんにお話をうかがいました。
“幼児教育の無償化”などが始まり、親の教育費負担は大幅に減少
「少子高齢化が進み、人口減少が加速するこれからの日本では、子どもの価値がこれまで以上に上がります。そのため、子どもを産み育てることに対し、国からのサポートが手厚くなります。幼児教育の無償化は2020年ごろにはほぼ実現され、高等教育も無償化の方向に進んでいくでしょう。
よって、親の教育費負担は大幅に減少していきます。また、これから生まれる子どもたちが働き始めるころは労働力が不足するため、就職難もありません。昭和の高度経済成長期に、集団就職した地方の中高卒者が“金のたまご”と言われましたが、“真の金のたまご”はこれから生まれる子どもたちです」(桑津さん・以下同)
コミュニケーション能力が問われる時代に
「これからの子どもたちは国境を簡単に飛び越え、日本での日常生活でも普通に外国人と接するようなグローバル環境を生きることになります。中国人の友だちが2人、英語圏出身の友だちが1人いる。それくらいの比率で、外国語を話す友だちが増えるでしょう。
そこで大切なのが、コミュニケーションを図る力です。引っ込み思案にならずに、普通に外国人と話して、遊ぶ。親は、そうした環境を子どもたちに多く与えられるといいですね。今後、翻訳アプリが進歩しますが、コミュニケーションのツールとして、語学はできたほうがいいです。英語も中国語も勉強するのが、今後のスタンダードになるでしょう」
日本でしか生きられない子にしてはいけない
「今後は、世界における日本のポジションが、相対的にダウンするといわれています。そのため、たとえば資格ひとつとっても、日本でしか通用しないものではなく、国際的に通用する資格を取得するなど、世界で生きていけるスキルを身につけたいですね。
今よりもベンチャー企業に勤めたり、起業したりする人が劇的に増え、欧米のように、いい学校を出ている人ほどそうなる傾向に。“大企業に就職すれば一生安泰”という時代ではなくなります。
親が自分たちの価値観を押しつけるのは、子どもたちの足を引っ張ることになりかねません。“自分たちの時代とは違う”ということを認識し、価値観を柔軟にシフトしていきましょう。それが、いとしいわが子の幸せに、きっとつながります」(文・たまごクラブ編集部)
■監修:野村総合研究所 研究理事・未来創発センター長 桑津浩太郎さん
京都大学工学部数理工学科卒業。1986年入社。2017年に研究理事に就任。とくに通信分野の事業、技術、マーケティング戦略と関連するM&A・パートナリング等を専門とし、ICT分野に関連する書籍、論文を多数執筆されています。
■参考:『たまごクラブ』2019年2月号「生まれてくるわが子のために、ママ・パパになるなら知っておきたい いよいよ来る新時代。何が起きる?どう変わる?」