「いきみたい」その瞬間を逃さず報告!助産師さん陣痛の辛さを伝え、不安解消
自宅で仕事をしながら、現在10歳と5歳の男の子2人の育児に奮闘しているママライターの“こつぶです。私が第1子を妊娠したのは28歳の時。赤ちゃんを望んだ翌月に妊娠が判明しました。結婚して派遣社員として、フルタイムで働いていた頃のことでした。
妊娠後期に再び…おさまったはずのつわりが再来⁉
食品を扱う職場だった為、においがきつく、これ以上働くのは無理だと思い仕事を辞めることに決めました。2ヶ月から始まったつわりは、3ヶ月が一番のピーク。起きている間は常に気分が悪く、時々吐いていました。
4ヶ月に入るとつわりはすっかり治まり、それから7ヶ月までの期間は妊娠してから一番幸せな気持ちを満喫する事ができました。
しかし、8ヶ月に入ると再び、大きくなってきたおなかで胃が圧迫され、つわりがまた始まったかのように気持ちが悪く、吐き気がでてきました。
予定日の1ヶ月前の健診で、医師に「赤ちゃんの頭が骨盤の中に入ってきましたよ」と言われました。そのため、今まで以上に頻尿になり、足の付け根が常に圧迫され、横になって休む事が増えました。日常動作が大変になってきたのです。
突然の破水から、あっという間に分娩台へ
予定日を7日過ぎた夜、重い体を支えながら立ち上がった瞬間のことでした。生温かい水がサラサラと下ってくるのが分かりました。「あ、破水した!」と思い、すぐに病院に電話しました。とにかく準備を始めて母に病院に連れて行ってもらい、そのまま深夜入院となりました。その後、夫も仕事を終え病院に到着。
破水して30分後にはすでに10分間隔で陣痛がきました。「初産なので、今日中は陣痛が続くと思います。目標としては今日のお昼頃に生まれたらいいですね」と、看護師さんに言われました。
しかし、陣痛の間隔はどんどん短くなっていくばかり…。心の準備ができないうちに破水後1時間で分娩台に上がる事になりました。分娩台に上がった私は、助産師さんに「気持ちが悪くて吐きそうです」と伝えました。気持ち悪さと同時に、腰にも割れそうな痛みが。
しかし、痛みと痛みの間に息を吐くことに集中しました。すると、助産師さんから「子宮口が今、8㎝になりました。全開大まであと少しですから、赤ちゃんに酸素をいっぱい送ってあげてください」と言われました。
助産師の言葉を励みに、凝縮した痛みと恐怖に耐える
その後はもう、頻繫にいきみたくなりました。そのつど「今、いきみたいです!」と助産師さんに訴えました。お産の間、助産師さんが「赤ちゃんの頭が少し見えてきましたよ。このぐらいです」と言って、手でまるい輪を作って知らせてくれるのが励みになりました。
恐怖と痛みで泣き叫びたいのにたえながら、いよいよ仰向けになって、分娩台にあるレバーを握り、両脚を踏ん張ると、助産師さんの声が聞こえました。「赤ちゃんの頭がもう出てきていますよ。いきみたくなったらいきんじゃっていいですからね!」と。
その声に嬉しくなりましたが、今までより更に頭の血管が切れてしまいそうな力で押し出さなければなりませんでした。「こんなに力んだら私は死んでしまうかも知れない」と、本気で思いました。不安に思いながらも、助産師さんの言葉を信じ、私は息をとめて力を込めました。
渾身の力を込めた最後のいきみ…そして訪れた夢心地
「はい、深呼吸して」と、いきみといきみの間の休息時間でリラックスを促された私。その後すぐに「すごくいきみたいです!」と言うと、助産師さんは「次のいきみで赤ちゃんの頭と体が出ますよ。その感覚をしっかり感じてくださいね。体が全部出たらおなかがスッキリします」と言いました。
痛みで声も出せず、私はもう頷くだけ。そして最後に、渾身の力をふり絞っていきむと、「はい。赤ちゃんの体が全部でましたよ」と言う助産師さんの声。少しすると「おぎゃあ~!!」と産声が。
私は疲労と安堵感でいっぱいになり、まるで夢の中にいるようでした。産後の興奮で神経が高ぶったのか、体も震えました。その後、帽子を被り白いタオルに包まれた小さな赤ちゃんが、私の胸に運ばれてきました。
初めての授乳をしようと試みたのですが泣いてしまって、中断しました。もっとあげたいと希望しましたが、「前日から一睡もしていないから、今日はお母さんも体を休めた方がいいですよ」と助産師さんに促され、翌日から授乳を始めることにしました。
妊娠41週間目の突然の破水から4時間36分での出産でした。赤ちゃんの身長は45.8㎝、体重は2532gでした。初産にしては進みがはやかった分、気持ちが追いつかず、痛みも凝縮していました。しかし、助産師さんには「お産の間、お母さん自身が今の状況を伝えてくれていたので、私もお産の進みをとても把握しやすかったです」と褒めてもらいました。
[こつぶ*プロフィール]
26歳の時に知り合った夫と、今年で結婚11年目。現在小5になった食べ盛りの長男と、年長の次男の子育てに日々奮闘中。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。