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そばにいるだけでうつる!妊娠中に気になる5つの感染症を産婦人科医が解説

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noipornpan/gettyimages

知らない間にうつってしまう恐れのある空気感染や飛沫感染。風疹(ふうしん)など、年によって大流行する病気も含まれます。予防のポイントは、人込みや子どもの多い場所を避けること。流行の情報を敏感に察知し、早めに対処しましょう。今回は、代表的な感染症の注意したいポイントについて、産婦人科医の小川隆吉先生に教えていただきました。

関連:現在39~56才の男性は風疹予防接種が原則無料に!赤ちゃんを守ろう

【注意したい感染症1】風疹とは?

「風疹(ふうしん)は、「三日ばしか」とも呼ばれるウイルス感染症。子どもは比較的軽症で済みますが、大人がかかると症状が重くなることも珍しくありません。一方、「不顕性感染」といって、目立った症状が現れないケースもあるので注意が必要です。とくに妊娠20週までに感染してしまうと、赤ちゃんに影響する心配があるので、感染予防を徹底してください」(小川先生・以下同)

★主な症状  
・発熱
・発疹(大人の場合、ちょっとかゆいことも)
・首のまわりのリンパ腺が腫れる

★妊娠・出産への影響
「とくに影響は報告されていません」

★赤ちゃんへの影響
「妊娠20週までに感染した場合、先天性風疹症候群といって、心臓疾患や白内障、難聴などの影響が出る可能性があります。ただ、必ず発症するわけではありません。また、20週以降の感染なら、影響する心配はほとんどないでしょう」

★治療法
「有効な治療薬はないのが現状です。発症した場合は、症状が治まるまでは安静にして養生を心がけます。感染が疑われたら、まずは電話で産科の主治医に相談しましょう」

風疹ワクチンのすすめ

ここ数年、20~30才で風疹にかかる人が急増しているため、抗体のない妊婦の同居家族(夫や上の子など)は、風疹ワクチンを接種するように厚生労働省からもすすめられています。

【注意したい感染症2】伝染性紅斑(りんご病)

「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)は、パルボウイルスの感染で発症します。幼児がかかりやすいので、上の子が感染するとママにうつってしまう心配があります。とくに妊娠20週未満に感染すると、重症例では子宮内胎児死亡を起こす恐れも。20週以降は影響する心配はなくなります」

★主な症状  
・発熱
・関節痛
・紅斑

※子どもの場合は文字どおり頰がりんご色に赤く腫れる症状が見られますが、大人の場合は症状がないケースが多いようです。
★妊娠・出産への影響
「重症の場合、流産・早産を引き起こす例もあります」

★赤ちゃんへの影響
「妊娠20週未満の場合、約3分の1の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。パルボウイルスは赤血球を壊すため、より多くの血液を体内に送ろうとして負担がかかり、心不全を起こしてむくみが出る胎児水腫になることも。ただし、ウイルスが消えれば半数は回復します」

★治療法
「治療薬はありません。安静にして過ごし、十分に体を休めることで回復を待ちます」

【注意したい感染症3】水痘(水ぼうそう)

「水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスの感染で、全身に水疱性の発疹ができます。妊娠中に感染すると重症化しやすく、時期によっては赤ちゃんに影響する可能性も。95%のママは抗体があるといわれますが、感染には注意しましょう」

★主な症状  
・発熱
・全身がだるい
・食欲不振
・発疹(ほっしん)
・紅斑(こうはん)

※頭や顔も含め、全身に発症します。時期をずらしてあちこちに次々とできるため、水疱、潰瘍、かさぶたなどのさまざまな状態の発疹が混在するという特徴もあります。

★妊娠・出産への影響
「妊娠中は重症化しやすく、肺炎になることもあります」

★赤ちゃんへの影響
「おなかの赤ちゃんも感染・発症することがあり、発疹のあとが残ったり、脳や目に異常が出る心配も(先天性水痘症候群)。妊娠初期や妊娠後期に影響が出る可能性が高くなります」

★治療法
「妊娠の状態と症状の程度によっては、抗ウイルス薬を投与します。肺炎などを併発し重症化した場合は、内科に入院し点滴治療を行うことも。出産間近にかかり、赤ちゃんにも感染したときは、産後すぐに赤ちゃんにも抗ウイルス薬を投与します」

もし、上の子がかかったら

「免疫がない人は、発症後約10日間は上の子の世話を家族に頼むなどして、近づかないでください」

【注意したい感染症4】麻疹(はしか)

「麻疹(ましん)ウイルスの感染による病気。感染力が強いため、周囲にかかっている人がいたら、発症後5日間は近づかないようにしましょう」

★主な症状  
・発熱
・全身がだるい
・発疹
・せきなどのような症状

★妊娠・出産への影響
「感染すると高い確率で子宮収縮を起こしやすくなるため、流産・早産につながる可能性が高くなるとされています」

★赤ちゃんへの影響
「妊娠中に感染しても、赤ちゃんの奇形の心配はありませんが、約30%が流産する恐れがあります」

★治療法
「特効薬はないため、安静にして過ごし、十分に体を休めることで回復を待ちます」

【注意したい感染症5】流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

「流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)は、ムンプスウイルスの感染による病気。耳下腺が腫れ、頰がおたふくのように見えるのが特徴です。周囲ではやっている場合、風邪症状を自覚したら、念のため医師に相談を」

★主な症状  
・発熱
・全身がだるい
・食欲不振
・筋肉痛
・耳下腺が腫れる

※腫れるのは、両頰、片側の頰だけ、とさまざま。流行性耳下腺炎は、子どもが多くかかる病気で、大人が感染してもとくに目立った症状が出ない場合があります。

★妊娠・出産への影響
「若干流産を引き起こす可能性があります」

★赤ちゃんへの影響
「先天的な病気になる心配はありませんが、まれに胎児死亡の報告があります。また出産直前にママが感染した場合、赤ちゃんに呼吸障害などの影響が出ることも」

★治療法
「特効薬はないため安静にして体を休めることで回復を待ちます」

関連:「気にしすぎ」って言わないで…!【妊娠なめてました日記#2】

空気感染や飛沫感染をしてしまう感染症は、気をつけていても完全に避けられるものではありません。感染症がはやっている時期は人込みを避けましょう。また、例え家族であっても感染症にかかった人の看病は避け、できるだけ近づかないようにしましょう。(文・たまごクラブ編集部)

■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。

■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)

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