まさか破水!?もしやの陣痛!?「お産の始まり」であせらない、行動マニュアル
AntonioGuillem/gettyimages
お産はいつ始まるかわからないからこそ、事前の準備が大切。陣痛から始まるパターンが多いですが、それが朝なのか、昼間1人のときなのか、夜中なのかによっても行動のしかたが変わります。また、破水から始まった場合も異なります。どう始まってもあわてないために、やるべきことをチェックしておいて。今回は、産婦人科医の小川隆吉先生に様々なお産の始まり方について、教えていただきました。
お産入院のタイミングは?
規則的なおなかの張りや破水など、お産の始まりとみられる症状が起きたら、まずは産院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
お産の始まるとき、どんな兆候がある?
陣痛から始まったら子宮収縮に伴う規則的なおなかの張りと痛みがあり、前期破水なら羊水が流れ出てくるという症状が見られます。
本格的な陣痛の前に「もうすぐ始まるよ」のサインが現れることも
全員に現れるわけではありませんが、お産の予兆のようなサインが出る場合も。それは、おりものに少量の出血が混じる「おしるし」や陣痛の予行演習のような「前駆陣痛」です。
おしるし
子宮収縮により赤ちゃんを包む卵膜と子宮壁がこすれて起きる少量の出血のことで、茶色やピンクの粘液状のおりものです。
前駆陣痛
陣痛のような痛みや張りが来たものの、途中で痛みが遠のいたり、間隔が不規則、痛みの強さもバラバラなら前駆陣痛です。
お産の始まりから入院までの流れ
1 前駆陣痛・おしるし(不安な場合は産院へ連絡を)
2 規則的な陣痛・前期破水・量の多い出血(産院へ連絡)
3 移動
4 診察・入院
Point1★必ずママ自身が電話
産院への連絡はママ自身が行いましょう。陣痛の間隔や痛みの強さなど、こまかいことを聞かれることも多く、また産院側では声の調子も判断要素にしています。
Point2★交通手段は事前に確保&確認
陣痛や破水の状態での車の運転は絶対にNG。車で行くならパパなど家族の運転か、タクシーを使います。複数のタクシー会社の連絡先を登録しておくと安心です。
陣痛で始まった場合①痛みと痛みの間隔を計ってみよう
いつもと違うおなかの痛みが来たら、痛みの間隔を計ってみましょう。間隔とは、痛みが始まったときから、次の痛みが始まるまでの時間のこと。最初は不規則でも徐々に痛みが増し、10分間隔になったら本格的な陣痛です。
(対処法&注意点)痛みの強さやおなかのかたさに注意
強弱のない激しい痛みや、おなかがカチカチになるなどの症状が見られたらすぐに産院へ連絡を。また胎動が少ないと感じるときも要注意。
陣痛で始まった場合②10分間隔になったら産院へ連絡
痛みや張りの間隔が10分以内、もしくは1時間に6回以上、感じるようになったら産院へ連絡します。経産婦の場合はあらかじめ医師と相談して決めておきます。
電話で伝えること
産院に電話した時に聞かれるのは、主に下記の6つです。
□出産予定日と現在の週数
□初産か経産か
□間隔や痛みの強さ
□破水やおしるしの有無
□健診のときから、医師に言われていること
□産院までの所要時間
前期破水で始まった場合、すぐに産院に連絡して入院します
赤ちゃんを包む卵膜が破れて、羊水が流れ出ることを破水といいます。陣痛前に起こるのが前期破水です。破水したら腟から細菌が入り、赤ちゃんに感染する恐れがあるのですぐに入院します。
(対処法&注意点)シャワーは厳禁、歩き回るのもNG
破水したらシャワーや入浴は禁止。大きめの生理用ナプキンを当て、できるだけ動き回らずに、すぐに産院へ連絡し入院します。移動の車内では横になっていましょう。
入院後、一度帰宅するケースもあります
いったん陣痛が始まっても、その後治まってしまう前駆陣痛のケースや破水が疑われたけれど検査をしたら違っていた場合などは、入院後に一度帰宅することがあります。
(一度帰宅するケース)
☑陣痛が治まってしまった
☑破水ではなかった
☑子宮口が開いていない
お産を迎えた時に、お産の始まり方を知っているか知っていないかで、心の持ち方が変わってくるもの。どの兆候が現れるかは人それぞれなので、いろんなパターンに備えて、心の準備をしておきましょう。破水した場合は、羊水か尿かの検査をするので、ぬれたナプキンやショーツは産院に持参を。(文/たまごクラブ編集部)
監修/小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
小川クリニック
参考文献:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)