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女性の一生を左右する妊娠中の骨盤のゆがみ。妊娠初期から分泌される「リラキシン」とは?

更新

妊娠中の女性は、腰の痛みに苦しんでいます。
NataliaDeriabina/gettyimages

妊娠中から起こりやすい、腰痛や尿もれなどの不快症状。実は骨盤のゆるみ、ゆがみが関係しているんです。ひどいゆがみを放置しておくと、難産になりやすく、産後も不快症状が続き、体形の崩れにもつながります。骨盤まわりのケアしだいで、女性の一生が左右されるといっても過言ではありません。

おなかが大きくなくても骨盤まわりには変化が!

おなかのふくらみが目立たない妊娠初期から、ママの体の中では大きな変化が起きています。出産に向けて産道を広げるために、“リラキシン”という女性ホルモンが分泌されるのも、その一つ。“リラキシン”には骨と骨をつなぐ靱帯(じんたい)をゆるめる働きがあるので、骨盤まわりの靭帯もゆるみ、骨盤はゆがみやすい不安定な状態になります。
骨盤には子宮と内臓を支える役目があるので、骨盤がゆがむと、子宮の位置や形にも影響します。

決まった方向に横座りしてない?

骨盤は、姿勢をまっすぐにしたときに左右対称になるのが、正しい位置。しかし、横座りをすると体がねじれるので、頻回に行うと骨盤も傾きやすくなります。妊娠中は骨盤のゆがみが悪化しやすいので、普段の姿勢から見直しましょう。

妊娠初期~中期 骨盤まわりと体調の変化

妊婦さんたちの声
腰とおしりに激痛がはしる(妊娠4カ月)
立っていると痛い。寝返りをするだけでも痛い(妊娠5カ月)
腰が痛くて寝返りができない(妊娠5カ月)
笑ったり、力を入れると、尿がもれる(妊娠6カ月)

靭帯がゆるんでも、骨盤まわりの筋肉が左右バランスよく支えていれば、骨盤がゆがむことはありません。逆に筋力が弱かったり、筋力の左右差があったりすると、骨盤はゆがんで腰痛などの原因になります。骨盤ベルトを巻くと痛みが軽減するのは、ベルトが筋肉の代わりに骨盤を正しい位置にサポートしてくれるからです。
妊娠中期の尿もれは、骨盤底筋のゆるみが原因かもしれません。骨盤底筋には、子宮や膀胱(ぼうこう)を支えるだけでなく、排尿をコントロールする役割もあります。

妊娠後期 骨盤まわりと体調の変化

妊婦さんたちの声
右の股関節(こかんせつ)にするどい痛みがあったり、おしりの骨に痛みがあったりした(妊娠8カ月)
くしゃみをしたり、重いものを持ち上げたりすると尿もれが起きた(妊娠8カ月)
歩くと恥骨(ちこつ)がズキズキ痛い(妊娠8カ月)
歩くと股関節がミシミシなる感じ(妊娠10カ月)

妊娠後期になると、重くなった子宮に圧迫されて、股関節や恥骨の痛みが出やすくなります。股関節の片側だけに痛みが出る人は、股関節を支えている筋肉に左右差があるからでしょう。左右差を改善するためにも、骨盤まわりのケアはおすすめです。また、歩くと股関節に違和感がある人は、靭帯がゆるんで骨が不安定になっている可能性も。骨盤ベルトなどで位置を安定させると、違和感が消えるかもしれません。
この時期、子宮の重みで膀胱(ぼうこう)が圧迫され、それと同時に子宮を支えている骨盤底筋が引き伸ばされます。そのため、頻尿や尿もれも起こりやすくなります。

出産~出産直後 骨盤まわりと体調の変化

ママvoice
骨盤が広がっていく感覚があった(出産中)
脚を閉じるのが難しく、座るときに違和感がある(産後すぐ)
骨盤がゆるんでおさまりが悪いのか、落ち着いて座っていられない(産後1日目)

お産が始まると、赤ちゃんは狭い産道をうまく通過するために、回旋しながら下りてきます。そのとき、ママの体は靭帯がゆるみきった状態。産道が広がるように、仙骨や恥骨結合など骨盤が動いて、赤ちゃんの通過をサポートします。
出産を終えるとホルモンの分泌は切り替わりますが、靭帯のゆるみはしばらく続きます。また、赤ちゃんが産道を通るときに引き伸ばされた靭帯や筋肉は、少なからずダメージを受けています。そのため、股関節がグラグラした感覚や、座ったときに違和感がある状態が、産後しばらく続くこともあります。

産後 骨盤まわりと体調の変化

ママvoice
寝返りのとき、きしみを感じた(産後1カ月)
歩いたとき、腰がぐらつく(産後1カ月)
尿意を感じると、すぐ出てしまう(産後3カ月まで)
歩くときにガクガクした(産後4カ月)
骨盤がグラグラした感じで、腰回りに締まりがないように感じる(産後6カ月まで)

産後、“リラキシン”の分泌が止まっても、骨盤まわりの靭帯や筋肉はすぐに回復せず、伸びきったままの不安定な状態。骨盤が安定するのは産後半年たってからです。つまり、骨盤がまだゆるんでいる産後半年間は、骨盤のゆがみをリセットできるチャンスともいえます。体調&体形をベストコンディションに導くために、骨盤を正しい位置に整えましょう。また、骨盤底筋が損傷するほどダメージを受けた人は、元の状態に戻るまで半年近くかかることも。骨盤のゆがみを矯正するとともに、骨盤底筋のゆるみを回復させるケアもしましょう。

出産に向けて変化していく骨盤まわり。この変化の流れを理解することが、産前だけでなく産後の体調管理にもつながります!

(文/たまごクラブ編集部)

監修/理学療法士 山崎愛美先生
取材協力/よしかた産婦人科 副院長 善方裕美先生
参考文献:たまごクラブ5月号妊娠中&産後の「骨盤まわりのケア」特集より

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