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妊娠報告で初めてわかった関係性 ~夫婦のじかん大貫さんの「ママ芸人日記」#9

更新

2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるのコラム連載「ママ芸人日記」、第9回は「妊娠報告」のお話です。

妊娠報告で初めてわかった関係性 

妊娠すると、その報告をいつしたら良いのかすごく悩みました。
身内、職場、友人等々、安定期に入る前に報告した方が良い関係性の人、安定期に入ってからの方が良い人と、どの人にどの時期に報告したら良いのかいろんな意見が混在していて、一体何が正解なのかよくわからなくなりました。

また、友人知人でも、どのくらいの範囲の人に報告したら良いのかということもわかりませんでした。

私の周りにはいろんな人がいて、独身、既婚、子持ち、シングルマザー、それぞれ様々な環境の中で生活をしています。
そんな中で私の妊娠報告を聞き、もしかしたら嫌な思いをする人がいるのかもしれない…そう思うと、尚更悩みました。

悩みながらも、しないわけにもいかないのが妊娠報告。
私の場合、家族には、安定期に入る前の比較的早い時期に報告しました。

LINEで軽めに報告することに。
みんな絵文字やスタンプ満載で、非常に喜んでくれました。
嬉しくもあり、どこか恥ずかしさもあり、何とも言えない幸せな気持ちでした。

次に祖父母へ報告をしたのですが、LINEをしておらず、メールもあまり気付かないことが多いため、電話で報告することにしました。

「あ、もしもし。私だけども…えーっと、妊娠したんだよね~。」

家族のLINE同様、軽い感じで報告しました。すると電話口の祖母は、

「えっ!えっ!!ちょっと待って…!じいちゃん…!ミキエちゃん赤ちゃんできたって…!!」

と、そばにいた祖父へ興奮気味で報告し始めました。

その声は、嬉しさのあまり泣きだしそうな、映画やドラマでも聞いたことのない、本当にリアルな幸せいっぱいで感極まった声でした。
本当に嬉しいとき、人はこんな話し方になるのか、ドラマなんて所詮お芝居じゃないか、そう思ってしまうくらいの電話口の声。

何を成し遂げたわけでもなく、ただ幸運にも子どもを授かることができただけだと思っていた私は、そのことでこんなにも家族を喜ばせることができるなんて…と嬉しくなりました。
今まで何となく自己評価が低いまま生活をしていましたが、ここまで喜んでくれる家族がいることを体で実感でき、電話で祖父母へ報告できたことを本当に感謝しています。  

妊娠したものの、そこまで実感が湧いていなかった私でしたが、このときの電話をきっかけに、自分の中で何かが変わった気がしました。

その後、友人や親しくさせていただいている先輩方に報告をしたのですが、皆さん本当に自分のことのように喜んで下さり、感謝で胸がいっぱいになりました。
その人との付き合いが長いからこそわかる、その人その人の本当にリアルに喜んで下さる様子がわかり、もしかしたら報告なんてしない方がいいのではと自信がなくなっていた自分がバカみたいに思えたくらいです。

自分が思っていた何倍も、周りの方々は優しく愛に溢れた方々でした。

そんなことに気付かせてくれた息子に、改めて感謝しなければと、祖母に電話する度に思う毎日です。

夫婦のじかん大貫さんの「ママ芸人日記」 今までのお話はこちら

夫婦のじかん大貫さん プロフィール



よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。

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