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「母子感染」とは?おなかの中でママから赤ちゃんにうつる病気。妊婦は胎内感染に要注意

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ウェイティングの赤ちゃん
kieferpix/gettyimages

ママの病気が赤ちゃんにうつることを「母子感染」といいます。その中でもおなかの中で胎児に感染するのが「胎内感染」。ただし、適切な対応で赤ちゃんへの感染はかなり防げます。もしもに備えて、知っておきましょう。

関連:妊娠中は要注意!りんご病の胎児への影響と予防策は?

母子感染のリスクがある病気は、早めの対策が必要!

母子感染のリスクがある病気は、流産や早産など妊娠経過に影響を与える場合もあれば、赤ちゃんの発育・発達に影響を与える場合もあります。そのため、リスクの高い病気に関しては、妊婦健診でママ自身の感染や抗体を検査する産院が多いでしょう。
万が一、ママが感染しても、きちんと予防措置をとることで、赤ちゃんへのリスクは減らすことができます。

主な感染経路は「胎内感染」「分娩時感染」「母乳感染」

ママから赤ちゃんへの感染経路には、妊娠中に感染する「胎内感染」、分娩時に感染する「分娩時感染」、産後に母乳を与えることで感染する「母乳感染」があります。
胎内感染のリスクがある病気は、妊娠初期の妊婦健診で感染や抗体を検査する産院が多いでしょう。一方、分娩時感染のリスクがある病気に関しては、出産までに検査をすることがあります。
ただし、検査を行うかどうかは産院によって異なるので、気になる症状がある場合は早めに相談しましょう。

【妊娠初期に受けることが多い検査】
・風疹(ふうしん)
・B型肝炎
・C型肝炎
・エイズ(HIV)
・梅毒
・成人T細胞白血病
・トキソプラズマ

【出産までに受けることがある検査】
妊娠30週までに検査する
・クラミジア
妊娠35~37週に検査する
・B群溶血性連鎖球菌(ビーぐんようけつせいれんさきゅうきん=GBS)

母子感染の最大の予防は、ママが感染しないこと

母子感染を防ぐには、なんといってもママ自身が感染しないことが大切です。ママが感染症にかかるときの経路は、主に3つ。空気中に漂っている病原菌からうつる「空気感染」、感染者の唾液(だえき)の飛沫(ひまつ)からうつる「飛沫感染」、感染者やその体液と接触することでうつる「接触感染」です。「接触感染」にはセックスによる感染も含まれます。
感染経路は病気によって異なりますが、予防の基本は、手洗い&うがい。セックスはコンドームの着用がおすすめです。

妊娠中に感染する「胎内感染」のしくみと予防法

妊娠中に、ママの病気が胎盤や羊水(ようすい)を介して赤ちゃんに感染することを「胎内感染」といいます。
胎内感染で比較的多いのが、胎盤を介しての感染です。ママの血液中の病原体が胎盤に感染し、そこから臍帯血(さいたいけつ)を介して赤ちゃんに感染するというものです。
一方、性器ヘルペスなどは、子宮頸部(けいぶ)や腟(ちつ)にいる病原菌が、羊水などに進入して赤ちゃんに感染します。

胎内感染のリスクがある主な病気と予防策

胎内感染のリスクがある病気は、少しでも早く気づいて対処することが重要です。たとえば梅毒は、妊娠早期に治療することで、赤ちゃんへの影響はほぼなくなります。また、ママが風疹(ふうしん)や麻疹(ましん)などの抗体がない・少ない場合は、ママだけでなく、パパや同居の家族みんなで、感染予防をすることが重要です。
胎内感染のリスクがある主な病気別に解説します。

風疹(ふうしん)

妊娠20週までにママが初感染すると、生まれた赤ちゃんが心疾患や白内障など先天性風疹症候群を発症することも。現在、日本の成人男性の約2割が風疹抗体を持っていないとされています。

〈予防策〉
風疹の抗体価が16以下のママは、人込みを避けるなど、十分警戒を。同居の家族には予防接種を受けてもらうのが安心。妊婦の同居者の抗体価検査や予防接種を助成している自治体もあります。

麻疹(ましん=はしか)

妊娠中に感染すると重症化しやすく、流産や死産、早産のリスクが高くなります。

〈予防策〉
麻疹は同じ空間にいるだけでうつるほど、強い感染力があります。ママに免疫がない場合は、人込みを避け、十分に注意して。家族には予防接種をしっかり受けてもらいましょう。

サイトメガロウイルス

ありふれたウイルスで、成人女性の約7割が感染し、免疫を持っています。しかし、妊娠中に初感染した場合や、すでに感染していて免疫がひどく低下した場合、赤ちゃんに感染することも。感染した赤ちゃんは、まれに小頭症などの症状が出ることもあります。

〈予防策〉
すでにウイルスに感染している子どもの尿や唾液(だえき)を介して、ママが感染することも。保育所勤務や上の子がいるママは、子どもの尿や唾液が付着したら、石けんを使ってしっかり手を洗いましょう。
万が一、生まれた赤ちゃんに感染が疑われる症状がある場合は、生後3週間までに尿検査をして感染の有無を調べます。

トキソプラズマ症

感染源となるのは、生肉や土、猫のふんなどにいるトキソプラズマ。ママが妊娠中に初感染すると、胎盤を介して胎児に感染し、水頭症などの先天的症状を引き起こすことがあります。

〈予防策〉
生肉(生ハムやサラミも含む)、非加熱製法のチーズ(カマンベールチーズ、ブルーチーズなど)は、食べるのを避けましょう。また、土いじりのあとには、しっかり手洗いを。猫トイレの掃除はゴム手袋をはめるなど用心して。

梅毒

性感染症の1つで、キスでもうつることがあるほど強い感染力。妊娠中期以降に胎内感染すると、赤ちゃんの骨などに異常が生じる心配がありますが、胎盤が完成する前に治療すれば問題ありません。

〈予防策〉
梅毒は症状の程度がさまざまで感染に気づきにくい病気です。だからこそ、抗体検査で感染の有無を知ることが重要。妊娠早期に気づいて治療すれば、赤ちゃんへの影響はほぼありません。

関連:妊娠時期別 胎動の変化と赤ちゃんの成長、こんなときおなかの中で何してる?

母子感染を予防するために、妊娠中はいつも以上に感染症予防を心がけて。体調に不安がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
(文・栗本和佳子、たまごクラブ編集部)

■監修 藤井知行 先生(東京大学大学院 医学系研究科 産婦人科学 教授)
■参考 たまごクラブ2019年7月号特集「母子感染って何ですか?」

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