赤ちゃんに最高の名前をつけるために、押さえておきたいポイント!
名前は、親から赤ちゃんへの初めてのプレゼント。マママとパパの思いを込めた名前であることが一番。ですが、実はおさえておきたいポイントがあります。
ここでは、名づけに関しての注意点や素朴な疑問などを紹介。最高の名前をつけるための第一歩、名づけの基本を、たまひよ しあわせ名前研究所 顧問の栗原里央子先生に聞きました。
法律で定められている3つのルール
出生届を提出すると、その名前は戸籍に記されます。一度戸籍に記された名前を変えるのは非常に困難!
書類提出前に、後悔することがないか、必ず繰り返し確認して名前の決定は慎重に。法律で定められている、基本のルールをチェックしましょう。
名前に使える文字は決まっています!
名前に使える文字は法律で定められていて、名づけのルールのなかでも最重要。普段よく使われている漢字でも、名前に使うことができないものもあるので注意が必要です。
名前に使える文字として、常用漢字、ひらがな・カタカナ、漢数字があります。ほかにも、常用漢字ではないですが、葵、亮、叶、凪など名前に使うことが認められている人名用漢字もOK。「ヨーコ」「ジョージ」などのように、伸ばす音を表記するときに使う長音符号(ー)、「奈々」「みすゞ」などのような繰り返し記号(々、ゝ、ゞ)も名前に使用できます。
一方、名前に使えない文字として、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲなどのローマ数字や、1、2、3といった算用数字があります。国際的な子になってほしいという願いや、国際結婚だからといってもアルファベットの使用は名前には不可。大文字、小文字ともに使うことができません。また、人名用漢字、常用漢字以外の漢字は名前に使うことができないので、選んだ漢字が使えるかどうか必ずチェック!
漢字の読み方は自由。でも、読みづらい名前は避けたほうがベター
名前の読み方についての決まりはなく、どのように読んでも法律上問題はありません。音読み、訓読みのほかに、名前だけに使われる読み方、“名のり"も可能です。たとえば「朝」という漢字の音読みは「チョウ」、訓読みは「あさ」ですが、名のりの読み方としては「あした」「とも」「はじめ」などがあります。
また、音読み、訓読み、名のり以外の読み方で漢字を読む、“あて字"もOK。「颯」という漢字に「はやて」という読み方はありませんが、あて字として読ませることができます。ほかにもいろいろな漢字に、メジャーなあて字があります。でも、名のり、あて字ともに、あまりに奇抜な読み方は避けるようにしましょう。
名前の長さは自由。でも、将来、子どもが困る可能性も…
読み方と同様、名前の長さにも法律上の決まりはなし、ただし、あまりに名前が長すぎると、読むのも書くのも呼ぶのも大変になってしまいます。
国際結婚以外にあまりおすすめできません。姓とのバランスも考えてほどほどの長さにして。
まだまだある! 名づけの注意点
法律で決まってはいないけれど、名づけにはさまざまな注意点があります。自由な発想で赤ちゃんに最高の名前をつけてあげたいものですが、赤ちゃんが将来親しんでくれる名前になるよう、チェックポイントを押さえておきましょう。
姓と名のバランスを考えよう
赤ちゃんの名前は「名」だけで考えてしまいがち。けれど、姓とのバランスはとても大切なポイント。バランスを考えるときは姓の字数と画数を見ましょう。たとえば、「佐々木」「長谷川」といった3字姓には、2字名がフィットすると考えられる傾向があるようです。3文字の漢字の名前にした場合、漢字が6つ並ぶので、へんやつくりのバランスをより深く考える必要がありそう。また、画数が多い漢字が並んだ場合、見た目が黒っぽい姓名の印象に。
ほかにも、同じ部首の漢字が続く名前には、見た目のバランスに賛否両論が。たとえば「池沼涼汰(いけぬまりょうた)」の場合、さんずいが続くことに「そろっていて◎」と感じる人もいれば、違和感を覚える人もいます。さらに、横書きでは気づきにくいですが、縦書きにしたときに左右がバラバラな印象を与えることが。これを、姓名を構成している文字が左右に割れてしまう“縦割れ"といいます。「池沼亮多」のように、特徴が違う漢字をうまく混在させたり、名前に左右をつなぐ線のある漢字を使ったりすると、落ち着きが出ます。
実際に声に出して、響きを確認
赤ちゃんの名前を考えるときは、実際にフルネームを読み上げることも大切。同じ音や母音を繰り返す姓名は発音しにくく、名前の音感も悪いことがあります。発音しづらい名前は、聞き取りにくいという面もあるので、ぜひチェックを。
また、「ざ」「じ」などといった濁音が姓名のなかに多くあると、音の響きが悪く、重たい印象になりがち。「馬場(ばば)」「小田島(おだじま)」など、姓に濁音があるときは、名前に濁音が多すぎないように考えるといいでしょう。
フリガナがないと読めない名前はなるべく避けて
フリガナがないと読めない名前は、将来子どもが苦労することも。漢字には音読みや訓読み以外に名前だけに用いられる名のり、あて字もあります。ただあて字は読みにくいものは避けたほうが無難。漢字の読みは音訓を主体に考えてみましょう。
お気に入りの名前が見つかる、名づけのアプローチ法4
名づけの基本ルールや注意点がわかったら、実際に名前の候補を考えてみましょう。「何から考えていけばいいのかわからない…」。
そんな人のために、お気に入りの名前が見つかる、“音”“画数”“漢字”“イメージ”から選ぶ4つの方法を紹介します。
“音”から選ぶ名づけ
読みや愛称を重視する人向け。音の持つイメージは、その人の印象や性格にも影響するといわれています。
名づけを考えるときに、漢字(字形)よりも先に音が決まっているという人はもちろん、なんとなく「こんな呼び名(音)がいいな」とおぼろげな候補がある人も多いと思います。思いついた名や愛称があったら、まずは、声に出してみましょう。その際、発声する音量によって印象も変わってきますから、大きな声で呼んだり、小さな声で呼んだり、変化をつけてみるとよいでしょう。
また、名前だけでなく姓から通して呼んだときの印象はどうか、その名前をつけたとき将来どんな愛称で呼ばれるようになるかを考えておくのも大切です。
次に、音が決まったら、その音に合う漢字(字形)を選びましょう。選んだ字の印象が呼び名に合っているかどうかをチェックすることも忘れずに。
音から字を選ぶときは、字を区切る場所をいろいろ変えてみるのもおすすめです。たとえば、「なつみ」ならば漢字を「な・つみ」と当てるのか、「なつ・み」とするのか、また「な・つ・み」と1音に1字を当てるのかでも違ってきます。バランスや意味も考えて音にふさわしい字を探しましょう。
“画数”から選ぶ名づけ
名前の文字の画数が運勢に影響するという考え方の「姓名判断」。どうせなら運のいい画数の名前をつけたいというのは親心。名づけのときに気にするママ、パパも多いようです。
画数にこだわる名づけの第一段階は、姓名を構成するそれぞれの漢字の画数を出すことです。ただ、画数の考え方は、流派や流儀、辞書によって違いますから、どの流派・流儀でも吉運になるように名づけるのは不可能に近いでしょう。
混乱を避けるためにも、いろいろな本を見るより、1つに絞っておくことをおすすめします。
ちなみに、名前に使えるのは常用漢字と人名用漢字のみですが、姓には制限がないので、表外漢字が使われていることもあります。
画数を間違えて数えてしまったら、姓名判断の結果は違うものに。最近では携帯電話の辞書機能を使って漢字を選ぶ人もいるようですが、機械に表示されている文字は画面の都合で省略化されていて正しい表記とは異なることも。漢字の表記は必ず辞書などの資料で調べるようにして。
まずはあなたの姓と相性のよい名前の画数の組み合わせを調べます。そのなかで見つけた画数の組み合わせから名前を考えましょう。もし、そこからベストな名前が見つからなかったら、1文字ずつの画数から漢字を調べてみて。
“漢字”から選ぶ名づけ
使いたい漢字が決まっている人におすすめ。まずは、好きな漢字を書き出してみましょう。「ママやパパの名前の1字を使いたい」「生まれる季節にちなんだ漢字を」「願いを込めたい」など、思いついたものを書き出してみて。
使いたい漢字の意味を漢和辞典で調べてみましょう。たとえば「すぐれいてる、ぬきんでる」などのいい意味のある漢字が、漢和辞典では「はずれる、わがまま」などのマイナスの意味がある場合も。辞典によって載っている意味は異なりますが、悔いのない範囲で調べてみて。メインとなる漢字が決まったら、同様に組み合わせる漢字を選びましょう。
名前が決まったら姓と名前を書いてみて。漢字の意味や願いにこだわりすぎて、不本意な名前になってないか、バランスが悪くないかをチェック。
イメージから選ぶ名づけ
こんな雰囲気の名前にしたい、こんな子に育ってほしい…。そんなイメージや願いから名前を考えたい人におすすめ。
子どもに託したい願いは人それぞれです。まずは好きなこと、子どもに願うことを素直な気持ちでイメージし、次々連想していきましょう。そしていくつかのイメージが固まったら、音の響きや漢字の意味から字を組み合わせていきます。
たとえば「おおらかな子に」の願いを込めて、「大」や「悠」を使った名前にするなど、漢字の持つ意味やイメージから考えてみましょう。ほかにも、季節にちなんだ名前、ママやパパが好きなものなど、いろいろな角度からイメージをふくらませてみて。
漢字選びは、1つのイメージに絞らず、複数から組み合わせてもOK。お気に入りのイメージから考えれば、すてきな名前が見つかるはず。
もっと知りたい名づけポイントQ&A
ママとパパは「赤ちゃんにいい名前をつけてあげたい!」と思うもの。名づけのルールや気をつけたいことはわかったけれど、まだまだ知りたいことはいっぱい。
「画数はどこまで大事?」「女の子は結婚して姓が変わったらどうなるの?」などなど初めて名づけをする新米ママ、パパが悩みがちな疑問をまとめてみました。
よい画数でないと子どもの人生は運が悪くなるの?
答えは、ノー。人の運勢は画数だけでは決まりません。
名づけのときによい画数をと考える人は多いようですが、人の運勢や運命は、名前の画数だけで決まるわけではありません。運命は「生年月日」「環境・経験」「遺伝」「開運法」の4要素が左右するといわれ、姓名判断は「開運法」に含まれていて、影響力はそれほど大きくないそう。こだわりすぎなくても大丈夫。
旧字体の姓は、何画と数えるのが正しいの?
日常生活で表記している字体で数えましょう。
たとえば「深澤」の場合、戸籍上が「澤」であれば、その画数を数えるのが基本。ですが、普段の生活で「深沢」と表記しているのならば「沢」で画数を数えたほうが実際的でしょう。また、くさかんむりなどは流派によって数え方が異なります。
女の子は結婚して姓が変わることを考えたほうがいい?
先のことまで考えず、今の姓で考えてもOK。
将来、夫婦別姓が認められるかもしれませんし、仕事上は結婚後も旧姓を名乗っている女性もいます。結婚後に姓が変わることを考え始めたらきりがありません。基本的には今の姓で考えれば問題ないでしょう。
名づけには、いくつかの法律やルールなど、知っておきたいことがあります。基本ルールを知ることは、赤ちゃんに最高の名前をつけるための第一歩!
どんなふうに考え、進めていけばいいのかをチェックして、ママとパパの思いを込めた、すてきな名前を考えてくださいね。
(文/たまごクラブ編集部)
●監修者
栗原里央子先生(たまひよ しあわせ名前研究所 顧問)
●出典
『いつでもどこでもHAPPY名づけガイドBOOK』
『たまひよ赤ちゃんのしあわせ名前事典2019~2020年版』