授乳後のげっぷ、トントンする位置は?授乳が5分なのは短すぎ?
「急に母乳を飲まなくなっちゃった」「ミルクを飲みすぎて心配……」「げっぷって出さなきゃいけないの?」など、乳幼児を育てるママ・パパが日ごろ抱えているおっぱい・ミルクのお悩み。
2019年10月に開催された、たまひよのオンラインサロン会員限定イベントにて、あつまった0才のお子さんをもつママたちからのお悩みに助産師の濵脇文子先生が回答してくれました!
お悩み:頻回授乳が大変。どうすれば回数が減りますか?
授乳の回数が多くて、体力がもちません。今はまだ新生児で、特に日中はよく吸いたがります。でも、いざ授乳をしようとすると顔をそむけてしまい、「本当に欲しいの?」と思うことも。回数を減らすには、どうすればいいですか?
回答:まずは、授乳の時間をだいたい10分くらいに。
一般的に、赤ちゃんは成長とともに胃が大きくなり、一度の授乳で飲める量が増えて授乳の回数が減ると言われています。しかし、胃の大きさは人それぞれ。何度も授乳が必要な場合は、1回の授乳を10分程度にしてみてください。それでも足りないようなら、もう一度10分。2ヶ月になる頃には一回でしっかり飲めるようになると思いますよ。
また、新生児の頃は、吸啜反射という原始的な反射があり(例えば、おっぱい以外のものでも口に入れると吸いますよね)、反射的に何かを吸いたがっている可能性もあります。少しずつ周囲の物にも興味を持つようになるので、手遊びをしたり、体を動かしたりさせて、他のことに意識をそらせるのも一つの手です。
お悩み:たった数分で授乳が終わるのは、短すぎますか?
今までは片方のおっぱい10分ほど飲み続けていたのですが、最近、すぐに飲むのをやめてしまうようになりました。5分くらいでも本人は満足そうな顔をしていますが、今までと比べると、足りていないのではないかと心配です。
回答:短時間で飲みきる子もいます。1〜2週間後に体重の確認を。
しっかり母乳が出ている場合は、たとえ短時間の授乳でも、赤ちゃんは必要な量を十分に吸っています。おっぱいは哺乳瓶と違ってどれくらい減ったのか見えないので不安になるかもしれませんが、1〜2週間ほど間をあけて、長い目で体重の増え具合を確認してみてください。
また、片方のおっぱいを飲んでばかりでもう片方を本気で吸わなかったり、遊び飲みをしたりするときは、赤ちゃんの気がそれたタイミングで反対側に変えるのがおすすめです。
お悩み:うまくげっぷができず、吐き戻しが多いのですが……。
授乳のあと、背中をさすってもげっぷが出ず、吐き戻してしまいます。うまく吐けないと、赤ちゃんの鼻や目から母乳が出てきてしまうこともあり、不安が尽きません。どうすればげっぷができるようになりますか?
回答:手を丸めて、背中側からトントンと優しくたたいてください。
授乳前に激しく泣いたせいで空気をたくさん飲んでしまい、授乳後に吐いてしまっている可能性があります。自分の首と肩の間に赤ちゃんの胃のあたりを乗せ、軽く圧迫しながら、背中側から胃の裏側(背中側)をトントンと優しくたたきましょう。今まで私が見てきたママたちは、下のほうをたたいていると感じることが多いです。赤ちゃんの胃の位置は、ママたちが思っているよりも、ちょっと上かも。いつもよりも上の位置を意識してみるといいかもしれません。
また、手のひらに空気のクッションを作るイメージで、少し手を丸めた状態でトントンすると、赤ちゃんも安心しますよ。
ただし、赤ちゃんによってはげっぷの代わりにおならで体内の空気を出している子もいます。毎回必ずげっぷを出さないといけないわけではないので、「無理に出させなくても大丈夫」ということを頭の片隅に入れておいてくださいね。
お悩み:母乳を飲ませようとしても嫌がるけれど、おっぱいを離すと泣いてしまいます。
授乳を始めて4〜5分すると、ぷいっとそっぽを向いて飲むのをやめてしまいます。でも、「もういらないのかな?」と思っておっぱいを離すと30分ほどでまた泣き出し、再び授乳をすることに……。うまく飲めていないのでしょうか?授乳の仕方が悪いのでしょうか?
回答:赤ちゃんとおへそを合わせるイメージで授乳してみて。
授乳には2つのポイントがあります。1つ目はポジショニング(体位)、2つ目はラッチオン(赤ちゃんをおっぱいに吸い付かせる過程)です。
授乳中、赤ちゃんと自分の体は密着していますか?赤ちゃんは乳首だけを吸っているわけではなく、舌を丸めて乳輪を乗せ、口をぐっと押し当てておっぱいを吸い込んでいます。そのため、2人の体の間に距離があるとうまく吸えないのです。次回から、自分と赤ちゃんのおへそを合わせるイメージで授乳をしてみましょう。
お悩み:哺乳瓶の乳首を嫌がり、ミルクを飲んでくれません。
ある日突然、哺乳瓶を嫌がるようになりました。母乳を入れても、ミルクを入れても飲んでくれません。今後はおっぱいから飲ませるしかないのでしょうか?
回答:哺乳瓶の乳首が合っていないかも。素材や穴の大きさ、固さの変更を。
哺乳瓶にはいろいろな形の乳首があります。赤ちゃんにも好みがあるため、形によってはうまく吸い付けなかったり、ゴム製だと匂いや質感を嫌がったりするようです。なかには哺乳瓶の消毒薬が苦手な子も。熱湯消毒を試してみるのもいいでしょう。
逆に、あっという間にミルクを飲んでしまって心配な場合は、乳首の穴に注目してみてください。4〜5分で一気にミルクを飲んでしまうのであれば、赤ちゃんにとって穴が大きすぎたり、柔らかすぎたりする可能性があります。しっかりあごを使って飲めるように、固めの乳首や穴が小さい乳首を使って調整してみてくださいね。
(文/華井由利奈・たまひよONLINE編集部)
■「たまひよのオンラインサロン」イベントプログラム
「おっぱい・ミルクのお悩み相談会」より濵脇先生の回答を抜粋
【濵脇文子先生プロフィール】
株式会社マイユティックス代表取締役。助産師・保健師・看護師
星薬科大学非常勤講師。赤ちゃん先生の会主宰。
妊娠前から育児まで、一人ひとりのペースに合わせ、心身ともにトータルにサポートを行う。
産前産後ケアセンター立ち上げや、企業との事業開発等にも従事。助産師学校や大学で、専門職の育成にも携わる。母子保健の研究活動では、国内外の学会等で発表を行い、講演・各種メディアへの執筆も多数。
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