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自然分娩で産みたかった…帝王切開に傷つく心を救ったのは

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10歳の男の子と3歳の女の子の2児の母で、フリーランスWebライターをしている小吉です。37歳にして初めて授かった、新しい命を産む舞台はどこにしようか、考えに考えて助産院と決めました。ところが、第1子は赤ちゃんの心拍と私の血圧の問題から病院での緊急帝王切開となり、第2子は43歳のときに予定帝王切開で出産。自然分娩にこだわっていた私は、そうできなかった自分が欠陥品なのではないかと感じてしまった時期があり、特に1人目のときには、帝王切開で出産したことを家族以外誰にも話さないようにしていました。

予期せぬ帝王切開で心も傷ついたまま慌ただしく育児

近年、妊婦の約5人に1人が帝王切開で出産と言われているという話を私は聞き、その中には、私のように自然分娩を希望していながら何らかの理由でそうならなかったため、帝王切開になったという人も多くいるのかもしれないと思っています。

無事に出産できたことを喜び、気持ちを切り替えられた人もいるのかもしれませんが、私の場合はかなり引きずってしまいました。正直にいうと、今でもまだ帝王切開の話をするときには、人を選んで話している自分がいます。

私の場合、自然分娩の希望が叶わず、出産後は体だけでなく心も傷ついていたのに、目の前にいる赤ちゃんは生まれ落ちた瞬間から容赦なく母となった私を求めてきました。授乳におむつ替え、ちょっと寝たかと思うと泣いて呼ばれて…、その繰り返しの怒涛の日々を送る中で、自分のケアは常に後回しとなっていました。

オープンに出産話ができない私…そして感じる寂しさ

退院すると親戚や友人知人から「おめでとう!」というお祝いの言葉をいただきました。赤ちゃんを見に来てくれたり、見せに行ったりすると、ほとんどの人が赤ちゃんの愛らしさに目を奪われるのですが、世間話の一環として「出産が大変だったか」と聞かれることもありました。

そんなとき、私はいつも帝王切開で出産したことを隠していました。帝王切開だと気づかれないようにするために、言葉や表現を選んでみたり、さりげなく話題を変えてみたり、トイレに行くと席を立ってみたりなど、思い返してみれば色々な手段を用意していたと思います。

帝王切開について心無いことを言う人がいることも聞いていたので、敏感になっていたのもあるかもしれません。赤ちゃんのことは本当に愛おしいけれど、心身ともに疲れている自分がこれ以上傷つかないように、必死になって自分の身を守っていました。思いもよらぬ帝王切開で、心の底から出産話を楽しめない自分がいることも寂しい気持ちに拍車をかけていたと思います。

別世界で輝いているように見えた自然分娩ママたち

育児に追われているとあっという間に1日が過ぎていきますが、その積み重ねで赤ちゃんだった我が子も、首すわりから、寝返り、お座り、ハイハイと、どんどん成長していきました。

子どもの行動範囲が広がると、それに伴って、私も子育て支援センターや児童館に遊びに行くようになり、ママ同士の交流会などにも参加するようになっていきました。そこで必ずといっていいほど話題に上がるのが、出産話でした。

「いきんでもなかなか出てこなかった」、「産むのに何時間かかった」、「大変だった」、「思ったより楽だった」などと、大いに盛り上がって楽しそうに話すその姿は、私にはとてもまぶしく映りました。そして、自分にはその経験がないことから、いつも相づちを打つ程度でお茶を濁し、積極的に会話の輪に入れない自分がいました。

何気ないひと言にも傷つく自分がいた

やがて子どもが1歳を越え、保育園の無料開放日に遊びに行き始め、そこの職員さんに顔を覚えてもらうようにもなりました。子育てママがたくさん集まる場所ですから、自然と出産の話になることもありました。

そんなある日、職員さんの会話が聞こえてきました。「〇〇さん、帝王切開だって」、「下から産めなかったのかなぁ」、「産道を通ってきてない子は体の強さが違うよね」

もちろん私のことを言っているのではありません。私は子どもを帝王切開で産んだことを伝えていませんでしたし、あちらにとっては顔見知りの親子ばかりで、まさかその中に該当する人がいるとは思ってもみなかったのでしょう。

自分のことを言われているのではないとわかっていても、私には深く突き刺さる言葉でした。自然分娩で産めなかったことに自責の念を抱いている私、そして図らずも帝王切開となったママたちのことを考えると、思いが込み上げてきて涙がにじみ、自分は決してうかつにそのような発言をするまいと固く心に誓いました。

思い切って打ち明けたママ友から返ってきた言葉は…

ある時、黙っていては何も伝わらないのではないかという思いが募り、信頼の置けるママ友に思い切って帝王切開で子どもを出産したことを話してみました。

すると、返ってきたのは「大変だったね」という優しい労いの言葉。

その瞬間に涙が溢れ出し、分かってもらうということはこんなにも嬉しいことなのかと感じました。それからは、人を選んで話をするようになりました。

帝王切開の経験をフルオープンにすることは、私にはまだ難しいですが、ごく一部でも自分のことを理解してくれる人がいるというだけで、息苦しさが半減したような気がしたことを覚えています。

緊急帝王切開により体重2630g、身長49.0cmの第一子が無事に生まれてきてくれたことには感謝していますが、つい自然分娩できなかったことを気にしてしまう自分もいます。でも、そんな気持ちを分かってくれる人もいます。傷つけられてしまうかもしれないリスクを恐れて、共感してもらえる可能性も捨てていたあのときの自分に「ほんのちょっとの勇気を出せば、分かってくれる人に出会えるよ」と伝えてあげたいです。

■その他のママライター体験談はこちら

[小吉*プロフィール]
一男一女の母で、フリーランスWebライター。上の子(10歳男児)の傍若無人さやこらえ症のなさに振り回されるも、それを下の子(3歳女児)の愛らしさや無邪気さで埋め合わせ、なんだかんだ言いつつ育児を楽しむ日々を送っている。

■関連:痛みのない出産は出産じゃない? 「帝王切開」への大きな誤解

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。

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