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いざ、水天宮へ。イケメン部長とともに【小説「ご懐妊!!」Vol.20】

『ご懐妊!!』Vol.20
スターツ出版文庫の大人気小説『ご懐妊!!』が、たまひよWEBにて連載中。「たまごクラブ」でもおなじみの産科医・大浦訓章先生のひと言解説もお見逃しなく。

●これまでのあらすじ
広告代理店で仕事に打ち込む佐波。悩みといえば、上司のイケメン鬼部長・一色が苦手なことくらい。それなのに、お酒の勢いで彼と一夜を共にしてしまい、後日、妊娠が判明!不安と途惑いの中、部長に「赤ちゃんがいます」と告げたところ、部長の答えは「結婚」。途惑いながらもふたり暮らしを始め、実家にも挨拶をし…


五ヵ月

妊娠五ヵ月(十六~十九週目)
胎児(十九週末)…十五センチメートル、二百四十グラム
子宮の大きさ…成人の頭大

 五ヵ月に入って、最初の休日。帯祝いのため、私は部長と水天宮(すいてんぐう)神社に来ていた。
 この時期から、戌(いぬ)の日にご祈祷(きとう)してもらった腹帯をつけてお腹をガードするのが、日本古来のしきたりらしい。これが帯祝い。
 ちなみに今日ご祈祷してもらったサラシタイプの腹帯とは別に、普段使いの面ファスナータイプのものは、すでに部長が購入済みだ。
「うめは……じゃなかった。佐波、危ないぞ」
 帰り道、石段でつまずきそうになる私の腕を、部長ががしっと掴んだ。
 彼は今、私を名前で呼ぶ練習中だ。
 一月の末に私たちは入籍し、戸籍上、私は一色佐波になったわけ。会社では当面、梅原のままでいく予定だ。部長は律儀に呼び方を変えているんだけど、まだ慣れないみたい。
 私も『ひとえさん』とか『ゼンさん』って呼ぶべきなんだけど、つい『部長』って呼んじゃう。
 まあ、結婚しても上司であることに変わりはないし、急ぐことはないのかなぁ。
 お参りも終わったので、お昼にとデパートのレストランフロアへ向かう。
 今日のお昼ごはんは回転寿司!
 妊娠五ヵ月目に入り、最高に嬉しいこと。それは、ごはんが食べられるようになったことだ。
 つわりはほぼなくなり、肉も魚も野菜も、なんでも平気! 中でもハッピーなのは、白米やパンをおいしく思えるようになったことだ。
 ずーっと、ジャガイモ以外の炭水化物が摂れなかった、あの日々ってなに?
 ああ、お寿司、幸せ~!!
「部長~、生マグロですよ~」
「食え食え」
「塩水ウニだって~。でも一貫で六百円です~」
「ケチらず、食いたいもんを食え! 腹の子の栄養にしろ!」
 はい! では、お言葉に甘えまして!
 お寿司をパクパク食べながら、部長と話すのは結婚式のこと。マタニティウェディングだし、もう五ヵ月で時間もない。
 今考えているのは、身内だけの挙式と会社の人だけを招いた披露パーティー。
 私も部長もあまりこだわりがないので、ホテルのプランナーさんにほぼお任せしている。それでも決めることは山ほどあるんだけどね。
「次の水曜日の打ち合わせ、俺は荒木(あらき)不動産の接待飲みで行けない。すまんな」
「あー、大丈夫です。ドレスとか、会場のお花の話とかがメインみたいなんで、私だけで足りますよ。手配り分の招待状が月曜日には家に届くって、プランナーさんから連絡がありました」
 私が手帳を取り出して、近々の予定を読み上げると、部長はオフィスで見るような真顔で頷いた。
「了解。式とパーティーは日を分けるって、社長には話してないよな」
「私からはまだです。社長はどちらも参加ですもんね」
「俺から言っておく。招待状配りは来週中に手分けしてやろう」
「わかりました」
 こうして事務的な話をしていると、仕事感が抜けない……。結婚式の相談をしているのに、ちっとも夫婦の会話っぽくないよ。
 部長はお寿司を食べ終わり、お茶をすすりながら言う。
「来週の金曜日は、午前半休を取ったからな」
「金曜日?」
「五ヵ月健診だろうが! おまえが忘れてどうする、アホ妊婦!」
「あぁ~、そういえば……」
 お腹の赤ちゃんと会える貴重な機会を、忘れていました……。
「ごめん、ポンちゃん。忘れてたよ」
「ポンちゃん?」
 私がお腹をさすって言うと、部長が変な顔で聞き返してきた。
「お腹の赤ちゃんのニックネームです。”赤ちゃん”じゃ、なんか他人行儀じゃないですか?」
「……ネーミングセンスがひどすぎる! 俺の子があわれだ! 改名を要求する!」
 改名を要求って、そんなに悪いセンスじゃないと思うんだけど。
「じゃあ、なにか考えてくださいよっ!」
「待ってろ、我が子よ。今、流麗な名をつけてやる!」
「流麗じゃなくていいですよ! どうせ、お腹にいる間だけなんだから」
 こんなやり取りは、ちょっと夫婦っぽいかもしれない。
 結局、部長は考えすぎてニックネームを思いつかず、”ポンちゃん”が正式に採用となった。
 可愛くていいじゃんねぇ、ポンちゃん。
 まだ動きもしない、いるのかわからないポンちゃんは、たぶん十センチくらいの大きさになっているはず。

つづく
【小説「ご懐妊!!】次回をお楽しみに


大浦先生アドバイス

マグロなど大きな魚には水銀が蓄積しています。大人には影響のない程度ですが、おなかの赤ちゃんは排泄ができないため水銀が蓄積され、一定量以上になると胎児の中枢神経に影響が出る可能性が指摘されています。キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロは1週間に80g(およそ一切れ)。キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)は1週間に2切れを目安にしてください。

著者/砂川雨路  イラスト/くにみつ 監修/大浦訓章先生

この小説はスターツ出版文庫から刊行されている『ご懐妊!!』より掲載しています。たまひよWEB版は産婦人科医大浦訓章先生の監修のもと一部改訂しております。


砂川雨路
Profile
群馬県出身。東京都在住。著書に、『愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~』『クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした』(ベリーズ文庫)、『僕らの空は群青色』(スターツ出版文庫)などがある。現在、小説サイト「Berry's Cafe」「ノベマ!」にて執筆活動中。『ご懐妊!!』(スターツ出版文庫)は現在3巻まで発売中。テキストリンクなどもはれる。

大浦 訓章先生
Profile 
南流山レディスクリニック院長 慈恵医大卒。産婦人科准教授、同大付属病院総合母子健康センター産科部門長、東京母性衛生学会理事、日本周産期新生児学会評議員・副幹事長、日本周産期新生児学会新生児蘇生法委員などを歴任。「たまごクラブ」でも監修をつとめる。

南流山レディスクリニック

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