出産予定日が近い妊婦必読!予定日過ぎたら起きうるトラブルとは【産科医】
出産は予定日通りに始まるとは限りません。予定日を過ぎると健診が頻繁になりますが、欠かさず受けて、体を動かす生活で、お産の始まりを待ちましょう。産科医の杉本充弘先生に詳しくお聞きしました。
妊娠37週~41週は、いつ生まれてもいい正期産
妊娠37週0日から41週6日の「正期産」は、赤ちゃんの準備が整って、生まれるのに適した時期です。42週0日からは「過期産」となり、胎盤機能の低下や、羊水の減少などが心配されます。
妊娠37週以降は、お産の始まりに注意
妊娠37週以降であれば、予定日より早く生まれても、赤ちゃんは外の世界で十分に生きていけます。この時期、健診は基本的に週1回になります。お産の予兆や始まりに注意しましょう。
出産予定日を過ぎると健診が頻繁に
妊娠10カ月、臨月に入ると1週間に1回の健診になりますが、妊娠40週を過ぎると健診の回数はさらに頻繁になり、胎盤の機能や赤ちゃんの元気度をこまめにチェックします。万が一、赤ちゃんに異常が見られた場合は、帝王切開分娩になることもあります。
妊娠40週~41週の妊婦さん
妊娠40週0日が出産予定日ですが、予定日はあくまで予定。過ぎてもあせる必要はありません。家事などで適度に体を動かし、自然な陣痛を呼ぶ生活を心がけて、お産の始まりを待ちましょう。健診はさらに頻繁になります。
妊娠41週以降の妊婦さん
妊娠42週になると胎盤機能の低下などの心配が。41週に入ってもお産の兆候が表れない場合は、入院して経過をみたり、お産を誘発したりすることが多いでしょう。妊娠42週以降の過期産では、帝王切開分娩になるケースも多くあります。
過期産で心配されるトラブルとは?
妊娠42週ごろからは、胎盤機能の低下や羊水の減少などによって、赤ちゃんの健康に影響が出るリスクが高くなります。そのため、妊娠41週に入ったら、赤ちゃんの異常があるなしにかかわらず、入院して経過をみることも。また、陣痛を誘発したり、人工的に子宮口を開いたりして、お産にすることが多いでしょう。陣痛誘発や分娩誘発をしてもお産が進まない状態が続くと、帝王切開分娩になることもあります。
羊水過少で心配なトラブル
予定日を過ぎると羊水は減っていきます。そうなると、へその緒が圧迫されて赤ちゃんに十分な酸素と栄養が届かなくなり、赤ちゃんの生死にかかわる事態になることもあります。
羊水混濁で心配なトラブル
胎盤機能低下や羊水過少によって赤ちゃんが低酸素状態になると、羊水中に便を排せつすることがあります。その混濁した羊水を赤ちゃんが吸引すると、呼吸障害を起こす恐れがあります。
巨大児で心配なトラブル
赤ちゃんが長くおなかの中にいると大きく育ち、経腟分娩が困難になることがあります。微弱陣痛でお産が停滞する、分娩途中で赤ちゃんの肩が引っかかるなど、難産になる可能性が出てきます。
監修/杉本充弘先生 取材・文/栗本和佳子
参考/『最新! 初めての妊娠・出産新百科』2021年
(ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)
予定日を過ぎるとあせるかもしれませんが、ゆったりした気持ちで過ごすことが大事。ただし、過期産になった場合のリスクも知った上で、医師の指示を守りましょう。
杉本充弘先生
Profile
東都文京病院院長。日赤十字社医療センター周産母子・小児センター顧問。