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乳幼児の紫外線対策、春のほうがダメージが大きい場合も、コロナによる外出自粛で注意すべき点も【専門家】

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タンポポで視野に草の中に立っている男の子
※写真はイメージです
LeManna/gettyimages

春になって暖かくなると、公園に行ったり、ちょっと遠くまでお散歩に行ったりするなど、外に行く機会がぐんと増えます。そこで気になるのが、子どもの日焼け。紫外線が最も強くなるのは夏ですが、春から徐々に紫外線量は増え始めます。またコロナ禍、覚えておきたい注意点も! 神奈川県立こども医療センター・皮膚科部長の馬場直子先生に、2021年だからこそ気をつけたい、子どもの紫外線対策について聞きました。連載「2021年春の紫外線対策」第1回

乳幼児の皮膚は大人よりも薄くてデリケート。そのため春から紫外線対策を

紫外線は春から徐々に強くなるといわれていますが、乳幼児の紫外線対策はいつから必要なのでしょうか。

「乳幼児の紫外線対策は、大人と同じで紫外線が強くなり始める4月ごろから始めましょう。
とくに赤ちゃんは、大人と比べると2分の1程度しか皮膚の厚さがなく、バリア機能も未熟です。そのため大人よりも紫外線の影響を受けやすいと考えてください」(馬場先生)

紫外線には「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があり、地上に到達するのが「UV-A」「UV-B」です。オゾン層の破壊によって、地上に到達する紫外線量も少しずつ増えているため、乳幼児からの紫外線対策を習慣にしてほしいと馬場先生は言います。

「紫外線の影響というと、しみやしわなどをイメージして、子どもにはまだ関係ないのでは!? と思うママやパパもいるかも知れませんが、それは間違いです。
UV-AもUV-Bも、乳幼児から無防備に浴び続けていると、光老化といって将来のしわ、たるみ、しみなどの原因になります。
また春でも、日ざしが強い日は、紫外線を浴びて日焼けをすると、赤くなってヒリヒリするなど炎症を引き起こすこともあるので、春から紫外線対策をしっかりしましょう」(馬場先生)

コロナ禍で外出を控えていた場合は、急に紫外線を浴びないで!

コロナ禍で、外遊びをずっと控えていた家庭もあると思います。しかし緊急事態宣言が出されていた地域ではとくに、解除されたからといって、急に外に出て紫外線を浴びるのは避けたほうがいいそうです。

「紫外線は日々、少しずつ浴びることで、皮膚の防御反応が高まっていきます。しかし、ずっと家にいて紫外線を浴びなかった子が、天気のいい日に、日焼け対策もせずに長時間、外で過ごすと、急に紫外線の影響を受けて、肌が真っ赤になるなどのトラブルが起きやすいです」(馬場先生)

またコロナ禍、3密を避けながらキャンプなどのアウトドアを楽しむファミリーも増えています。

「山など標高の高い場所は紫外線が強いです。標高が1000m高くなると、紫外線は10~12%強くなるともいわれているので、標高が高い場所でキャンプなどをするときは、紫外線対策は万全にしてください」(馬場先生)

外遊び前にチェック! WHOが推奨するUVインデックス

紫外線の量は、天候や場所、時間帯によって大きく異なります。

「WHO(世界保健機関)では、UVインデックス(UV指数)を活用した紫外線対策を推奨しています。
UVインデックスとは、紫外線の強さを指標化したもので、外遊びをするときなどの参考にするといいでしょう」(馬場先生)

UVインデックスは、気象庁のサイトで確認できます。気象庁| 紫外線情報(分布図) (jma.go.jp)
環境省では、UVインデックスのレベル別に、次のような対策を呼びかけています。
【0~2/弱い】 
安心して外で過ごせる
【3~5/中程度 6~7/強い】 
できるだけ日陰で過ごし、できるだけ薄手の長袖や帽子を着用し、日焼け止めを塗る
【8~10/非常に強い 11~13+/極端に強い】
日中の外出はできるだけ控える。必ず薄手の長袖や帽子を着用し、日焼け止めを塗る

日焼け止めは6カ月ごろから。肌トラブルがある部位に塗るのはNG

乳幼児の日焼け対策は、衣類などでの調整と日焼け止めが中心です。ただし日焼け止めは、お出かけする機会が増えてくる6カ月ごろからの使用が目安。

「日焼け止めを塗っていいのは、肌荒れやかぶれ、炎症などの肌トラブルがない部位です。肌トラブルがある部位に、日焼け止めを塗ると悪化するので注意してください。
また近年、低年齢での花粉症の発症が増えていますが、花粉症の子は、目や顔をかいて皮膚トラブルが起きやすいです。ママやパパの目では確認できなくても、皮膚の表面にこまかいひっかき傷ができていることもあるので、よく触ったり、かいたりしている部位には日焼け止めは塗らないほうがいいでしょう」(馬場先生)

月齢・年齢別の日焼け対策のポイントは、次のとおりです。

【0~5カ月ごろの日焼け対策のポイント】

基本的には日焼け止めを使わない時期なので、お散歩は紫外線が強い正午前後は避けて。夏は午前10時~午後2時ごろは紫外線が強いです。また、なるべく日陰を歩くほか、ベビーカーのほろを下ろしたり、抱っこのときはママが日傘をさして、親子で日傘に入りましょう。つばのある帽子をかぶせたり、薄手の長袖や靴下をはかせて、肌の露出も控えて。

【6~11カ月ごろの日焼け対策のポイント】

0~5カ月ごろの基本的な対策に加え、お散歩や公園に行くときは日常的に日焼け止めを。SFP値は10~20、PA++が目安。

【1歳以降の日焼け対策のポイント】

毎日、外遊びをする子は、春から夏は日焼け止めを塗ってから遊びに行く習慣を。1~2時間ぐらいの外遊びのときは、SPF値は10~20、PA++。紫外線がとくに強く2時間以上、外で過ごす場合はSPF30~40、PA+++が目安。

また日焼け止めは、汗をかくと落ちてしまいます。そのため長時間、外で過ごすときは2時間ごとに塗り直しましょう。

お話・監修/馬場直子先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

「公園などに行くときは日焼け止めを塗るけど、幼稚園や保育園に登園するときは、日焼け止めって必要?」と悩んでいるママやパパもいるのではないでしょうか。馬場先生によると、園で毎日、お散歩に行ったり、外遊びをしたりしているならば、日焼け止めを塗ってから登園させたほうがいいと言います。その場合は、途中で塗り直さなくてもOK。無防備に紫外線を浴びるよりも、1日1回でも日焼け止めを塗って紫外線対策をしたほうが、皮膚へのダメージを抑えられるそうです。

馬場直子先生(ばばなおこ)

Profile
神奈川県立こども医療センター・皮膚科部長 滋賀医科大学卒業後、横浜市立大学皮膚科講師を経て、現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会会員。とくに血管腫、母斑をはじめとする先天性皮膚疾患およびアトピー性皮膚炎を専門とする。

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