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サンバーンとサンタンの違いって!? 紫外線にとくに注意をしたほうがいい日本人の子どもの肌とは?【専門家】

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青空に対して高い娘に持ち上げる母
Qiteng/gettyimages

春でも日ざしが強い日は、長時間、外で遊んでいると赤く日焼けしてしまうことも。「赤くなっても、数日すると収まるから大丈夫!」と思うママやパパもいるかも知れませんが、乳幼児から無防備に紫外線を浴び続けるのは、健康上よくありません。神奈川県立こども医療センター・皮膚科部長の馬場直子先生に、乳幼児から気をつけたい紫外線対策について聞きました。「2021年春の紫外線対策」第2回

色白で日焼けすると赤くなる子は、春から紫外線に要注意!

春になって暖かくなると、外で遊ぶことが増えていきます。しかし気をつけてほしいのが日焼けです。ママたちからは、次のような声も聞かれます。

●上の子の幼稚園の春の親子遠足に、1歳の下の子も連れて行きました。しかし日焼け止めを塗らなかったら、下の子の肌が真っ赤に! 春でも、こんなに日焼けするなんて思いませんでした。

●1歳の娘と一緒に、お昼から2時間ほど公園遊びをしたら、かなり日に焼けました! 春でも日ざしが強い日だったので、日焼け止めは塗っていたのですが、塗り直さなかっただけで、こんなに日焼けするとは思いませんでした。

「ママたちの体験談にもあるように、春は、日焼け対策を油断しがちです。
しかし乳幼児の皮膚は、大人よりもデリケート。日焼け対策をせずに、強い紫外線を浴び続けると、子どもでも皮膚が赤くなりヒリヒリ痛むサンバーンや、日焼けした数日後に、皮膚が黒っぽくなるサンタンを起こします」(馬場先生)

馬場先生は、とくに紫外線に注意が必要なのは、色が白くて日に焼けると赤くなるサンバーンを起こしやすい子だと言います。

「色白で日に焼けたとき赤くなりやすい子は、紫外線に対して抵抗力が弱いです。将来、しみ、ソバカスなどができやすいだけでなく、乳幼児から無防備に紫外線を浴び続けていると、皮膚の細胞のDNAが傷つき、将来、皮膚がんになりやすいことがわかっています。

日に焼けたときに皮膚が赤くなりやすいのは遺伝の要素が大きいので、ママやパパが赤くなりやすいタイプならば、より注意が必要です。上の子は、日に焼けると黒くなるタイプだから、下の子も大丈夫と考えるのは間違いです」(馬場先生)

紫外線から子どもを守るには、6カ月ごろから日焼け止めを

紫外線から子どもを守るには、6カ月ごろから日焼け止めを使うのがポイントです。

「日焼け止めは、肌荒れやかぶれ、炎症などの肌トラブルがない部位に塗ってください。肌トラブルがある部位に塗ると悪化するので注意してください。

日焼け止めの種類は、子ども用ならばクリームタイプでもジェルタイプでも構いません。ウォータープルーフタイプは、春でも暑くて汗をかきやすいときは使って構いません。ただし落としにくいので注意が必要です」(馬場先生)

また日焼け止めと保湿剤を一緒に使うときは、どちらを先に塗るといいのでしょうか。

「保湿剤は、おふろ上りと朝起きたときに塗れば十分ですが、お散歩前などに日焼け止めクリームを塗ろうとして、肌がかさついていたら保湿剤を塗ってから、日焼け止めを塗りましょう。

保湿剤など肌を守るものは初めに塗って、紫外線や虫よけなど、外の刺激から肌を守るものは、最後に塗るのが基本です。

日焼け止めを塗ったら、帰宅後はすぐによく泡立てたボディソープで体を洗って、日焼け止めを落とすことも忘れないでください。とくにウォータープルーフタイプは、水や汗に強いため念入りに洗い落としてください。日焼け止めの成分が残っていると、肌トラブルを起こしやすくなります」(馬場先生)

日焼け止めの基本的な塗り方

日焼け止めの基本的な塗り方は、次のとおりです。
【1】大人の手を洗う
【2】湿疹(しっしん)などの肌トラブルがないか確認する
【3】保湿剤を塗る場合は、保湿剤を先に塗る
【4】日焼け止めを塗る量は、子どもの顔の面積に対して、クリームタイプはパール粒1個分。ジェルタイプは、1円玉1個分。ともに同量を2回、重ね塗りする
【5】手のひらでらせんを描くように塗り、塗りムラを防ぐ
【6】日焼け止めは、2~3時間おきに塗り直す。紫外線が強い日や汗をかいているときは、2時間で塗り直す

初めて使う日焼け止めは、二の腕の内側に少量塗って、赤くならないか1日様子を見てから使いましょう。

日焼けをしたらホームケアを! 水疱ができるなど、ひどい日焼けは受診が必要

もし日焼けをしたときは、すぐにホームケアをしましょう。ポイントは次のとおりです。

日焼けのホームケア

日焼けは、やけどを同じです。少しでも赤みが気になったり、熱を持っていたりするときはホームケアをしましょう。

【1】保冷剤で患部を冷やす
保冷剤を薄手のタオルに包み、患部を冷やす。冷やす時間は長くても30分以下。水疱(すいほう)はつぶさないように注意する。

【2】水分補給をする
日焼け後は、皮膚から普段より水分が逃げやすいので、体内の水分が失われがち。そのため、こまめに水分補給をする。

【3】湯船にはつからない
患部が熱を持たないように、入浴時湯船にはつからない。シャワーはぬるめの湯音で、水圧を弱く。痛くない場合は、洗浄料を使ってやさしく洗う。

日焼けしたときの受診の目安について

日焼けがひどいときは受診が必要です。受診の目安は次のとおりです。

【1】赤くなっている(赤くなった面積が子どもの手のひら(片手)より大きい場合は、すぐに受診する) 
【2】水疱ができている
【3】皮膚がむけている
【4】赤ちゃんの機嫌が悪い、痛がっている

骨の成長に必要なビタミンDは、食事からの摂取も意識して

乳幼児から紫外線対策は欠かせませんが、子どもの成長に紫外線は必要な面もあります。骨の成長に欠かせないビタミンDは、適度に紫外線を浴びることで生成されます。ビタミンDが不足すると、脚がO脚気味になる、くる病を発症したりします。

「紫外線よるビタミンDの生成は、天候や季節、時間帯、地域によって日光に当たる必要時間がだいぶ異なります。
同じ日で比較すると、春・晴れた日のお昼ごろは、東京で20分ぐらい。北海道では50分ぐらい日光に当たっていないとビタミンDは生成されません。
気になるときは、ビタミンDが含まれている食材(鮭、きのこなど)を意識してとるようにしましょう」(馬場先生)

ビタミンD生成に必要な日光浴の地域別目安時間は、国立研究開発法人 国立環境研究所 地球環境研究センター「ビタミンD生成・紅斑紫外線量」情報サイトでも検索できます。

ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報モバイル版|国立研究開発法人 国立環境研究所 地球環境研究センター (nies.go.jp)

お話・監修/馬場直子先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

「毎日、子どもに日焼け止めを塗るのは、肌に負担がかかりそう」と心配するママやパパもいるのではないでしょうか。しかし馬場先生は、必要以上に強い日焼け止めを塗り続けなければ心配ないと言います。SPF30~40、PA+++の強いタイプは、海などのレジャーや、紫外線が強いとき長時間、外で過ごす日に。近所の公園に1時間程度遊びに行くなど、普段の生活ではSPF10~20、PA++程度でOK。きちんと使い分けることが大切です。

馬場直子先生(ばばなおこ)

Profile
神奈川県立こども医療センター・皮膚科部長 滋賀医科大学卒業後、横浜市立大学皮膚科講師を経て、現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会会員。とくに血管腫、母斑をはじめとする先天性皮膚疾患およびアトピー性皮膚炎を専門とする。

※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です

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