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離乳食「自分で食べる」を育てる手づかみ食べの大切さと汚れてもいいテクとコツ【専門家】

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離乳食が進むと赤ちゃんの中には手でつかんで自分で食べようとする子も出てきます。親からすると面倒に感じるかもしれませんが、発達的にはとても大切なことといわれています。なぜ大切なのか、自分で食べようとしない場合はどう促したらいいのかなどを管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。

自分で食べる意欲を育てる「手づかみ食べ」

離乳食の悩みでよく聞くのは、「食べてくれない」「食べすぎる」…という話。何をどれだけ食べたかということに、つい一喜一憂することが多いものです。けれども、離乳食には、栄養を補給して健康な体をつくること以外にも大切な役割があります。

「離乳食には‟自分で食べたい“ という意欲や好奇心、達成感を育てる役割もあります。
ママやパパから食べさせてもらう栄養で成長している赤ちゃんや子どもが、将来、自分で栄養をとりこんで生きていくには「食べたい」という気持ち、『食』への意欲や好奇心を持つことが、とても大切です」(太田先生)

食べ物に興味を持った赤ちゃんの気持ちを大切にしよう

近年、食への意欲が希薄な子が増えていると言われていますが、この食への意欲を育てるにはどうしたらいいのでしょうか。
離乳食に慣れてくると、赤ちゃんは、だんだんと食べ物に手を伸ばしたり触ったり、自分で食べたそうにしてきます。けれども、その行動をされると、遊び食べにつながりやすく、食べる量が減ったり時間がかかったりすることもあって、食べ物に触らせないようにしてしまうママやパパもいるかもしれません。

「離乳食の役割を意識してほしいと思います。離乳食では、自分で食べる意欲を育て、食への興味を育てることもとても大切です。大人は面倒に感じるかもしれませんが、ぜひ、食べ物に興味を持った赤ちゃんの意欲を優先してほしいのです」(太田先生)

食べ物を大人に食べさせてもらうのと、自分で食べるのとでは、赤ちゃんにとってはまったく違う体験だといいます。

「口の前にスプーンが運ばれてきて、自動的に口の中に食べ物が入るのとは違って、自分の手で食べるのでは、興味を持った食べ物を手に取ったときに触感を抱き、食材を口に運ぶまでに手を動かす距離感を学び、口に入れたものを見事食べられれば、達成感を得ることもできます。そういう赤ちゃんにとっては楽しく興味深い体験を繰り返すことで、自分で食べる意欲が育っていくのです」(太田先生)

食べ物に手を伸ばすようになったら「手づかみ食べ」に挑戦

手づかみ食べを始めてみてもいいのは、以下のようなことが目安です。

□離乳食が3回食になっている
□食べ物に触れようとする
□手でつかめるかたさや大きさの固形物が食べられる
□椅子に1人で座れる

食べ物に興味を持って、手を伸ばすようになったら、1品だけ手づかみしやすいメニューを用意しましょう。

「実は、手に持ったものを口にもっていって食べる『手づかみ食べ』という動作は、とても高度な動作です。神経発達が進まないとできないことなので、最初はなかなか上手にできない場合もあるかもしれません。そんなときは、まずは大人がお手本を見せてあげましょう」(太田先生)

手づかみ食べの促し方 ステップ1

スティック状に切ってやわらかくゆでた野菜など、手づかみで食べやすい形状の食べ物を用意します。

手づかみ食べの促し方 ステップ2

最初は大人が食べるお手本を見せます。次に大人が赤ちゃんの手を持って、口に持っていき、一口分食べられるように教えます。

手づかみ食べの促し方 ステップ3

赤ちゃんが自分で食べ物を持てたら、ほめてやる気をアップさせましょう。練習は10分程度を目安にするか、飽きてしまったら切り上げましょう。

手づかみ食べの汚れ、散らかり防止策と遊び食べ対策

手づかみ食べがまだ上手にできないころは、赤ちゃんの手も服もテーブルの上も下も汚れて散らかります。でもその過程をたどることで、赤ちゃんの能力は育っていくのです。少しでも大人のイライラを減らすために、以下のような予防策をしておくのがおすすめです。

●赤ちゃんの椅子の下に新聞紙やレジャーシートを敷く
●赤ちゃんには袖つきのエプロンや食べこぼしをキャッチするポケットつきのエプロンをつける
●エプロンはプラスチックやビニール製で水洗いができるものが便利

「手づかみ食べで食べ物を口に運ぶ動作は、スプーンやフォークで上手に食べることにもつながります。赤ちゃんの食べ物への意欲を大切にして、手づかみ食べを積極的にさせてあげましょう」(太田先生)

また、ママやパパからは「手づかみ食べと遊び食べの違いがわからない」という声も届きます。

「赤ちゃんの様子をよく見てみましょう。よく見ていると、遊び食べはただ遊んでいるだけの状態ですが、手づかみ食べをしようとしているときは、食べ物を口にもっていこうとしているでしょう。
しばらく様子をみて、ただ遊んでいるだけになってしまったら、お皿を片づけて。最初のうちは、手づかみ食べを練習する時間を数分と決めて、時間を区切るのもいいでしょう」(太田先生)

撮影/成田由香利 イラスト/関祐子 取材・文/笹川千絵、ひよこクラブ編集部

監修/太田百合子先生

食事=栄養と考えがちですが、離乳食の時期はまだ母乳・ミルクからも栄養をとれることもあり、栄養もさることながら、「食べる練習をする時期」と考えたいもの。さらに食への意欲を育てるという役割もあることを覚えておきましょう。


参考/『ひよこクラブ』2020年9月号とじ込み付録「離乳食1年生 自分で食べる編」

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