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「どうしても無理」なら離婚する選択だってある。家族が笑顔でいるために【専門家】

日本の男性と女性の間の喧嘩します。
takasuu/gettyimages

ワンオペ育児、価値観の不一致、夫婦げんか…パートナーとどうしてもうまくいかないとき、離婚を考える人もいるでしょう。けれど、気がかりなのは子どものこと。近年、離婚後も親同士として子育てにかかわり合う「共同養育」の考え方が広まりつつあります。共同養育実践に向けたサポートをする一般社団法人「りむすび」の代表、しばはし聡子さんに話を聞きました。

親と子どもの感情は別。子どもが自由に発言できる環境を整えて

――パートナーとの関係が悪いと、離婚をして子どもに会わせたくないと思う人もいると思います。そんな感情を、離婚後も一緒に子育てする「共同養育」の方向に切り替えるにはどうしたらいいのでしょうか。

しばはしさん(以下敬称略) まずは離婚する前に、夫婦の感情と親子関係を切り離して考えることが大切です。離婚を考えるほどですから、相手に負の感情を持つのはしかたありません。ですが、自分にとって嫌な相手でも、子どもにとっては一生親です。自分の感情で子どもから親を奪わないでほしいと思います。

子どもは、親の顔色をとてもよく見ています。未就学児でも「ママの前でパパの話はしちゃいけない」などと我慢していることも。もし子どもが別居している親に「会いたくない」と言ったとしても、それは本心ではなく気をつかっている可能性も。また「あなたのパパは悪い人だから」など悪く言うことは、子どもの半分を否定することになります。
子どもが自分と同じ感情だと思い込み、別居している親の話をタブーにしたり、子どもを所有物化したりしないよう、注意が必要です。

一度でも子どもの立場で考えてみれば、きっと気がつくはず。大事なのは、子どもが親の顔色を見ずに自由に発言をできて、自由に親同士の間を行き来できる環境を作ってあげること。そうすれば子どもへのダメージは少なくなるでしょう。

――離婚をする際、その後の「共同養育」は、どうすればスムーズに進むのでしょうか?

しばはし 日本の離婚は協議離婚(話し合い)が9割。1割が、調停や裁判による(裁判所を介した)離婚です。裁判所では、養育費や面会交流の回数や条件などの取り決めのみで、夫婦から親同士になるためのメンタル面でのサポートはありません。
離婚理由の多くは感情のもつれです。気持ちのしこりが残ったまま、相手の悪いところを責め合い、条件決めだけすると関係が悪くなりがちです。まずはお互いの気持ちや言い分を冷静に聞いて理解するという段階を踏むほうが、その後の共同養育につながりやすいと思います。
また、専業主婦の女性の場合は経済的に自立する準備も必要です。経済的に自立すれば自信もついて、夫とも対等に話し合いが進むはずです。

離婚という選択が、家族の幸せにつながることも

――離婚はしないに越したことはないかもしれませんが、離婚という選択肢が家族みんなの幸せになる場合もあるのでしょうか。

しばはし あると思います。夫婦仲が悪くてけんかが絶えず、子どもが両親の顔色を見て気をつかうのはつらいでしょうし、けんかすらない完全な冷戦状態もつらいですよね。そうなった場合、別居して距離を置いたり、経済面などの準備をして離婚となることもあります。

ただ離婚は親の都合ですから、子どもの環境はできるだけ変えないことが大事。離婚をしても、両親やばあば・じいじとの関係を続けていけば、子どもを愛してくれる大人を減らさずに済みますよね。

――では、離婚するパートナーと、親同士として新たな関係を築くとき、お互いどのようなコミュニケーションを心がければいいでしょうか?

しばはし 夫婦だったときの感情を持ち込まないことです。相手の意向を尊重する、期待をしない、目をつぶる、相手の人生に関与しないことがポイント。
たとえば子どもと元夫が交流するとき、連れて行く場所を「子どもにはちょっと早いかな」と不安に思ったとしても、目をつぶってパパに任せてみましょう。

ポイントは「仲よくしなくてはいけない」とハードルを上げないこと。
あくまで育児に対しての協力者なので、メールの連絡は事務的で構いませんが「ありがとう」という感謝はきちんと伝えたいですね。仕事や交際面などはせんさくしないなど、大人同士の礼儀を持ったかかわり方が大切です。

相手の気持ちを理解する歩み寄りが面会交流につながる

――実際に共同養育を実行したケースでは、どんな変化がありましたか?

しばはし りむすびの相談者の中には、子どもに会いたいのに会えないパパが少なくありません。でもママがパパに子どもを会わせたくない理由には、同居生活中に何らかの原因があったはず。相手を責めるのではなく、相手の気持ちに歩み寄ることが共同養育につながります。

ある例では、裁判するほどママとの関係が悪化していたパパが、あるときママに「同居中につらい思いをさせてごめん」と伝え、寄り添う姿勢になったところ途端に関係がよくなったことがありました。別居していたママと子どもが、パパの家の近所に戻ってきて、今では子どもを連れて夕食を食べに遊びに来るようになり「ついでにおふろも入れてね」なんて頼まれるまでのいい関係になったそうです。

また、会わせたくないと思っているママ側も「かかわりたくないから会わせない」ではなく、会わせるようにしていくと夫側も穏やかになっていき、かかわりやすくなっていくこともあります。

共同養育をしていくためには、相手を責めたり変えようとするのではなく、自分自身がどう変わるかがいちばんのポイントですね。

お話・監修/しばはし聡子さん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

パートナーとの関係がうまくいかないとしても、親子の関係は一生続きます。家族の幸せのかたちはさまざまですが、いずれにしても、子どもを愛してくれる人との関係を途切らせないことが大事です。

しばはし聡子さん(しばはしさとこ)

Profile
一般社団法人りむすび 代表。大学卒業後、エネルギー業界にて20年間広報・秘書を務める。自身の子連れ離婚経験を生かし、別居・離婚後の子育てや相手方とのかかわりで悩む方の手助けをしたいという思いから2017年に一般社団法人りむすびを設立。面会交流における仲介支援や夫婦カウンセリング、共同養育普及活動を行っている。

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