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ワンオペ育児から、セックスレスをきっかけに離婚危機に。夫婦関係を再構築できた理由【人気漫画家・ポメ】

更新

漫画家のポメさん夫婦は、お互いのことが大好きで結婚した仲よし夫婦でした。ところが、長女3歳、長男6カ月のとき、ポメさんは離婚を決意。長女出産後からワンオペ育児が3年間続いていた中、あることを機に、ポメさんの気持ちが急降下していきます。なぜ、ポメさんは離婚を決意したのか。そして、どのように夫婦関係を修復していったか。ポメさんに聞きました。

▼<関連記事>前編を読む

妻への感謝も気づかいもない夫。ストレスが限界に達して離婚を決意

長女が2歳8カ月、長男が5カ月のとき、夫がポメさんの誕生日を忘れた。2年連続のことだった。さらに、長女が3歳目前で発話がないこと、長男の授乳に苦痛を感じていたことなど、育児ストレスも積もり積もっていた

――ポメさんが離婚を決意したとき、パパにどのようなストレスを感じていたのでしょうか?

ポメさん(以下敬省略) 夫はブラック企業に勤めて帰宅も遅く、親も頼れなかったため、第1子出産後から私のワンオペ育児が続いていました。その状況を受け入れていたつもりでしたが、あることを機に、夫婦関係にずれが生じ始めたんです。

きっかけは、セックスレスでした。そのころセックスレスであることに気づいた私が、それとなくセックスのお誘いをしたとき、夫に、はぐらかされたんですね。
翌日、「断る」ではなく「はぐらかす」というやり方は傷つくからやめてほしいと夫に話したのですが、なんと、話の最中に夫が居眠りをしたんです!次の日から夫に合わせる生活をやめたので家庭内別居状態に。でも、私が耐えられずに仲直りして、また、誘いをはぐらかされるというサイクルを約3カ月間で5回繰り返しました。
しかも、夫は私の誕生日を2年連続で忘れていました。私が「しないでほしい」ことを繰り返すどころか、ワンオペ育児を頑張っている私への感謝も気づかいもない…。
そんなことが重なって、「夫は私のことが大事じゃないのかな?」と落ち込むようになりました。

――パパと話し合いはしなかったのでしょうか?

ポメ 何度もしましたが、私が不満をぶつけると、夫は謝るだけで黙り込んでしまい、話し合いにならないんです。「なぜ、私が“しないでほしい”と言うことを繰り返すのか」「なぜ、私の誕生日を2年連続で忘れたのか」「なぜ、ワンオペをする私に感謝がないのか」と問いただしたときは、夫は2時間も無言のままでした。

――いよいよ離婚を決意したきっかけはあったのでしょうか?

ポメ 夫が無言の末にようやく口を開いたひと言です。「俺はポメちゃんが“してほしいこと”をなんでもするから、仲直りしたい」。驚愕(きょうがく)しました。私は「してほしくないこと」「してほしいこと」をそれまでさんざん言ってきたのに、まったく伝わっていなかったんです。そのひと言を聞いたら絶望感とともに強烈なめまいと吐きけに襲われて、吐きながら、私は「明日の朝イチ、役所に離婚届をもらいに行こう」と決めました。

ところが、翌朝はめまいと耳鳴りで起き上がることもできず、子どもたちに申し訳ないと思いながら1日過ごしました。その次の朝、夫が初めて仕事を休んで家事育児をやってくれて、私はまず病院へ。ストレスによる突発性難聴と診断されました。

離婚危機を乗り越えるために意識したこと

最初にセックスをはぐらかされてから3カ月。我慢の糸が切れたように、ポメさんは、めまい、耳鳴り、吐きけが止まらなくなる。受診すると、ポメさんの左耳は聞こえていないことがわかった

――診断後、離婚危機をどのように乗り越えたのでしょうか?

ポメ 突発性難聴の診断後、改めて夫婦で話し合いました。すると、夫がやっと本音を話してくれたんです。セックスの誘いを5回もはぐらかした理由は、「眠かった」と。話し合いで無言だった理由は、「どうすればいいかわからなくて」。また、私に気づかいがないのは「俺も疲れている。ポメちゃんは、日中いつでも寝られるからワンオペでも大丈夫」と思っていたようで、私が体調を崩して初めて実態を知ったようでした。「それなら早く言ってよ~」という理由が判明し、私は夫婦関係の再構築を決意しました。

――夫婦関係を再構築するために、ポメさんが意識したことはありますか?

ポメ 自分にも夫にも完璧を求めないことです。たとえば、私は夫の家事のやり方にストレスを感じることがありました。洗い物を例にすると、私は洗い終わったおわんの水が切れるようにおわんをななめに重ねるんですが、夫は平たく重ねるから水が切れない。それを見るとイラっとして、指摘しても翌日直っていなくて、ますますイライラ…みたいなことがよくありました。思えば、私は家事育児をきちんとやろうとしすぎていたし、同じことを夫に求めてストレスをためていたと反省しました。

また、心身を休めるようにしました。家事育児を休むと、心の余裕ができることがわかったからです。難聴の診断翌月から、月1回は美容室へ行って自分の時間を作るように。また、親友のトラミと会う時間も作りました。トラミに私のイライラを言語化してもらうと、ツライ話もいつの間にか笑い話になるんです。さらに、義母が週1回来てくれるようになったのも、とても救われました。

――夫婦関係は、すぐに再構築できましたか?

ポメ できませんでした。再構築を開始した翌月に、長女の療育園の入園手続きがあってとても大変だったんですが、無関心な夫に私は腹をたてたりしました。

それでも離婚を踏みとどまれた理由は、夫が少しずつ変わっていったからです。離婚危機以来、夫は帰宅すると「ただいま」のあとに「今日もありがとう」と言ってくれるようになりました。また、ピンチのときは頼れる人だとわかったのも大きいです。
私がご近所トラブルに悩んだとき、夫は購入まもないマイホームから引っ越そうと言ってくれたし、長女が迷子になって見つからなかったとき、夫は職場からすぐにかけつけてくれました。夫の「なんとかなるよ」「大丈夫だよ」の言葉に何度救われたか。

そして私も変わりました。夫や義母に「助けて」と言うなんて、以前の私には考えられないことです。まわりの人に支えられ、本来の自分を取り戻せたんだと思います。

再構築開始から4年。今も夫の家事のやり方にイラっとすることはありますが、1年前から夫は働き方を変え、私が漫画を描くことにもっと集中できるように、家事育児を分担しています。私の心身不調は断続的に続いていますが、結婚記念日には2人きりでデートをしています。

世のパパへ。「ありがとう」の気持ちを行動で!

ポメさん夫婦は、離婚危機を契機に夫婦関係と育児体制を見直し、仲よし夫婦に戻れた。その間、ポメさんは大好きな漫画を描き始め、長年の夢だった漫画家デビューを果たした

――産後の夫婦関係を良好に保つために、世のパパへ伝えたいことはありますか?

ポメ まずは、ママへ「ありがとう」を言ってほしいです。でも、言葉よりもっと感謝が伝わるのは行動!ママが「してほしいこと」「してほしくないこと」を実際に行動に移すことで気持ちを示してほしいです。

また、ママにはひとり時間をあげてください。私の場合、ストレスがピークに達しても、心身を休めると「私、疲れていただけかも」とイライラが自然にトーンダウンしていきました。ワンオペママも、そうじゃないママも、休むことは大事です。

お話・写真提供/ポメさん 取材・文/大部陽子、たまひよONLINE編集部

ポメさんは、突発性難聴の診断から4年たった今でも、疲れると、耳の痛みや聞こえづらさ、めまいの症状があり、寝込むことがあるといいます。2年前には不安障害の診断も。 ポメさん夫妻にとって、この4年間は、夫婦関係と並行して育児体制を再構築する期間でした。ポメさんの漫画には、夫がママの心身と向き合いながら少しずつ変わり、ポメさん自身も自分を労わるようになっていった姿が描かれています。

ポメ

PROFILE
漫画家・イラストレーター。娘・ちょこ(5歳)、息子・なな(3歳)、夫・べるさんの4人家族。エッセイ漫画をインスタグラムに投稿。フォロワー1.7万人。

ポメさんのInstagram

●掲載している情報は2025年3月現在のものです。

レスから始まる“ワンオペ症候群”~毒親育ちのわたしが離婚の危機を乗り越えた話~ (コミックエッセイ) Kindle版

家事も育児もワンオペでこんなに頑張っているのに、どうして?セックスレスから始まった夫婦の「わかりあえなさ」を描き、共感の声続々のコミックエッセイ。ポメ著/990円(KADOKAWA)

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