女の子ママ VS 男の子ママ ママ友付き合いがラクなのはどっち?
子どもができると、いろいろなママ友とも付き合うようになりますね。ところで、そうしたママ友付き合い、子どもの性差で違いがあるという声が口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せらていました。実際のところ、どうなのでしょうか。
ママたちの意見とともに、家族社会学やジェンダー問題が専門で、長く子育て家庭を支援している林田香織さんに、ママ友付き合いについて聞きました。
濃厚で楽しい付き合いだったという声もあれば子ども任せという声も
まずは女の子ママ同士の付き合いが大変だったという声から。
■ 男子のママ友付き合いが天国すぎる
「上の子が女の子でママ友付き合いが大変でした。親子で出かけたりと楽しい思い出はたくさんありますが、気苦労が多かったのです。
娘も友だちも互いの家に呼びたがったり、何かとお揃いにしたがったりするし、親も仲良しグループから離れないようにと必死でした。
それに比べて男子ときたら、なんにも気にしない様子。誰かが友だちとどこかへ行ったと聞いても羨ましがることもなく、『へー』で終わり。
無理して親同士で付き合わなくてもいいので、楽すぎて天国すぎます!」
■ 女子は親まで巻き込んだトラブルも?!
「確かに男子の方が付き合いは楽ですね! 息子があまり気にしないから親もあれこれモヤモヤしなくていいし、気を回さなくていいからなのかな。
女子は細かい事に気づいて傷ついたりするし、親まで巻き込んだトラブルもちょくちょく聞くので、大変な場合はやっぱりあるかなと思います」
もちろん大変な話ばかりではありません。
■ 女の子ママですが、苦労はないですよ
「我が家は女の子ですが、特に苦労ありません。
ママ友同士、濃い付き合いをしている人があまりいない印象です。きょうだいがいて忙しい方や仕事をして忙しい方が多いせいかもしれません。
むしろ男の子のほうが、『◯◯クンとご飯行くんだー』って娘に自慢してきて、うるさいなと思いました」
■ 子どもの性別ではなく、性質の違いだと思う
「親の性質と子どもの性質によると思います。私は女の子の親だけど、そんな大変な思い、一度もないです。
親も娘も気が合う人とだけ付き合うパターンが多かったし、園や学校以外の休日に、ほかの家族と遊びたいとも思わなかったので、付き合いで苦労した記憶はありません。
小学校に上がったら、親の付き合いと子の付き合いは完全に別だから、そんなに気にすることもないと思います」
■ 子どもの人間関係作りにノータッチなので気にしてません
「うちの場合、女の子も男の子も平和でした。
男女関係ないです。
子どもの友だちは子どもが作ってきます。お膳立てはしないです」
■ 女の子ママも男の子ママも、どっちも面倒なママ友はいる
「男の子のママでも面倒な人はいます。反対に女の子のママにもいます。
性別関係はないと思います。こんな風に区別するの、面倒じゃないでしょうか」
■ 性別は関係ないって意見あるけど、特徴はあると思う
「子どもの性別は関係ないって声はありますが、私は男女である程度の傾向や特徴はあると思います。
うちは上が女の子、下が男の子です。娘のママ友とは仲良かったので、苦労や面倒な経験はあまりなく、むしろ『親子で楽しいひと時をありがとう』と思っています。親子でガッツリお付き合いというのも楽しかったですよ。
息子の場合はそもそも、ママ友が少ないです。遊びの約束も少ないし、マイペースに過ごせるので楽と言えば楽です。でも上の子の経験があるせいか、ちょっぴり寂しさもあります」
子どもができると生まれる親としての自我や感覚
どの意見も「なるほど!」と納得できるものばかりなので、親や子どもの性格や環境の影響も大きいのかもしれません。家族社会学が専門の林田香織さんに、そうした感覚について解説いただきました。
「子どもがいるともれなくついてくるのが親同士の付き合いです。
我が家も子ども3人、それぞれの付き合いがありました。転勤族時代は、その土地土地で出会うパパ友&ママ友は心強い存在でした。また、フルタイムで仕事をはじめてからは、地域のパパ友&ママ友には、保育園の送迎でもお世話になっていますし、仕事で出会うワーパパ&ワーママたちは、子育て以外の情報共有もできる貴重な存在です。わずらわしさもなきにしもあらずですが、彼らの存在は我が家にとっては不可欠です。
親になると私たちは『私』という個人だけではなく、『親』というもう1人の個人が芽生えます。親同士の関係性も『どの自分として出会い、付き合っているか』によって異なりますが、いずれの場合も鍵になるのは『同質感=共通点』と言われ、同質感の高低によって距離感や付き合い方が変わるようです。したがって、みなさんが感じたり感じなかったりしている子どもの性別による違いは、『同質感の違い』によるものと考えられます。
私自身を例とすると、『個人としての自分』として出会う場合は、『NPOなどの社会活動』という同質感で繋がっているので、子どもの性別による違いはありません。また、『親としての自分』の場合も、子どものサッカーチームを介して出会う場合は、『サッカー』という同質感で繋がっているので、男の子も女の子もいますが、子どもの性別による違いは感じません。
地域では、親役割が優先されるため、『個人としての自分』が違和感を感じていても、親役割を担う上でその違和感をもったままそのコミュニティにとどまることが必要な場合もあります。
ただ、子どもの成長に伴い、親役割としての付き合いは自然に淘汰されます。付き合いを負担に感じる場合は距離を置く、または、期間限定と割り切ると気持ちが楽になります。親役割が終わったのちも個人として付き合える人はみなさんにとっての『大切な友人』となると思います」
ママ友付き合いは、子育てや生活を楽しくさせてくれる一面もあれば、ストレスになることも。もしストレスと感じるようなら、林田さんのアドバイスのように、割り切ったり距離を置いたりして、自分の負担にならない付き合いがしていけるといいですね。
林田香織さん
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事 ワンダライフLLP代表。日米の教育機関にて日本語教育(高校・大学・ビジネスマン向け)に従事。8年の在米期間を経て、2008年帰国、2009年独立。自治体、企業で、両立セミナー、育休前・復帰前セミナー、夫婦向けセミナー、女性の社会復帰セミナー等の講師を多数務める。
(文・橋本真理子)
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。