生む?生まない?ある人からの助言で決めた心[夫婦のじかん大貫さんのママ芸人日記#119]
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるコラム連載「ママ芸人日記」、今日も始まります!
【第119回】生む?生まない?ある人からの助言で決めた心
子どもの頃は、なんとなく20代前半で子どもを生んで、3人くらい欲しいなと漠然と思っていました。
しかし、実際には20代は仕事ばかり。
金銭的なことや責任感などを考えるようになり、子どもの頃のように気軽に「子どもは3人くらい欲しい!」などとは言えなくなっていました。
30歳を迎えても、特に今すぐ子どもが欲しいと思うことはなく、結婚願望もありませんでした。
しかしその時期に、たまたまご飯を食べに行った20歳くらい年上の女性の方と、結婚や出産についての話をすることになりました。
私が、あまり結婚願望が無いこと、子どもは欲しいと思っていたけど、実際のところ難しいのではないかと思っていることなどを話していると、その方が言いました。
「あと5年くらいしたら子どもが欲しい気持ちが強くなるかもよ?難しいかもしれないけど、今35歳って考えたら、どんな気持ちか想像できる?」
そう言われてすぐに5年後のことを想像するのは容易ではありませんでしたが、ただ何となくではありますが……やはり子どもは欲しいと思うのかもしれないという気持ちがありました。
「正直、子どもは欲しいと思うかもしれません。でも、お金の面でも今よりちゃんとしなくちゃいけないですし、不安定な仕事をしている私にきちんと子育てができるのかという不安があるんですよね……。」
そう言う私に、その方は言いました。
「そんなの大丈夫よ!!そういうことを言える時点で、ちゃんと子どものこと考えられてるんだから!そんなことより、なるべく早く!子どもが欲しいならなるべく早く動いて!歳取るとホントできなくなるよ?とにかく子どもが欲しいなら早く!!」
そう力強く言われ、少し圧倒されてしまいましたが、その方はいろいろと治療をされた結果、子どものいない生活を選んでいたのを聞いていたので、とても説得力がありました。
とにかく欲しいなら早く!そんなことを何度も言われ、はっとしました。
30歳くらいになると、結婚や子どもの予定を聞かれる機会が増えましたが、その度に私は「経済力」「職業の不安定さ」を理由にして自分を卑下することにより、子どもに対しての責任があるということを示していたように感じました。
そういうことを言うことで、単なる社会不適合者ではなく、責任感を持っているが故に結婚や出産をしていない人としてカテゴライズされるからです。
勿論頭でそれをわかっていてそういう言動を示しているわけではありませんでしたが、そういう発言で知らず知らずのうちに自分を守ろうとしていたのかもしれません。
しかし、いくら世間体から自分を守ったとしても、自分の未来は自分しか切り開けません。
本当に子どもが欲しいなら、言い訳をせずに早めに行動するしかないのだと、この時思い知った気がします。
その時の助言が心に響き、私は結婚して息子を出産することができました。
私を言い訳から解放してくれたあの時の女性には感謝しかありません。
このコラムを誰かが見てくれて、自分が本当に子どもが欲しいのかを真剣に考え、そのためにポジティブに行動していこうと思うきっかけになればとても嬉しいです。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
吉本興業所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。