油の容器の捨て方で夫婦喧嘩勃発?! 「プラごみ or 燃えるごみ」どっちが正解?
容器包装リサイクル法が制定されてから、ごみの分別がより細分化されるようになりました。そもそも分別方法を正確に把握していない場合もあるようですが、分別方法が自治体によって異なるため、「何が正しい」と明確に言えないのも事実。
今回は、資源ごみの中でもカンチガイの多いプラごみの捨て方についての、口コミサイト「ウィメンズパーク」からママたちの声を取り上げるとともに、捨てる際の目安をご紹介します。
プラごみに対する認識は様々
■ 私の中ではサラダ油は汚れに入っていなかったです!
「油の容器の捨て方について、夫と口論になりました。
私は使いきったら下水に油を流すのが良くないと思っていたので、洗わずにプラスチックごみに出すと思っていました。
でも夫は油の容器を洗わないんだったら燃えるごみだと口論に。
うちの自治体は燃えるごみのルールが緩くて、どっちで出しても持っていってもらえますが、皆さんは、どうしているのでしょうか?」
――それぞれの言い分は、とてもよくわかりますね。みんなの口コミから察するに、プラごみに付いている汚れがカギとなっているようです。
■ きれいに洗わないのなら、燃えるごみです
「うちの自治体では、油で汚れがひどく取りづらい物に関しては、燃えるごみに分別と書いてあります。
プラスチックごみのリサイクルの方法で『汚れの落ちないひどいものは、燃えるごみ』とのことなので、リサイクル先の仕方によって変わるのかも?と思います。
リサイクルって、だいたいが洗浄して粉砕してだと思うので、汚れがひどく、洗って出す方が水の無駄使いかな、と思うものは燃えるごみに入れています」
■ 聞いたらベトベトでもいいと言われました!
「それ、私、この間、清掃工場の方に聞いたんです! 洗わなくて良く、プラごみで出していいそうです。
例えば、コンビニ弁当などの容器、お惣菜の入っていた容器、これらは物体的なものさえ取り除いてくれてればいい、とのことでした。
つまり、唐揚げやタクワンがついたままじゃダメだけど、別にベトベトのままでもいいそうです。地域によって違うかもしれません。
ただ、うちの地域は1週間に一度しか回収がなく、ためなくてはいけないので洗いますけれども」
■ 自治体ごとに基準があるのでは?
「こちらの自治体では、油汚れが落ちないものは、たとえプラごみでも燃えるごみ。
だから油のボトルはきれいに洗えたらプラごみ、洗わないなら燃えるごみです。
私はプラごみに出しています」
プラごみは基本的に汚れは取り除いてから出す
資源ごみとなる缶やペットボトル、びんはマークもついているし、わかりやすいけれど、確かにプラごみは迷いますね。プラのマーク(プラスチック製容器包装のリサイクル識別表示マーク)がついていても、汚れや大きさによっては、資源ごみとして出せない自治体も多いようです。
通称プラごみは収集後、選別して圧縮され、再生工場などで再商品として加工・製造されます。そのため、プラマークのついていない物や汚れた物がまじっていると、リサイクルの過程で支障が出るため、洗ってから出すように推奨されています。
自治体によって多少の違いはありますが、プラごみには以下のようなものがあります。
・肉、魚、その他の食品トレイ類、弁当容器
・カップ・パック類
・カップ麺・卵などの容器
・ボトル類
・洗剤・シャンプーなどの容器
・チューブ類
・マヨネーズ・ケチャップなどの容器
・ふた(チューブ類のふた、ペットボトルのキャップなど)
・ポリ袋・フィルム類
・レジ袋、スナック菓子などの袋
・緩衝材・網(ネット)類
・発泡スチロール、果物ネット など
CDやビデオのケース、ストロー、歯ブラシなどは、プラスチック製容器包装に含まれません。
どのくらい汚れを落とせばいいかについては、自治体ごとに表現が異なります。
「中身を使い切り、目で見て汚れが残っていない程度に水でゆすいでください」「食べ残しなどを取り除き、水で軽くゆすぐか、布や紙で拭き取ってください」などと書かれ、汚れが落ちない物に関しては、燃えるごみ(可燃ごみ)に出すように勧めている自治体がほとんどです。
ママたちのコメント通りですね。ただ、どのくらい洗うかについては、個人の感覚による違いもあるし、きれいに洗おうとするあまり、水を使いすぎるのをためらう人も多いのではないでしょうか。
そこで、毎年、環境省が発表する「ごみ排出量の少ない自治体ランキング(人口50万人以上)」で常に上位にランクされる東京都八王子市にその目安を聞いてみました。
「かるくゆすいで汚れが落ちなければ可燃ごみとして出していただきますが、多少色などがついているくらいなら問題ありません。ただし、液体の汚れや固形物の汚れは落としてください。
油のボトルなら、いらない布などの下に敷いて一晩逆さにして油が切れれば大丈夫です。マヨネーズやケチャップ、チューブなどは半分に切ってからゆすぐときれいになります。カップラーメンなどの容器は、多少の色がついていても食べかすなどが残っていなければ大丈夫です」
その他、自治体によっては30cm以上、40cm以上のプラごみは粗大ごみに出すなどの決まりのあるところ、容器包装プラスチックのほか、硬質プラスチックも資源ごみとして収集しているところもあります。
また、プラごみをリサイクルではなく、可燃ごみとして焼却処理をして熱エネルギーとして発電などを行っている自治体も存在します。
今回の取材で、プラごみと思い込んでいたものが実は違っていたという意見も多く聞かれました。一度、原点に戻って、住んでいる自治体のごみの出し方を確認したいと思いました。
(取材/文・橋本真理子)
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。