赤ちゃんのいる家庭の防災対策!ペットシーツを使ったおふろ・紙おむつの代用方法【専門家】
災害大国日本において、地震や水害などの自然災害はいつ起こってもおかしくありません。もしも、赤ちゃんと被災したとき、お世話グッズがたりず困るかもしれません。
国際災害レスキューナースである辻 直美さんに、被災してしまったときに使える、赤ちゃんのお世話アイデアを教えてもらいました。辻さんがおすすめする防災グッズのひとつは、「ペットシーツ」。大判で水分を吸ってくれるので、さまざまな場面で役立つと言います。
今回は、この「ペットシーツ」を使ったアイデアを紹介します。なお、「ペットシーツ」は100円ショップでも手に入りますが、ホームセンターなどで多めに入っているものを購入したほうが割安な場合もあります。
ペットシーツ&ペットボトルで省エネ・省スペースで赤ちゃんシャワーを
断水などで湯をはった浴槽で入浴ができないこともあるかもしれません。それでも新陳代謝が活発な赤ちゃんの体を肌トラブルから守るためには、少しでも清潔にしてあげたいもの。
ペットシーツとペットボトルがあれば、赤ちゃんの体を「かんたんシャワー」できれいにできます。お湯を準備できるならば、ぜひお湯を使って。
【用意するもの】
・ペットシーツ…1枚
・キャップに穴を開けたペットボトル…1本
・バスタオル…1枚
・カット綿…数枚
まずは、床がぬれない工夫を
バスタオルの上にペットシーツを敷き、その上に赤ちゃんを寝かせます。冷える日や、まわりに人がいる環境の場合は、赤ちゃんの体にガーゼやタオルをかけて。
次に、赤ちゃんの体をふきます
キリや金ぐしなどで、ペットボトルのキャップに穴を開けておきます。そこに水(用意できれば湯)を入れ、カット綿をぬらしましょう。そのカット綿で、顔や耳まわりをやさしくふきます。
最後に、全身にシャワーをかけます
ペットボトルの水をシャワーのように使い、上半身、下半身、手先、足先と流しましょう。ペットシーツは吸水性がいいので、余計な水を吸ってくれます。
ペットシーツ&レジ袋でできちゃう、赤ちゃんの紙おむつ
おむつ替えができないと、不衛生なのはもちろん、赤ちゃんのグズグズの原因にもなります。親としても、そんな状況は心苦しいですよね。おむつの在庫がなくなってしまったときや支援物資が届かないときに使える、赤ちゃん用おむつの代用アイデアです。
【用意するもの】
・大き目のレジ袋…1枚
・ペットシーツ…1枚
まず、レジ袋で土台を作ります
レジ袋の持ち手部分の端と、わきの部分をはさみで切り、1枚のビニールシート状になるよう広げます。
次に、おしっこを吸水するためペットシーツを重ねます
ビニール袋の上下を、赤ちゃんの足先から腰くらまでの長さに折り曲げます。その上に、ペットシーツを吸水面が外側にくるよう二つ折りにしてのせます。
最後に、赤ちゃんにフィットさせれば完成です
赤ちゃんをペットシーツの上にのせ、ビニール袋の取っ手部分を、背中とおなかの前で結べば完成です。さらに、おなか部分を外側にひと折りすると、よりモレにくくなります。
男女でペットシートの位置を調節して
男の子はおしっこが前に出るので、ペットシーツの奥側に赤ちゃんのおしりがくるようセットして、前にゆとりを持たせましょう。
女の子は、ペットシーツの真ん中あたりにおしりがくるようにします。前後が均等になるくらいがいいでしょう。
監修/辻直美さん 撮影/アベユキヘ 取材・文/ひよこクラブ編集部
こういった代用アイデアがあることを知っているだけで、もしものときもパニックにならずに済みそうですね。何より、災害用の備蓄グッズは、普段からそろえておくようにしましょう。
参考/『ひよこクラブ』2021年9月号「100均グッズでできる 赤ちゃんがいる家の防災」
辻 直美さん(つじ なおみ)
Profile
国際災害レスキューナース。一般社団法人 育母塾代表理事。1995年阪神・淡路大震災、2018年大阪府北部地震と二度の震災を経験。自身の経験から本当に使える防災を伝える活動をしています。『レスキューナースが教える プチプラ防災』(扶桑社)など著書多数。