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もしもの備え 赤ちゃんがいる家庭の災害用備蓄品に液体ミルクは必須なの?【専門家に聞く】

更新

0カ月以上の赤ちゃんがいる「たまひよ」WEBユーザーへ「液体ミルクを使ったことありますか?」と、質問したところ、1,823人のママから回答(※)がありました。調査結果によると、「使ったことがある」と回答した方は約37%、「使ったことはないが興味はある」と回答した方が45.9で最も多い結果に。そして、フリーコメントでは「災害時用にストック」という声が数多く寄せられました。液体ミルクは、赤ちゃんがいる家庭の災害対策アイテムの1つとなっているようです。そこで、NPO法人 MAMA-PLUG事業代表の冨川万美さんに、災害対策の液体ミルクの役割について聞きました。

※データは、0カ月以上の赤ちゃんを持つ「たまひよ」WEBユーザー1,823人のアンケート結果をまとめたものです(2021年12月実施)

そもそも液体ミルクって? 日本での歴史はまだ浅い

彼の母親の腕の中でミルクを飲む赤ちゃんのクローズ アップ
Wavebreakmedia/gettyimages

液体ミルクとは調乳済みのミルクで、液体の状態で販売されています。常温で保管が可能なうえ、調乳の必要がなく、哺乳瓶に移し替えるだけで赤ちゃんに与えることができます。

国内で液体ミルクの製造発売がスタートしたのは2019年。欧米諸国に比べるとその歴史はまだ浅く「本当に安全なの?」「実績的に粉ミルクで十分では」と、思うママも多いと思います。

日本で液体ミルクの存在が一躍注目を集めたのは2016年4月、熊本地震でした。
ライフラインが停止し、お湯どころかお水の確保が難しい環境のなかフィンランドから支援物資として液体ミルクが送られたのです。
「お湯がない場所でも与えられる」「常温で管理できる」「使う直前まで密閉されているので衛生面で安全」という液体ミルクは被災地で大活躍。お母さんと赤ちゃんの窮地を救ったことをきっかけに、国内での製造販売にむけて法整備がすすめられ、メーカー側も開発製造へと舵をきったのです。

しかし、うちは母乳中心だし、粉ミルクでも不便はないし、災害対策というのはわかるけど…「液体ミルクって本当にストックすべき?」というジレンマがあることも事実です。

そこでNPO法人 MAMA-PLUG事業代表の冨川万美さんに、液体ミルクも含めて赤ちゃんがいる家庭での災害時用の備蓄について、さらに防災の心構えについて聞きました。

災害時の授乳スタイルは「通常通り」が基本です

――災害時に備えて液体ミルクはストックすべきでしょうか。

冨川さん(以下敬称略) 液体ミルクは、災害時は使い勝手は良いと思います。けれども基本的に「災害時も授乳スタイルは通常通り」と心がけてください。
つまり母乳の方は母乳で。避難所へ移動する際は、よりリラックスして授乳できるよう授乳ケープや授乳クッションを持参しましょう。
ただ精神的ストレスで一時的に母乳の出が悪くなったり、赤ちゃんと一緒にいられない状況になる可能性もありますから、液体ミルクがあると心強いと思います。

ミルク育児の方は液体ミルクと合わせて、哺乳びんなどの衛生面での気遣いを重要視して欲しいです。実際、被災地では不衛生な哺乳びんや調乳が原因での赤ちゃんの体調不良の事例がありました。なので、水とカセットコンロを備蓄しましょう。煮沸消毒できますし、温かいおしぼりを作ることもできます。ただ、災害時は水も貴重品です。液体ミルクのなかには乳首を直接セットできるタイプがあり、それを使えば煮沸消毒は乳首だけですみます。余裕があれば使い捨て哺乳びんも検討してみてください。

――液体ミルクは事前に試すべきですか?

冨川 液体ミルクは粉ミルクと比べて、より母乳に近い味と言われています。
粉ミルクを拒否した赤ちゃんが液体ミルクは飲んでくれたという話もあれば、その逆に粉ミルクの赤ちゃんが液体ミルクを拒否した、という話もあります。
また、メーカーによって味に違いがあります。非常時は常温で与える可能性もあるので、事前に試して欲しいとは思います。

避難所はあくまで一時的な利用と考えて

――赤ちゃんのいる家庭の防災意識ついて教えて下さい

冨川 災害時は自治体の指示に従って避難してください。ただし、避難所は一時的な利用と考えましょう。
避難場所は、赤ちゃんとともに長期滞在する場所としては不向きです。自治体の指示が最優先ではありますが、自宅に帰宅できる環境が整えば、自宅で過ごすことをおすすめします。


――自宅に戻れない、備蓄が尽きた場合はどうすべきですか?

冨川 火災や倒壊などで自宅に留まれない、ライフラインが寸断されて生活できない、備蓄が尽きそうなどの場合は、ライフラインが整ったエリアへ移動することを考えましょう。

各自治体の備蓄倉庫にはおむつやミルクなどがストックされていますが、品数に偏りがあったり、型が古かったり、クオリティが極端に低いなどの可能性があります。
救援物資も現地に届いたとしてもオペレーションが稼働せず、被災者の手元に届くまでに時間がかかるのが通例です。

とはいえ、自宅に大量の備蓄をすることも現実的ではありません。
それよりも実家、親戚、友人宅と協力して、もしもの場合はお互いを一時的な避難先にしあったり、そこまでの徒歩ルートを確認し準備(防災リュック、現金、モバイルバッテリーなど)するほうが現実的です。

備蓄と同等に大切なことは、家族で日頃から災害について話し合うこと

――赤ちゃんがいる家庭で、ほかにするべきことはありますか?

冨川 家族と災害時のルールを事前に決めておくことです。これが本当に重要です。あるママが私に東日本大震災での体験談を語ってくれました。

そのママは赤ちゃんとともに自宅で被災。夫とは音信不通のまま3日間、自宅で孤独に過ごし、3日後、夫は帰宅して感動の再会……にはならず、罵声を浴びせてしまったそうです。
「きっと夜には帰ってくる」「明日には帰ってくる」と、勝手に期待し、そのたびに期待を裏切られ、さらに孤独が追い打ちをかけて日に日に追い詰められたそうです。
「事前に、災害時にどうするべきか、話し合っていればこんなことにはならなかった」と、そのママは私に話してくれました。

――災害時、ママにのしかかる精神的ストレスがよくわかるエピソードですね。

冨川 ただでさえ大変な乳幼児の育児です。そこで災害に遭い、さらに孤独になれば冷静を失いパニックになって当たり前ともいえます。

災害時、赤ちゃんの安心安全を守るためには、ライフラインの整った環境への移動が一番です。その準備をやるとやらないでは大違いです。最近も大きな地震がありました。家族と災害時はどうするか、ぜひ話しあってください。

お話・監修/冨川万美 取材・文/川口美彩子

色々と準備したのに役立たなかったとしても「使わないでよかった。平和でよかった」と、喜ぶことが結果幸せだということになりますね。


※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

冨川 万美(とみかわ まみ)さん

PROFILE
NPO法人 MAMA-PLUG事業代表。
東日本大震災で被災したママたちの支援活動を通して、防災に関する事業を開始。最新著書に『全災害対応! 子連れ防災BOOK』(祥伝社)があります。

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