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スマホは絶対に悪なのか?未来を生きる子どもたちに必須なスキルは?【専門家】

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アジアの母と娘,タブレットコンピュータ
miya227/gettyimages

2020年度から全ての小学校でプログラミング教育の必修化が始まりました。とはいえ、ママ世代にとっては「プログラミングって何?」「どうやって子どもに教えたらいいの?」といった疑問をはじめ、子どもがスマホやタブレットに触れることに抵抗を感じる風潮も見受けられます。そこで今回は、日本のデジタル教育を先導してきた石戸奈々子さんに、お話を聞きました。

教えてくれた人
石戸奈々子さん
CANVAS代表、株式会社デジタルえほん代表取締役、一般社団法人超教育協会理事長、B Lab所長、慶應義塾大学教授。東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、子ども向け創造・表現活動を推進するNPO「CANVAS」を設立。これまでに開催したワークショップは約3000回、延べ50万人以上の子どもたちが参加。著書には「日経プレミア 賢い子はスマホで何をしているのか」はじめ多数執筆。デジタルえほん作家、一児のママとしても活動する。

親がスマホを否定し続けることは子どもの未来のためになるのか?

「私は子どもにとってスマホは悪いものと決めつけるのはどうなのだろうかという考えをもっています。いまや、私たちはコンピュータに囲まれた生活をしています。仕事にも勉強にも買い物にもコンピュータやネットが入ってきています。ご飯を炊くときも、洗濯をするときも、テレビを見るときも。車は大量のチップが埋め込まれたコンピュータと化し、掃除にはプログラムが制御するロボットが活躍しています。家電、冷暖房、台所、風呂、すべてをコンピュータが管理し、電車・信号機、病院の診療システム、税金や銀行預金の管理は、全てネットで行われています。つまり生活・文化・社会・経済のあらゆる場面で、私たちの生活をコンピュータが支えており、そしてそれらのしくみは全てプログラミングによって生まれているのです。」と石戸さん。

つまり、身の回りの生活がプログラミングにより成り立っている今、コンピューターを理解し、上手に活用する力を身に付けることは、生きていく上でも必要なスキルとなっているのです。「将来、お子さんがどのような職業に就こうとも、必要な基礎教養がプログラミングです」と石戸さんは解説します。

「プログラミング教育」で得られる、子どもたちの「思考力・判断力・表現力」

「プログラミング教育」と聞くと、「パソコンスキルを身に付ける」「理系が得意な人や、IT系の職種に有利」といった印象を抱く方がいますが、プログラミング教育は、プログラミングできることだけが目的ではありません。文部科学省の小学校の学習指導要領によると、プログラミング教育には、下記3つの目的があるとされています。

1.コンピューターなど情報化社会の技術を理解すること
道具の用途や目的、使い方を理解しなければ、その道具、本来の役割を果たすことはできません。同じように、コンピューターやプログラミングの仕組みや働きを知り、その体験を通じて理解しなければ、主体的な活用法を見出すことはできないのです。まして、これからは「コンピューター」×「AI」×「人間」の共存がテーマになりますから、基本的なメカニズムを習得し、それぞれの得意な部分を理解し補い合いながら共生することが求められる世の中となります。

2.プログラミング的思考力(論理的・創造的思考力)を育む
目的とする成果を得るために、物事を順序立てて考え、試行錯誤し、いかにしてその目的に達成する(問題解決を図る)かといった際に生じる論理的・創造的思考を「プログラミング的思考」と言います。

例えば、“美味しい卵焼き”を作ることを目的とした場合、卵4個に対し、調味料をどのくらい配合すればいいのか、火加減や焼き時間はどのくらいが望ましのか、下準備をするところから計画を立て、調理をし、どうしたらもっと美味しくできるのか、どの部分が問題で、どのように改善すればより美味しくなるのかを考えるでしょう。そうして試行錯誤を重ねた末に“美味しい卵焼き”にありつけるその過程にこそ「プログラミング的思考力」が育まれるのです。

3.プログラミングを用いて各教科の理解を深め、学びをより確実なものにする
学校教育の中に「プログラミング」という教科ができるわけではありません。小学校であれば、各教科等の特質に応じてプログラミングを体験しながら、その単元の理解をより深めていくことを目的とします。従来のように答えが一つしかない知識を一方的に伝達するのではなく、自ら考え、体感する中で知識を構築する教育が始まるのです。

石戸さんは、「プログラミング教育によって養われる創造力は、コンピュータに代替できない力であり、いままで以上に重要です。そして、なによりも、つくりながら学ぶことによって、学ぶことの楽しさを知ることができます。その力は、学び続ける力につながり、変化の激しい時代を生きる子どもたちにとって大切なことです。学び続ける力は、この先世界がどのように変化したとしても、柔軟に適応し、変化すらも楽しみながら生き抜ける糧となります」と言います。すなわち、幼い頃からスマホをはじめとした、デジタルという「ツール」をいかに活用し、親しむことによって拓かれる創造性は、AIと共に働く未来を生きる子どもたちにとって、決して無視できないものなのです。

後編では、実際にどのような形でプログラミング教育を取り入れることが望ましいのか。とはいえ、親が悩みがちなデバイスとの付き合い方や親子で一緒に楽しみながらできるデジタルの学びについてお話します。

取材・文/佐藤文子

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