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【小児科医リレーエッセイ 34】 便利なスマホ。でも「テクノフェレンス」には注意を。つき合い方を考えてみませんか。

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カジュアルな赤ちゃんスマート フォンに満足して遊ぶ
※写真はイメージです
yumehana/gettyimages

「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生方から、子育てに向き合っているお母さん・お父さんへの情報をお届けしている連載です。今回は、島根県松江市・ぽよぽよクリニック院長の田草雄一先生から「子育てとスマホの関係」についてです。

子は宝、その宝を守り育てるお母さんやお父さんもまた宝なり

小児科医として30年子どもたちと向き合ってきて、つくづく思うのは「子どもたちは何よりも宝もの」だということです。子どもたちは日本の「未来」そのもの。私たちの日本は彼らの腕にかかっています。そして、その宝である大切な子どもたちを守り育てているお母さんやお父さんは同じく宝と言っていいと思って日々接しています。

ところで、みなさんはスマホを使っていますか。20代30代の子育て世代のスマホ普及率は97%(内閣府消費動向調査2021年)とほぼ全員が持っていることと思います。今回は私と一緒にお母さんやお父さんがスマホを子どもの前で使うこと、小さな子どもがスマホを使うことについて考えてみませんか。

スマホが子どもにどんな影響を与えるのか、まだ研究が追いついていない

2007年iPhoneの登場以来、急速にスマホが普及し、今やほとんどすべての大人がスマホを手にし、そして低年齢化が急速に進行しています。ネットで世界とつながり、情報を一瞬にして手に入れることができたり、自ら発信したりすることが非常に手軽にできるようになりました。こんな便利なものはないですよね。今やスマホを手放すことなんて考えられません。
スマホを使ってネットの世界につながることもたいへん容易にできるようになり、子どもたちの利用率も年々増加しています。

このような状況の中で、発達段階にある子どもたちへの心や体への影響については、まだまだ研究が追いついていない状況にあります。スマホ利用を促進する立場の方たちは「スマホの危険性がわかるまでスマホに触らせないのはおかしい」という論調でスマホ利用を促進しようとされます。しかし、私たちは逆に問いたい。「スマホの安全性が証明されるまでは、スマホの利用は慎重にしたほうがいいのではないですか。とくに乳幼児と低年齢の子どもたちはなおさらです」と。

小児に対する専門家集団の提言に耳を傾けてみよう

そこで、小児の健康に責任のある団体からの提言を見ていきましょう。

【世界保健機関(WHO)/2019年】
「5歳未満の子どもの身体活動、睡眠およびスクリーンタイム」に関するガイドライン(抜粋)
テレビやビデオ鑑賞、コンピュータゲーム等のスクリーンタイムについて
・1歳未満児:推奨されない
・1歳児:推奨されない
・2~4歳児:1時間を超えるべきではない

【アメリカ小児科学会/2016年】
「コミュニケーションとメディアに関する提言」(抜粋)
1)乳幼児は電子メディアではなく人と関わる遊びを通して学んでいく
2)IT機器はすぐに使えるようになるので、早くから使わせようと思わなくてよい
3)1歳半までは、電子メディア使用を避ける(遠い家族とのビデオチャットのみ可)
4)1歳半から2歳までは、電子メディアを使用するのであれば質の高い内容を選び保護者が子どもと一緒に使用する
5)2歳から5歳については、質の高い内容を選び1日1時間までとし、子どもの理解を助けるように保護者もいっしょに使用する
6)子どもをおとなしくさせるためだけに使用しない
7)大人は子どもと遊ぶとき、食事中、寝室では電子メディアを使わない

【日本小児連絡協議会/2015年】
「子どもとICT(スマートフォン・タブレット端末など)の問題についての提言」(抜粋)
保護者は、不適切なICT利用が子どもの健やかな成長発達や心身の健康に悪影響を及ぼしうることを認識し、責任を持ってスマホやタブレット端末を管理しましょう
(具体的方法は次の通りです)
1)スマホなどの管理者は保護者であることを子どもに明確に伝えましょう
2)保護者はスマホなどが子どもに及ぼす悪影響について学習しましょう
3)スマホなどの適切な使い方を親子で話し合いルールを決めましょう
4)保護者は子どもに貸与したスマホ等の利用状況を折に触れて確認しましょう
5)子どもが決められたルールを守れない場合には一旦没収し、改めて話し合いましょう

お母さんやお父さんがスマホを子どもの前で使うとき

「テクノフェレンス」
初めて聞く言葉かもしれませんが、これは今もみなさんの近くで行われていることかもしれません。これは「家庭での保護者によるモバイルテクノロジー利用時に、保護者が画面を閲覧する時間が親子のコミュニケーションや交流を阻害すること」と定義されています。私のクリニックでも、お母さんが赤ちゃんを抱っこしてスマホに夢中になっている姿を日々目にしています。
小さな赤ちゃんといえども、覚醒中には近くの人に対してさまざまなサインを送っています。声には出しませんが、「こっちを向いて」「何かお話しして」「ギュッとして」などなど。そしてそのサインに応えてもらうことを繰り返すと愛着が育っていきます。
「ママのスマホになりたい」という子どもの訴えに耳を傾けてみましょう!

一緒にスマホの子どもたちへの影響を勉強しましょう!

発達段階にある乳幼児、小さな子どもがスマホなどを使うときにはさまざまな影響がある可能性を考えておきましょう。脳、視覚や聴覚、発達、運動、睡眠、自己肯定感などこれからこの世界で生きていくため、そして「未来」をつくっていくためのマイナスの影響を受けるかもしれません。

2021年2月に内閣府が発表した「低年齢の子供のインターネットに関する啓発や学習の経験」は保護者の90%以上が受けたことがないと回答されています。
ぜひとも小さな子どもにスマホを持たせるとき、子どもたちの前でスマホを使うときのために一緒に勉強しませんか?私たちはエビデンスを少しずつ積み上げて啓発を行っています。お母さんやお父さんと一緒に大切なものと向き合っていきます。

ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会は、だれでも参加できます。

ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会

※1 Guidelines on physical activity,sedentary behaviour and sleep
for children under 5 years of age

※2 Council on Communications and Media. Media and Young Minds. Pediatrics,138,2016

※3 日本小児連絡協議会 子どもとICT(スマートフォン・タブレット端末など)の問題についての提言

文/田草雄一先生(ぽよぽよクリニック 院長)

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